腰痛の原因は、生活習慣や生別 、年齢職業などが複雑に関係していますが、多くの場合、腰を支える骨筋肉の故障が腰痛の原因となっています。急性期は安静にし、回復期に少しずつ身体を動かし腰痛を予防しましょう。
■骨粗しょう症とは?
骨粗しょう症(こつそしょうしょう)は骨量が減少し、骨が変化してもろくなり、骨折しやすくなった状態です。
破骨細胞が古くなった骨を溶かし壊す働きをし、骨芽細胞がカルシウムなどを運んできて骨を再生しています。
この骨が壊され作られるバランスが保たれることで、健康な骨が維持されています。
しかし、バランスが崩れ骨が壊される働きが強くなり、また骨を作る働きが弱くなると、再生がおいつかなくなり骨がスカスカで強度が弱くなり骨粗しょう症(こつそしょうしょう)になってしまいます。
脊椎がつぶれたり、変形したりすると背中の痛みや腰痛も現れます。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は特に女性に多く、60歳代の女性の半数、70歳代の女性の約6割が骨粗鬆症(こつそしょうしょう)で骨折しやすい状態にあります。
女性はもともと男性より骨量が少ないのに加えて、閉経後、急に骨量が減るそうです。
>骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を予防するには?
>骨太ポイント
>カルシウムをとるコツ
>運動と日光浴でカルシウム効果を高める
>骨粗しょう症治療薬について
■骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を予防するには?
骨量は、骨格の成長とともに20歳ごろまで増加し、成人期にピークを迎え、中高年期にはしだいに減少します。40歳を過ぎたら、定期的に骨量の測定を受けて対処していくのも予防の一つです。
過度の運動、過度のダイエット、女性では生理不順を招くような過労は、骨量を減らすので注意が必要です。
女性は閉経期以降、骨量が減少しますが、日常生活の過ごし方で減り方が大きく違ってきます。
適度な運動、十分なカルシウム、家に閉じこもらない生活が大切。
喫煙やお酒の飲み過ぎは骨量を減らすので注意が必要です。
●運動負荷の減少(骨は重力の負荷など、力が加わることにより壊され作られるのバランスが保たれています)
●ホルモンバランス(女性で閉経により女性ホルモンエストロゲンが急に減ってしまい、骨の代謝バランスが崩れます)
●カルシウムの欠乏(骨の成分で一番重要なカルシウムが減ってしまったり、カルシウムを吸収するために必要なビタミンDが欠乏すると、骨の代謝が崩れてしまいます)
■骨太ポイント(骨粗鬆症・骨粗しょう症)
骨を丈夫にするには、骨の材料になるカルシウムをたっぷりとることが必要です。同時にカルシウムの吸収を助けるビタミンDをとったり、カルシウムの利用を妨げる塩分・アルコール・タバコを控えるなどの注意も大切です
1.カルシウム
骨の材料になるカルシウムを十分にとることが大切。
2.ビタミンD
カルシウムの吸収を助けるビタミンDを取ることも必要。
(外に15分位いれば摂取できる。しいたけなどに多く含まれます)
3.ビタミンK
カルシウムの沈着などをコントロールしてくれる(納豆に多く含まれます)
4.ビタミンC
骨の中のコラーゲン合成に必要(生野菜に多く含まれます)
5.タンパク質は適量を
タンパク質のとりすぎは、カルシウムの利用を悪くする。
6.塩分のとりすぎに注意
塩分をとりすぎると、カルシウムの利用が悪くなる。
7.リン、マグネシウムも必要
リンは穀物や肉に、マグネシウムは幅広い食品に含まれ、両方とも骨の材料になります。ただしリンのとりすぎはカルシウムの吸収を妨げるそうです。
8.アルコールは控えめに
アルコールの飲み過ぎは、カルシウムの吸収を妨げます
9.喫煙に注意
喫煙はカルシウムの吸収を悪くするため注意 。
■カルシウムをとるコツ(骨粗鬆症・骨粗しょう症)
●おすすめは乳製品
乳製品のカルシウムは、他の食品より吸収率が高い。牛乳やヨーグルトなら、1日200〜300ccが適量です。
●薄味料理で骨太に
味付けが濃いと、塩分のとりすぎになり、せっかく取ったカルシウムを尿といっしょに出てしまいがちです。
●加工食品のリンに注意
炭酸飲料や錬り製品、インスタント食品、スナック菓子にはリンが多くふくんでいるので適量を心掛ける。
●カルシウム強化食品も利用
ウエハースやせんべいなどの菓子、ご飯の素など、カルシウムが強化された補助食品も市販されているので上手に利用するのも手のひとつです。
■運動と日光浴でカルシウム効果を高める(骨粗鬆症・骨粗しょう症)
●運動
食べ物からとったカルシウムを骨に蓄えるためには、体を動かすことが必要で、歩行・ジョギング・エアロビクスなど、適度な運動は骨の新陳代謝を活発にし、カルシウムが骨に定着するのを助けます。週に3回以上、30分〜1時間ぐらいが理想だそうです。ひざへの負担が少ない運動としてプールもおすすめの一つ。
●日光浴
カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDは、日光浴で作られるそうです。皮下脂肪にはビタミンDになる前の物質があり、日光の紫外線を浴びることによりビタミンDに変化。ただし、日焼けするほど日光浴をする必要はなく木漏れ日程度の日差しの下でする散歩で十分だそうです。
■身体の中で骨折しやすい場所
・首と胸椎の境目
・胸椎と腰椎の境目
・手首のあたり
・大腿骨のけい部のあたり
■転倒・転落等の事故発生場所
居住場所55.4% 道路上24.6% その他20%
●対応策
・身の回りの整理整頓をおこなう
・段差にスロープを付ける
・階段に手すりを付ける
・風呂場に手すりを付ける
・スリッパの裏が滑らないものを使う
■骨粗しょう症治療薬
●ビスフォスフォネート製剤
骨の破壊を抑えて骨の強度を保ち骨を折れにくくする
・注意:空腹時に服用しないといけない。そのため胃の粘膜を刺激する
●活性型ビタミンD製剤
腸からのカルシウムの吸収を高める
・注意:カルシウム剤との併用に注意
●ラロキシフェン
女性ホルモンに似た働きで骨の破壊を抑える
・良い点:1日1回いつ服用してもよい
・注意点:■閉経後の女性が対象■更年期症状は改善しない■静脈血栓症の人は使用してはいけない
骨粗しょう症郵送検診キット
骨粗しょう症にはいくつかの危険因子があります。問診票ではこれらの危険因子を骨の変化や食生活や嗜好、生活スタイル、既往歴、肥満度の6つの視点に分けて分析するので発症リスクの予防に有効です。検査は尿検査。自分で採取し、所定の封筒に入れ郵送すると、検査結果が送られてきます。最も信頼できる骨代謝マーカーであるカルシウムの排泄量を測ります。加えてカリウム・ナトリウム・リンの測定は食生活、栄養、ストレスなどの指導に重要な意味をもちます。