農家・畜産農家の腰痛対策

腰痛の原因は、生活習慣や生別 、年齢職業などが複雑に関係していますが、多くの場合、腰を支える骨筋肉の故障が腰痛の原因となっています。急性期は安静にし、回復期に少しずつ身体を動かし腰痛を予防しましょう。

■農業・畜産業の従事者の腰痛対策
農業や酪農に従事している方で腰痛に悩む方は多く、そのほとんどが長い間、おなじ姿勢や動作を繰り返すことで腰や背骨に変形が起こり、慢性化した腰痛を引き起こしています。
機械化が進み、農作業や畜産、酪農の作業環境もかなり改善してきましたが、いぜんとして手作業を必要とする作業は中腰の姿勢で行わなければならず、他の業種よりも腰痛になる可能性が高い状況です。
仕事の内容上長期間にわたって前かがみや中腰の姿勢をとりますが、そのために腰椎が前屈したまま固定(後彎症)してしまい治療が難しくなり、慢性化した腰痛となってしまいます。
ビニールハウスなどでの作業は狭い中での作業になり、必然的に中腰の姿勢が多くなります。
一般に農業や酪農での作業には、腰を前に曲げたり、物を持ち上げたり、腰をひねる動作を繰り返し行うことが多く、いちど腰痛になってしまうと腰痛が悪化してしまうおそれがあります。
しかし現実には痛くても休むことができず、治療をしても慢性化してしまい、変形した状態で固定してしまうことが多い状況です。

■農家・畜産農家の腰痛対策ポイント!
対応策としては、日常生活の姿勢や動作に気を配り腰への負担を減らすことが必要です。
仕事中では、一定時間作業をおこなったらストレッチや伸展運動を行い血行を促しましょう。
まだ腰痛になっていない方なら、正しい姿勢や動作を意識しておこない予防をおこなうことも大切です。
普段から運動をするなどして仕事で使わない筋肉も鍛えるようにして、生理的彎曲(せいりてきわんきょく)が保てるバランスのとれた体をつくりましょう。

●生理的彎曲(せいりてきわんきょく)
脊椎は首・胸・腰の部分で前や後ろに、S字形に彎曲しています。
この自然なカーブを生理的彎曲(せいりてきわんきょく)と呼びます。

■その他の注意点
・物を持ち上げるときは膝をついて、物を体に密着するように腕を体につけて行う

・重い物は、背中に背負うか、小分けにして両手にバランスよく持つ

・重い荷物は台車で運ぶ

・低いところのものを持ち上げる場合は、膝をついて持ち上げる

・高いところのものを降ろすときには、背伸びをしないで踏み台を使う