ショウガ(生姜)で冷え性改善・カゼ予防。生姜は、生で食べればジンゲロールが免疫細胞を強化してカゼに負けない身体を作ってくれ、熱を加えるとショウガオールが身体を温めてくれカゼ予防に効果的です。
■弱った身体に良い食べ物ランキング
1:ショウガ
2:ニンニク
3:ネギ
4:ミカン
5:豚肉
■ショウガ(生姜)について
ショウガは昔から身体に良い食べ物として広く知られていました。
ショウガは日本最古の医学書にもカゼを治すと書かれ、平安時代にはすでにその薬効が認められていました。
薬味という言葉はショウガから生まれた言葉だそうです。
漢方の世界でもショウガなくして漢方は成り立たないとまで言われ、医療用漢方薬の70に含まれるなど、ショウガは滋養強壮などたくさんの効能があるとされています。
その一方で、ショウガの何の成分にどんな効能があるのか、なぞの多い食べ物でもありました。
ところが最近その驚くべきパワーの秘密が除々に解明され、専門科の間では弱った身体に最も良い食材として注目されています。
■食べ方によって効能が違う
生のショウガを食べると免疫細胞が増える働きがあります。
NK細胞をはじめとする免疫細胞は、体内でカゼのウィルスや細菌と闘ってくれる細胞です。
免疫細胞の数が増えると防衛能力が強化され、カゼのウィルスは撃退しやすくなります。
■ショウガ独自の成分“ジンゲロール”
ジンゲロールはショウガの中に含まれる辛味成分。
ジンゲロールが血管に入ってくると、敵と勘違いした免疫細胞が数を増やし強化されます。
しかもジンゲロールは気管支炎などを引き起こす細菌類にとっても脅威の存在で、細菌に直接攻撃をしかける殺菌作用を持っています。
■ジンゲロールは熱を加えると減る
ジンゲロールは火を通し熱を加えるとその量が減ってしまいます。
つまりジンゲロールが多いのは生のショウガになり、ショウガは生で食べた方が免疫細胞が増強され、カゼのウィルスを撃退しやすくなります。
■ジンゲロールは酸素に弱い
ジンゲロールは酸素に弱く、酸素に触れると酸化してしまい本来の働きが出来なくなってしまいます。
例えば、ショウガを豆腐の冷ややっこで一緒に食べるとき、最初にショウガをおろすのと、食べる直前におろすのではジンゲロールの量が1/4になってしまいます。
つまりすりおろしたショウガのジンゲロールは、すった直後からどんどん酸化して減ってしまいます。
たった3分置いておくだけで半分に激減してしまいます。
ちなみにショウガは細かく切れば切るほど空気に触れる表面積が増え、ジンゲロールは酸化しやすくなってしまいます。
カゼをひきそうな弱ったときは、ショウガは熱を加えず生で食べるのがオススメです。
そしてショウガをすりおろす時は食べる直前がベストタイミングです。
すりおろしたときの汁にもたくさんのジンゲロールが含まれています。
■皮の近くに多くの成分が含まれている
ジンゲロールをはじめ、ショウガ独自の成分のほとんどが皮の近くに多く含まれているので、ショウガの皮はスプーンなどを使い薄くむいた方がお得です。
■生姜の保存方法
ショウガは10℃以下になるとジンゲロールが減ってしまいます。
ショウガは湿った新聞紙に包んで、光の当たらない所に置いておくのが一番良い保存方法です。
皮をむいていなければジンゲロールに影響はないそうです。
■ジンゲロールは加熱でショウガオール変化する
熱を加えたショウガは確かにジンゲロールの量は減りますが、ジンゲロールの量が減るにつれ“ショウガオール”という成分が増えていきます。
ジンゲロールは熱が加わるとなくなるのではなく、ショウガオールに変化します。
ショウガオールは血管を拡張し血行を良くする働きがあります。
そもそも人間の血管は、プロスタグランジンという物質が血管の収縮性や血小板の粘着性を高めています。
しかしそのバランスがくずれてしまうと血管は細くなり過ぎたり、血小板の粘着性が強くなりすぎたりします。
特に冬はこのような状態になりやすく血行が悪くなり、様々な悪影響をおよぼすことになってしまいます。
その悪影響を改善してくれる存在がショウガオールです。
ショウガオールは血管を収縮させているプロスタグランジンの働きを弱め血管を拡げたり、血小板の粘着性を高めているプロスタグランジンの働きを弱め血液の流れを良くしたりしてくれます。
つまりショウガオールを摂れば身体の隅々まで血液が行き渡るようになり、身体が温まるようになります。
熱を加えた生姜に多く含まれるショウガオールは、冷え性で悩む人の強い味方になります。
■ショウガオールの効率的な摂り方
ショウガオールは炒めたショウガに最も多く含まれます。
身体を温めたい時はショウガは炒めて食べるのが最も効果的です。
ちなみに生姜焼きは漬けダレにショウガオールの素ジンゲロールが溶け出しているので使わないと損です。
さらに炒める時に千切りも加えて一緒に炒めるとより効果的です。
■カゼをひいたときはぬるめの生姜湯がオススメ
生の生姜をすりおろす生姜湯は免疫力を高めるジンゲロールが多く入っていますが、お湯が熱過ぎるとジンゲロールはどんどんショウガオールに変化してしまいます。
しかし、ぬるめのお湯であれば免疫力を高めるジンゲロールと身体を温めるショウガオールのダブル効果が得られます。
生姜は、生で食べればジンゲロールが免疫細胞を強化してカゼに負けない身体を作ってくれ、熱を加えるとショウガオールが身体を温めてくれます。
■エノキ茸でコレステロール予防
エノキ茸に豊富に含まれるエリタデニンが、腸で胆汁と結合して体外へ排泄し再吸収を防ぐためコレステロール対策が出来ます。