カルシウムの健康効果!お酢で吸収率アップ 脳・心臓・肌の働き改善。カルシウムは脳の働き、心臓の働き、血管の働き、肌の潤いに大きく関わっています。お酢や日光浴・ビタミンDでカルシウムの吸収率を上げましょう
■カルシウムは骨に欠かせないミネラル
骨の成長が活発な子供の頃はカルシウムが大量に必要です。
体内に吸収されたカルシウムは、その99%が骨に蓄えられ、骨を構成するコラーゲンの間に溜まり骨を丈夫にしてくれます。
カルシウムは身体にある60兆個すべての細胞が働くためにスイッチを入れる重要な栄養素で、いつでも取り出せるように摂取したカルシウムの99%を骨に蓄えています。
血中のカルシウム濃度は一定に保たれるため、不足すると骨を切り崩して使われます。
■カルシウムの働きは脳の働きにも密接に関わっている
脳の情報を流す神経伝達物質の働きを活発にするのはカルシウムが担っています。
そのためカルシウムが不足すると物忘れが起きやすくなります。
体内のカルシウム不足が進むと、アルツハイマーや認知症などの脳障害を発症することさえあります。
またカルシウム不足は心臓や血管にも影響が出ます。
■女性はカルシウム不足に特に注意
骨の中に溜めておくカルシウム調整に女性ホルモンが大きく関わっています。
そのためホルモンバランスの乱れによって骨密度の低下を引き起こしやすい状態にあります。
■カルシウム不足が身体の機能を悪くする
休みなく働き続ける心臓。
心臓を動かす筋肉を収縮させるためにカルシウムは不可欠な存在です。
足りなくなると心筋の働きが悪くなり、最悪の場合は心停止を引き起こすこともあります。
全身に血液を送る血管。
この血管の柔軟性を保つためにもカルシウムは欠かせないミネラルです。
足りなくなると血圧の調節ができず高血圧を引き起こし、最悪の場合は動脈硬化を引き起こすこともあります。
カルシウム不足は生命維持の重要な部分さえも悪くさせてしまいます。
■肌の保水にはカルシウムが重要
肌の水分は細胞の中にある保水成分によって保たれています。
この保水成分を働かせ能力を発揮させるのがカルシウムです。
カルシウムがあってこそ水分を引き寄せて肌の潤いを保つことができます。
潤いがないと肌荒れやシワを引き起こしやすくなります。
つまり肌トラブルがあるということは、体内のカルシウムが足りず、骨を切り崩している可能性があります。
ところがその場合優先されるのが脳や心臓といった命に関わる場所で、肌への補充は後回しにされてしまいます。
見た目が老けてきた人は、体内のカルシウム不足がかなり深刻な可能性があります。
■肌のカルシウムが足りなくなると新陳代謝が悪くなる
皮膚は古い細胞が死んで、新しい細胞が生まれるという新陳代謝を繰り返しています。
このときカルシウムは細胞の一つ一つに働きかけてスムーズな新陳代謝を促してくれます。
しかし心臓や脳で使われるカルシウムが肌にまで行き渡らなくなると、肌の新陳代謝が衰え古い細胞が溜まってしまいます。
アカがたくさん出る人は、カルシウム不足で新陳代謝が悪い肌になっている可能性があります。
■食材で見る1日に必要なカルシウム摂取量(カルシウム600mg)
牛乳 大ジョッキ1杯(0.6�)
シラス干し 小鉢山盛り(270g)
小松菜 300g
ヨーグルト 4食分(500g)
アジの干物 12枚
ワカメ 味噌汁30杯分(460g)
枝豆 263さや
納豆 22食分(660g)
●バランスの良い食事で摂取する
朝 牛乳コップ1杯(200mg)+ ヨーグルト(200mg)
昼 シーフードパスタ(75mg)
夜 納豆(1食分)+ ワカメ味噌汁(1杯)+ アジ干物(1枚)で90mg
カルシウム摂取量は合計で635mgになります。
■カルシウムは吸収されるのに手間がかかる
体内で作ることが出来ないカルシウムは食事によって摂取されます。
食物が胃の中に入ると、まず胃酸で溶かしカルシウムを取り出しやすい状態にしますが、このままではまだ吸収できません。
さらに胃酸で吸収しやすい形に変化させる必要があります。
しかしそのほとんどがそのまま排出され、手間をかけて変化したもののみが吸収されるため、他の栄養素に比べると、摂取量に対して吸収量が格段にダウンしてしまいます。
■食材によってカルシウム吸収率は違う
●野菜や海草類の場合
胃の中に入った野菜や海草類は、胃酸の力で溶かされカルシウムが取り出しやすい状態になります。
出て来たカルシウムは吸収されやすい形に変化しますが、ここで問題となるのが食物繊維です。
食物繊維は小腸で吸収される寸前のカルシウムを吸着し体外に排出してしまいます。
そのためせっかく摂取しても吸収率は20%ほどになります。
1食分の小松菜を食べたとしても身体に吸収されるのはわずかな量になります。
●魚の場合
魚のカルシウムはほとんどが骨に含まれています。
この固い骨を消化しカルシウムを取り出すのはかなり手間のかかる作業です。
でも食物繊維が無いぶん吸収率は若干上がって30%になります。
シラスを15g食べても吸収されるのは約5gになります。
シラス干し
●乳製品の場合
液体である牛乳に含まれるカルシウムは、すでに吸収されやすくなっているイメージですが、実は野菜や魚と同じように変化する前の状態です。
そのため吸収しやすい形に変化させる手間が必要です。
骨などに比べると変化しやすいですが、それでも吸収率は40%になります。
牛乳を200ml飲んでも吸収されるのは80mlになります。
■お酢でカルシウムを吸収しやすくさせる
お酢に含まれる酢酸(さくさん)や梅干し・柑橘系の果物に多いクエン酸は、胃での消化を助けてカルシウムを取り出しやすくしてくれる上に、吸収しやすい形に変化させる働きを持っています。
カルシウムの吸収率は30%〜50%アップします。
野菜や魚からのカルシウム摂取が効果的です。
●小松菜のおひたし+桜エビ+ポン酢
小松菜のおひたしにカルシウムが豊富な桜エビを加え、これに醤油とポン酢で味付けすれば、ポン酢に含まれるクエン酸の効果でカルシウムの吸収率がアップします。
●焼き魚にレモンをかけて食べる
レモンのクエン酸で吸収率がアップします。
●お酢を使った料理 南蛮漬け
お酢の効果で骨が柔らかくなり、骨ごと食べられます。
またお酢がカルシウムの吸収率をアップしてくれます。
おいしい上にカルシウムもしっかり摂取できます。
■ビタミンDでカルシウムの吸収力を高める
カルシウムの吸収に絶対に必要な栄養素、それはビタミンDです。
ビタミンDは肝臓や腎臓で活性化されると小腸に送られ、そこでカルシウムを体内に取り込む働きをしてくれます。
実は、カルシウムはこのビタミンDがないと吸収されいくい状態にあります。
ビタミンDを豊富に含むものが、干しシイタケやキクラゲなどのキノコ類です。
卵黄やイクラなどの魚の卵、サケやマグロなどの青魚にもビタミンDが豊富に含まれています。
カルシウムにビタミンDを組み合わせることで、体内へのカルシウム吸収率が20%アップします。
●納豆に卵黄を入れる
卵黄のビタミンDが吸収率をアップさせます。
●クリームシチュウにキノコを入れる
キノコのビタミンDが吸収率をアップさせます。
●カルボナ-ラ
カロリーは高めだが、卵黄のビタミンDにチーズなど豊富なカルシウムとの組み合わせで吸収率がアップします。
■日光浴でカルシウムの吸収力を高める
紫外線が肌に当たると、皮膚の中に蓄えられているコレステロールがビタミンDに変化します。
このビタミンDが肝臓や心臓に送られ活性化し、小腸でのカルシウム吸収に大活躍してくれます。
15分ほど日光に当たれば、1日に必要なビタミンDを作ることが可能です。
腕や足など部分的に当たっているだけでもビタミンDが作られます。
■シジミでスタミナアップ
シジミは肝機能をアップさせるタウリンと、オルニチンというアミノ酸が豊富に含まれています。
オルニチンには脳を刺激して成長ホルモンの分泌を促進する働きがあります。
その結果、体内でのエネルギー代謝がアップし、タウリンの働きと組み合わさって身体を元気にしてくれます。