DHA・EPAで記憶力・観察力アップ 脳が若返る!DHA:ドコサヘキサエン酸は脳の細胞膜が柔らかくし情報をスムーズに伝え、EPA:エイコサペンタエン酸は血液をサラサラにし生活習慣病を防ぎ、DHA不足の際にEPAがDHAになり不足を補います
顔はわかるのに名前がわからない
よく物をなくしてしまう
車の運転が下手になった
こんなことがよくある人はDHAが不足して脳の細胞膜が硬くなっている可能性が!
■脳の細胞膜
細胞膜とは細胞の表面にある薄い膜で栄養素の取り込み口であり、また老廃物を出すときの排出口でもあり、細胞の機能を維持する上で大切な部分です。
脳の細胞膜は、栄養素の取り込み口や老廃物の排出口のほかに情報伝達の働きもします。
■脳の細胞膜が柔らかく保たれ情報がスムーズに伝わる
人間の脳は、物事を行うとき様々な場所が役割別に分担し考えています。
そして各場所の情報を脳のあちこちから集めてくることによって考えがまとまり、行動に移すことが出来ます。
このとき脳の各場所をつないでいるのが“神経細胞”です。
神経細胞は細胞同士の情報交換がしやすいように、手足をたくさん伸ばしたような形をしています。
その表面にある細胞膜は常に柔らかく保たれ、情報がスムーズに伝わるようになっています。
そのためこの細胞膜が硬くなってしまうと情報伝達がうまくいかず、判断するのが遅くなったり、思い出せなくなってしまいます。
そのまま放っておくと脳全体の機能が衰えてしまいます。
■脳内で情報はどのように伝わっていくのか?
脳の神経細胞同士はそれぞれ繋がってはいません。
そのため細胞を通ってきた情報は、いったんシナプス間隙(シナプスかんげき)と呼ばれる隙間の前で止まります。
そこで情報を預かり、離れた次の細胞に伝えるのが神経伝達物質。
細胞膜内から放出された神経伝達物質は、シナプス間隙を飛び越え、次の細胞の受容体に受け止められます。
これを何度も繰り返すことによって情報が伝わっていきます。
■なぜ細胞膜が柔らかくなると情報がスムーズに伝わるのか?
細胞膜が柔らかいとより多くの神経伝達物質を放出でき、次の細胞にたくさんの情報を伝えることができます。
一方、受け取る側の細胞膜が柔らかいと、受容体が動きやすく正確に情報を受け取ることが出来ます。
しかし細胞膜が硬いと神経伝達物質をうまく放出したり情報を正確に飛ばすことが出来ず、次の細胞に届かないことも起こります。
さらに受け取る側も、うまく情報をキャッチすることができないため情報が正確に伝わらなくなってしまいます。
■DHAを摂ると脳の細胞膜が柔らかくなる
DHA(docosahexaenoic acid)ドコサヘキサエン酸
DHA(ドコサヘキサエン酸)は不飽和脂肪酸の一種で、青魚などの脂に多く含まれ、人間の細胞膜を柔らかくするために必要な物質です。
DHAは体の中で作ることが出来ないので、食事で摂取することが必要です。
しかも細胞膜は常に生まれ変わっているため、柔らかい状態を保つためにはその材料となるDHAをたえず摂っておく必要があります。
つまり日頃から魚を食べて、DHAを多く体に取り込んでいると細胞膜は柔らかく保たれ、少ないと硬くなってしまいます。
■DHAは脳の細胞膜に優先的に取り込まれる
体内に取り込まれたDHAは、まず脳の細胞膜に優先的に向かいます。
これは脳の細胞膜が体と違い、栄養を取り込んだり老廃物を排出したりする以外に、情報をスムーズに伝えるという重要な役割を担っているからです。
■DHAで本当に頭がよくなるのか?
DHAが体内で初めに吸収されるのは脳。
中でも記憶を司る海馬には25%ものDHAが含まれていると言われています。
3週間もDHAを摂り続けると、海馬の細胞の細胞膜が柔らかくなり、記憶の情報がスムーズに行われるようになります。
また血中のDHA量が倍近くに増え、記憶力が1.6倍になる結果も出ています。
記憶力がアップしたのは、記憶に係わる「覚える力」と「思い出す力」の2つの作業が正確に行われるようになったからと考えられます。
DHAを摂り続けていると、脳の広い範囲を使うようになり脳全体が活性化し、全般的に成績がよくなります。
■目の網膜のDHAが増えると観察力がアップする!!
実は目の網膜もDHAを多く必要とする場所です。
DHAは魚の目の裏に多く含まれていますが、それは人間も同じ。
網膜のDHAが増えると、細胞の機能が高まって映像がより正確に映り観察力がアップします。
またDHAにより網膜の細胞膜が柔らかくなると、目の中に入ってきた情報が脳の中でスムーズに処理され、映像として認識されやすくなります。
実験の結果では、DHAを摂ることでで特に上がった能力は「記憶力」と「観察力」でした。
■DHA含有お魚ランキング(100g当り)
脂のたっぷりのった部分にDHAがたくさん含まれています
1:マグロのトロ 2700 mg 赤身だと120 mgしか含まれていません
2:サバ 2300 mg
3:サンマ 1700 mg
4:ハマチ 1700 mg
5:キンキ 1500 mg
6:ニジマス 1400 mg
7:タチウオ 1400 mg
8:イワシ 1300 mg
9:サケ 1200 mg
10:ウナギ 1100 mg
■DHAの1日目標摂取量は1000mg
1:マグロのトロ 刺身2切れ
2:サバ 切り身1切れ弱
3:サンマ 刺身4切れ
4:ハマチ 1尾弱
5:キンキ 1/2尾
6:ニジマス 1尾
7:タチウオ 切り身1切れ
8:イワシ 1尾
9:サケ 切り身1切れ
10:ウナギ 1/2尾
■サバ(鯖)のEPAでDHAを効率良く摂取
サバの脂身はDHAの他にEPAを多く含んでいます。
EPA(eicosapentaenoic acid)エイコサペンタエン酸
EPAは血液をサラサラにすることで生活習慣病を防ぐ働きがあると言われている物質です。
EPAが多く含まれるサバは体内でDHAが不足すると、EPAが変身してDHAになり不足を補ってくれます。
■EPA含有お魚ランキング(100g当り)
1:サバ 1600 mg
2:キンキ 1500 mg
3:マグロのトロ 1300 mg
4:イワシ 1200 mg
5:ハマチ 980 mg
■サバの脂(DHA・EPA)を落とさず美味しく食べる方法
切り身の場合
最初、身の方を中火で焼く
火を高くして焦げ目がついたら裏の皮を中火で焼く
こんがり焼けて脂が落ちにくくジワーッと染み込んだDHA・EPAたっぷりの美味しいサバになります
・煮るとDHAが10%損失します
・揚げるとDHAが50%損失します
・梅干しを一緒に食べるとクエン酸の効果でDHAの吸収率がアップします
・サバの缶詰はDHAが余す所なく閉じ込められていて、DHAの損失がほとんどありません
■DHA・EPAたっぷりの焼きサバの生姜飯の作り方
皮ごと千切りした生姜を入れ
焼いたサバ(切り身でよい)を乗せ炊き込みます
蒸らした後、サバを取り出しご飯をよく混ぜます
身をほぐし再びご飯に混ぜ、ゴマをかければ出来上がりです
■ワカメのフコイダンで血液サラサラ
ワカメは脂肪分がとても少なく低カロリーな上に、血液凝固を防ぐ“フコイダン”という成分を豊富に含んでいます。
フコイダンは小腸で吸収される際に免疫力を高める働きがあります。
さらには血管内で血小板が固まりすぎるのを防ぎ、血液をサラサラにする効果もあります。
フコイダンは加熱に強いので、煮たり焼いたりいろいろな調理が出来ます。