近年の医学会では、声を出して笑う事が免疫機能を高めたり、自然治癒力を高めたり、病気の予防・改善に良い影響を与えていると認められ始めています。
■声を出して笑うとこんな効果が!
・中性脂肪減少
・血糖値低下
・記憶力アップ
・免疫力アップ
■なゼ人は笑うのか?
笑うと口が開き、声を出して息を吐いたり、お腹に力が入ったりします。
「ハハハ」と声を出して笑っているときは、横隔膜(おうかくまく)が激しく持ち上がり肺から大量の息を吐き出し続け、笑い終わると今度は息を吸い込みしばらく腹式呼吸になります。
笑うと息を大きく吐いたり吸ったりし肺が活発に動きます。
ストレスを受けると脳は興奮状態になり酸素をどんどん消費していきます。
すると脳細胞への酸素供給が不足し脳の働きが低下していきます。
そこで笑うことにより、大量の酸素が取り込まれ、弱った細胞に酸素が行きわたり活発化し脳の働きが上昇します。
そして気分がすっきりし、ストレス物質であるコルチゾールの分泌が減りストレスが鎮められます。
笑った時の酸素摂取量は、深呼吸(1回)のおよそ2倍、通常の呼吸のおよそ3〜4倍になるそうです。
■笑って酸素を増やすと免疫力がアップする!
たくさん笑った後は免疫力が活発化し、ガン細胞などの病原体への攻撃力が高まるそうです。
免疫細胞は、ストレス物質であるコルチゾールが増えると働きを抑制されるため免疫力が低下していきます。
しかし、笑って酸素を取り込むとコルチゾールが減り、酸素供給も多くなり働きが活発化し免疫力が高まります。
■なぜ笑いは「ハハハ」なのか?
「ハ」の音は声門を一番大きく開き、大量に息を吐いて発音する音
ノドには空気振動で声を発生させる声門という場所があります。
通常この声門を狭め吐く息を少なくして声を出しますが、「ハ」の音は声門を開き大量の息をとうして出します。
そのため肺から出す空気の量が自然と大きくなります。
「ハー」と息を吐く場合は、ゆっくり横隔膜が上がっていきますが、「ハ・ハ・ハ」と息を吐くと、より早く高く横隔膜が上がっていきます。
横隔膜を押し上げるのは腹筋ですが、「ハー」と一息で高く持ち上げるにはかなりの力で出し続けなければなりません。しかし「ハ・ハ・ハ」と息をとぎって吐くと、強い力を少しづつ出せばよいため持ち上げやすくなります。
「ハ・ハ・ハ」と笑うのは呼吸を深め、酸素をたくさん取り込むのに最適な笑い方になります。
■「ハ・ハ・ハ」と笑う方法
人の脳には、相手の感情を読み取る「ミラーニューロン」があり、これが働いてつられ笑いなどが起こります。
ミラーニューロンとは脳の前頭葉にある神経細胞で、人の表情や声から感情を読み取り、同じ感情になるように命令を出しています。
笑った顔を見ると自分も楽しくなってきたりするのは、ミラーニューロンが相手と同じ感情になるように命令を出すために起こります。つまり、よく笑う人と一緒に過ごしてミラーニューロンを働かせば笑いやすくなります。
■簡単に声を出して笑う方法
●ワキを触ってくすぐり笑いを行う
ワキの内側には心臓・肺など生命維持に重要な臓器がありますが、ワキにはそれを守るための筋肉がほとんど付いていない場所です。そのためワキを触られると、臓器が危ないと無意識に反応し、全身の筋肉に力が入り緊張してしまうと考えられています。
ワキを触られている時は急激なストレス状況下にあります。
そのため臓器が危ないと感じ、笑うことで酸素を増やしストレスを緩和しようとしているとされています。
くすぐり笑いはウォーキングと同じ酸素摂取量があり、有酸素運動に匹敵する効果があります。
■笑うと中性脂肪減少・血糖値低下!
笑っている時は横隔膜を頻繁に上下させるため腹筋が激しく使われます。
声を出してよく笑っていると、筋肉が頻繁に運動し、血中の糖や脂肪をどんどん燃やすため血液がキレイになる効果があります。
■笑うと記憶力がアップする!
よく笑うと頬(ほほ)の表情筋が頻繁に動き、その奥にある太い静脈(顔面静脈)がさかんに伸縮し、脳から心臓に戻る血液の量が増加します。
それにより新鮮な血液が脳にどんどん送られるため栄養供給が増え、脳細胞が活発化し脳が働きやすくなります。