入眠ストレッチで認知症予防、睡眠と認知症の関係、睡眠のポイント、寝付いてから3時間がゴールデンタイム

認知症の原因といわれているアミロイドβタンパクは睡眠中に放出されるため質の良い睡眠をとることが大切と考えられています。
睡眠は寝付いてから約3時間の間に深い睡眠をとることが重要といわれています。
入眠ストレッチを行うことで寝付きが良くなり認知症予防効果が期待できます。

■睡眠と認知症の関係
アミロイドβタンパクは髄液中によく放出されていて、日中の活動時には多く夜は少なくなります。
脳に溜まったアミロイドβは睡眠中に放出されます。
睡眠障害のない認知症の人はいないといわれています。

■2度寝はしてもよい
一般的に2度寝はよくないイメージがありますが良い点もあります。
2度寝をすると抗ストレスホルモンが分泌され、すぐ起きるよりも目覚めの負担が軽くなります。
ただし長い2度寝は体が再び睡眠モードになって起き辛くなってしまいます。
2度寝は1回のみで20分程度が効果的とされています。

■眠れない時は布団から出てリラックスする
布団の中に長くいて眠れないときは、布団の中にいること自体がストレスになってますます眠れなくなってしまいます。
そこで1回リセットするために布団から出て自分がリラックスできることをし、また眠気がおりてきたら布団の中に入って寝る準備をした方がよいそうです。

■睡眠は寝付いてから約3時間の間に深い睡眠をとることが重要
睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時といわれていますが、何時に眠りについても関係ないそうです。
これまで成長ホルモンは午後10時から午前2時までの睡眠のゴールデンタイムに分泌されるといわれてきましたが、最新の研究では時間帯に関係なく寝付いてから約3時間の間に深い睡眠をとればそこで分泌されると分かってきています。

■朝食にバナナを食べると良い
バナナに含まれるトリプトファンは摂取すると、まず目を覚ます成分のセロトニンに変化し、十数時間経つと眠りを深くするメラトニンに変化します。
そのため朝バナナを食べると生活リズムを整える効果が期待できます。
トリプトファンは納豆をはじめとした大豆製品やピーナッツなどにも含まれています。

■睡眠と肥満
睡眠不足になると満腹ホルモンが減って食欲増進ホルモンが増えて昼間の過食が誘導されてしまいます。
そのため良い睡眠をとることが肥満改善につながります。

■睡眠と運動
良い睡眠のためには運動が大事になります。
パソコン仕事などで頭と目はすごく疲れているのに体は1日中動いていないためそれほど疲れていないという状態になります。
気持ちはすごく疲れているのに眠れないということになりがちです。
そのため体を動かした方が深い睡眠が得られやすくなります。

■認知症につながる危険な睡眠チェック
・朝食はとらないことが多い
・休日は昼過ぎまで寝ていることが多い
・布団の中ではつい考え事をしてしまう
・夕食は午後8時すぎにとることが多い
・お酒を飲み過ぎてしまうことがある
・寝る前にスマホやタブレットをつい見てしまう
・毎日不規則な時間に寝ている
・早くに目が覚めてもすぐに布団から出ない

2つ以上当てはまる項目がある人は睡眠のとり方に注意が必要です。
4つ以上当てはまる項目がある人は将来認知症になるリスクが高いです。

■昼寝は30分未満で座ったまま眠る
ある研究では30分未満の昼寝に比べて2時間以上の昼寝をする人の方が認知症の発症リスクが1,8倍もアップするということが分かってきています。
短い昼寝だと午後の眠気がとれて活動的になり覚醒と睡眠のメリハリがつきます。
午後に長い間寝ているとメリハリがつかなくなり、頭も体も使わないのでメリハリがつかなくて認知症になりやすくなると考えられています。
長く眠り過ぎないコツはベッドや布団ではなく座ったまま眠ることです。

昼寝の前にはホットコーヒーを1杯飲んでおくとよいそうです。
カフェインは飲んだらすぐ効くのではなく20〜30分経って覚醒効果が出てきます。
温度によってカフェインが効いてくる時間は変化し、アイスコーヒーだと約1時間後にカフェインが効いてきます。

■入眠ストレッチで認知症予防
仰向けになった状態になります。
右ヒザを折り曲げ、お腹の前で両手で押さえます。
ゆっくりと呼吸をしながら10秒間キープします。
ゆっくり戻します。
左ヒザを折り曲げ、お腹の前で両手で押さえます。
ゆっくりと呼吸をしながら10秒間キープします。
ゆっくり戻します。
最後に両ヒザを折り曲げ、お腹の前で両手で押さえます。
ゆっくりと呼吸をしながら10秒間キープします。
ゆっくり戻します。
一連の動きを2〜3回繰り返します。

入眠ストレッチは体が痛くならない程度で行いましょう。
入眠ストレッチは息を止めると血圧が上がってしまい逆効果になるので、ゆっくりと呼吸をしながら寝る前に行いましょう。

■睡眠のスペシャリスト(2019年8月時点)
富山県高岡市
雨晴クリニック(あまはらしくりにっく)
坪田 聡(つぼた さとる)医師
2000人以上の睡眠障害の患者を治療してきた睡眠治療のスペシャリストです。