慢性腰痛対策、趣味などでストレスを溜めないことが大切、上体反らし運動、薬物療法、趣味を持つ

腰の痛みが3ヶ月以上続く場合を慢性腰痛といいます。
慢性腰痛は精神的ストレスが関係していることが多いのであまり心配し過ぎないことも大切です。
ただし腰痛の中には危険な病気が隠れていることもあるので安静時の腰痛や長く続く腰痛には注意が必要です。

■慢性腰痛について
慢性腰痛とは、腰の痛みが3ヶ月以上続く場合をいいます。
慢性腰痛には、検査などでは腰に異常がみられないのに痛みが続く場合、腰の異常が治ったのに痛みが続く場合、腰の痛みが良くなったり悪くなったりを繰り返す場合があります。

慢性腰痛には痛みの強さが一定のタイプ、痛みがよくなったり悪くなったりするタイプ、痛みが途切れることないタイプなど患者さんによって様々な痛みのタイプがあります。

■慢性腰痛の原因
慢性腰痛は精神的ストレスが関係するということが分かってきています。
ストレスが原因で頭痛や胃の痛みといった不調が起こるといわれていますが、腰痛もストレスで起こることがあります。
私達の脳には痛みを和らげる仕組みがありますが、ストレスが長く続くと痛みを和らげる仕組みが働かなくなってしまいます。
ストレスの原因には仕事や家庭でのトラブル、不安・不満・悩みなどがあり、腰痛の発症や痛みを長引かせる要因になると考えられています。

■慢性腰痛の悪循環
腰の痛みに精神的な要因が重なると悪循環におちいりやすくなります。
精神的要因の有無をはっきりさせないまま一般的な腰痛の治療を繰り返してもなかなか良くなりません。
効果が出ないために治療への不満が増してストレス・うつ・不安が増えてしまい悪循環が起こってしまいます。

■BS-POP(質問票)
BS-POPとは慢性腰痛の患者さんの精神的な要因をチェックする質問票です。

・突然泣きたくなったり泣いたりする
・いつもみじめで気持ちが浮かない
・いつも緊張してイライラしている
・ちょっとしたことがしゃくにさわって腹が立つ
・食欲がない
・1日の中では朝が一番気分が悪い
・なんとなく疲れる
・いつものように仕事ができない
・睡眠に満足していない
・痛み以外の理由で寝つきが悪い

当てはまる項目が多いほど精神的な要因で腰痛が起こっている可能性があります。

■慢性腰痛の治療法
・運動療法
・薬物療法

慢性腰痛の治療はまずは運動になります。
腰が痛いからといって体を動かさないでいると筋力が低下してかえって腰痛が悪化しやすくなります。
腰を安定させるために腹筋と背筋を鍛えることが大切になります。

背中の表面には僧帽筋(そうぼうきん)や広背筋(こうはいきん)という筋肉があり、背中の深部には多裂筋(たれつきん)があります。
多裂筋は背骨に沿うようにして走っている筋肉です。
筋肉には瞬発的に大きな力を発揮する速筋(そっきん)と長時間にわたって力を発揮する遅筋(ちきん)があります。
年齢と共に速筋は萎縮してほとんど遅筋になっていき、多裂筋の筋力が低下します。
このため背筋の衰えを予防する運動が大切になってきます。

■上体反らしで慢性腰痛対策
・うつ伏せ上体反らし
・イスで上体反らし

●うつ伏せ上体反らし
床にうつ伏せになります。
手を組んでお尻のあたりに置きます。
おなかをへこませます。
おなかをへこませたまま上体を反らし5秒間キープします。
ゆっくりと元に戻します。
息を止めないで行うのがポイントになります。
1セット10回で1日3セットが目安になります。

●イスで上体反らし
イスの背もたれに座布団などを置いて深く腰掛けます。
おなかをへこませて腕を組みます。
おなかをへこませたまま上体を後ろに反らし5秒間キープします。
ゆっくりと元に戻します。
息を止めないで行うのがポイントになります。
1セット10回で1日3セットが目安になります。

慢性腰痛は立った時の姿勢も重要です。
猫背の姿勢ではなく遠くを見るようにした方が良いです。

■薬物療法による慢性腰痛の治療
・非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
・アセトアミノフェン
・オピオイド鎮痛薬
・プレガバリン(神経障害性疼痛治療薬)
・デュロキセチン

■医師との会話による慢性腰痛対策
仕事や家庭のこと、不安・不満・悩みも医師に相談します。
話をすることで気持ちが楽になって痛みが和らいだり、痛みの元になる精神的ストレスが特定できたりします。

■趣味で慢性腰痛対策
また痛みを軽くするためには精神的ストレスをためないことも大切になります。
効果的なのはやる気をもって取り組める趣味などを見つけることです。
運動、読書、音楽鑑賞などです。
気軽に出きる自分なりのストレス解消法を身につけると良いです。