■リンパドレナージ
皮膚のすぐ下にあるリンパ管にやさしく触れて動かします。
リンパを流すときに大切なのが手でやさしく触れてリンパ液を流してあげることです。
体重をかけて押したり揉んだりするマッサージとはまったく違います。
■リンパドレナージのポイント
・最初に鎖骨周りからリンパを流す
・リンパ液を流すときはやさしく行う
リンパ管は手や足の先まで全身に張り巡らされ、その中をリンパ液が流れています。
全身を流れるリンパ液は老廃物を集めながら最終的に鎖骨付近で静脈に合流します。
リンパは最終的に鎖骨の奥の静脈に入っていくので、出口となるゴールから先にケアするのがポイントになります。
最初にリンパ液の出口の詰まりを解消しておくことが重要になります。
力の目安は食器用スポンジを手で押したときスポンジの先だけがへこむ程度で行います。
手の重みほどのやさしい力で行います。
リンパ管は力を入れると傷ついてしまう可能性があります。
■足のむくみ改善リンパドレナージ
前に5回、後ろに5回肩を大きく回します。
楽な姿勢で片足を伸ばして座ります。
もう片方の足は曲げても伸ばしてもOKです。
足の付け根に手を当て、なでるように5回まわします。
足の付け根からヒザまでの間、太ももを3つのブロックに分けてリンパ液を流していきます。
足の付け根の方から太ももの形に沿って1ヵ所3回くらいやさしく回します。
終わったら足の付け根部分に向かってなでます。
ふくらはぎを3つのブロックに分けてリンパ液を流していきます。
ヒザに近い方から行います。
両手を添えて円を描くように1ヵ所3回ほどまわします。
最後はつま先から足の付け根に向かってなでます。
反対側の足も同様に、足の付け根→太ももの内側→ふくらはぎの順に行います。
■顔のむくみ・たるみ改善リンパドレナージ
鎖骨のくぼみのところに指全体がフィットするような感じで手を当てます。
右手の中指と薬指を左の鎖骨のくぼみに当てます。
左手の中指と薬指を右の鎖骨のくぼみに当てます。
くぼみの中をなでるように中指と薬指を5回まわします。
首を上下2つに分けた下側に、人差し指・中指・薬指の3本を首の付け根に当て3回ほどまわします。
次に首の上側に、人差し指・中指・薬指の3本当て3回ほどまわします。
耳たぶの下に3本の指を当てて鎖骨へなでます。
これを3回ていど繰り返します。
人差し指と中指で耳を挟み両手で大きく顔を包みます。
手の平全体でなでるように3回ほどまわします。
鎖骨へ向けてやさしくリンパ液を流します。
これを3回ていど繰り返します。
顔を洗うときやお風呂に入ったときに、ついでにリンパも流せば時間短縮になります。
■手足のリンパを流すと見た目が若々しくなる
むくみが取れると同時に血のめぐりも良くなります。
手足のリンパが流れると皮膚の健康や血のめぐりが良くなって見た目も若々しくなります。
またリンパの流れを良くすることで病気になりにくい身体を作ることにもつながります。
カゼ予防、腹痛予防など様々な身体の不調を改善する効果も期待できます。
■リンパ節について
リンパ節にはリンパ液がたくさん溜まっています。
カゼなどの感染症になると体の中に細菌やウイルスが入り込み、リンパ液をつたって全身へと広がっていきます。
その流れを食い止める働きをするのがリンパ節の部分です。
リンパ節の中には細菌やウイルスと戦ってやっつけてくれるリンパ球と呼ばれる免疫細胞がたくさん溜まっています。
この免疫細胞のリンパ球がリンパ節にたどりついた細菌やウイルスが全身へ広がるのを食い止めてくれています。
■リンパを流して免疫力アップ
健康なときはリンパ節に溜まっているリンパ球をあえて流し、全身へ送ってあげることで免疫力をアップさせることができます。
つまり全身のリンパ液を日常的にしっかり流しておけば病気になりにくい体になることができます。
リンパには心臓のような強力なポンプがないためリンパ液の流れは遅く、つま先から鎖骨のあたりまで流れるのに約1日かかります。
このリンパ液の流れはちょっとした体の不調でも流れが悪くなってしまいます。
リンパは流れが遅いからこそ普段から意識して流すことが重要になります。
■リンパの流れチェック
・昼間眠くなることがある
・カゼをひきやすい
・肌のカサつきやくすみが気になる
・口内炎になると1週間以上治らない
・汗をかきやすいが水分はあまり摂らない
・座りっぱなしの時間が長い
・お風呂はシャワーで済ますことが多い
2つ以上当てはまればリンパの流れが悪くなっている可能性があります。
■乳び槽
リンパ液の約8〜9割は乳び槽という袋の中へ溜まってきて
乳び槽は体の中で一番多くリンパ液が溜まる部分で、内臓の奥の背中に近い部分にあります。
乳び槽を上手に刺激するとリンパ液をしっかり流すことが可能です。
■腹式呼吸で乳び槽のリンパ液をしっかり流す
腹式呼吸でお腹が膨らむと、体内にその圧力が伝わり乳び槽が押されてリンパ液が流れます。
リンパ液が少なくなった乳び槽には、再び下半身からリンパ液が流れ込みます。
腹式呼吸はリンパをしっかり流す手助けになります。
乳び槽には細菌やウイルスなどを退治する免疫細胞のリンパ球も溜まっています。
乳び槽に溜まったリンパ液とリンパ球を上手に流してあげることが健康で若々しい、病気にかかりにくい体を作るうえでとても大事になります。
■リンパ呼吸で免疫力がアップ
横になりへその辺りに手を置きます。
7〜8秒ほどかけて腹式呼吸で息をゆっくり吸いお腹を膨らませます。
10秒くらいかけて口からゆっくり息を吐きながら手でへその辺りを押します。
その圧力が乳び槽に伝わり全身へリンパ液が流れていきます。
1日10分程度毎日続けると免疫力がアップする効果が期待できます。
リンパ呼吸を行う30分ほど前にコップ1杯の水を飲むとよりリンパ液が流れやすくなります。
■歩くときに腕大きく振りと足幅を広げる
歩くときに大きく腕を振り、歩幅を広くするとリンパ液を流すのに効果的です。