脂質異常症の改善法、コレステロール・中性脂肪・炭水化物の注意ポイント

■コレステロールについて
本来コレステロールは体にとって大切なもので、細胞膜・ホルモン・胆汁酸を作る材料になります。
コレステロールを全身に運ぶのが悪玉の役目で、余分になったコレステロールを回収するのが善玉の役目になります。
善玉と悪玉のバランスが乱れて悪玉が増えたり善玉が減ったりすると、血液中に余分なコレステロールが残って血管壁に沈着してプラークと呼ばれるコブのようなものを作ってしまい動脈硬化が進行してしまいます。
放置すると心筋梗塞や脳卒中などの引き金になってしまいます。

■脂質異常症(ししついじょうしょう)について
脂質異常症(ししついじょうしょう)とは、血液中のアブラであるコレステロールや中性脂肪などののバランスが乱れた状態をいいます。
脂質異常症を放置すると脳卒中や心筋梗塞など命に関わる重大な病気を引き起こす危険があります。
脂質異常症は血圧などと一緒で基本的に症状がないため、知らないうちに動脈硬化が進行していくといわれています。

■脂質異常症の診断基準
・中性脂肪:150mg/dl以上
・悪玉(LDL)コレステロール:140mg/dl以上
・善玉(HDL)コレステロール:40mg/dl未満

■中性脂肪について
中性脂肪は体内の細胞が正常に働くため血液中を流れる大切なエネルギー源でもあります。
しかし増え過ぎると血管に負担をかけて傷つけたり、内臓脂肪として内臓の周りについてメタボの原因になったりします。

■炭水化物の摂り過ぎが脂質異常症の原因になる
炭水化物は分解されるとブドウ糖となって血液中を流れ、筋肉や細胞のエネルギー源として代謝されます。
しかし炭水化物を摂り過ぎると代謝しきれなくなり中性脂肪へと変化してしまいます。
炭水化物は1日の摂取カロリーのうち50〜60%が理想とされています。
炭水化物はカボチャやイモ類にも多く含まれているので摂り過ぎには注意が必要です。

■果物の摂り過ぎが脂質異常症の原因になる
ビタミンやミネラルなどを豊富に含む果物ですが、同時に糖の一種である果糖(かとう)を多く含んでいます。
果糖は炭水化物が変化するブドウ糖と比べて代謝されにくく、中性脂肪へと変化しやすいという特徴があります。
中性脂肪が高い人は果物の摂り過ぎにも注意が必要です。
またスポーツドリンクも果物同様に果糖を多く含んでいる場合があるので要注意です。

■女性は閉経後に脂質異常症に要注意
動脈硬化は生活習慣などから男性の方がなりやすいといわれていますが、女性も十分な注意が必要です。
女性は女性ホルモンがることで悪玉コレステロールが低く抑えられています。
しかし閉経後は女性ホルモンが少なくなってしまうため、コレステロールが高くなってくるので注意が必要です。

■高コレステロール食材
・たまご
・魚卵
・レバー
・しらす

自分の悪玉コレステロール値が高い場合は、食材から吸収しやすい体質を疑いなるべく避けるようにした方が良いです。
どうしても甘いものが食べたいという人は洋菓子よりも和菓子の方が良いそうです。
ただし食べる量には注意が必要です。

■揚げ物や油料理の注意点
1度油で揚げた料理をレンジでチンして温め直して食べたりすると、油が性質を変えてしまうことがあります。
揚げ物は再加熱や揚げ油の再利用、調理から時間が経ち空気に触れることで酸化コレステロールという物質が生まれることがあります。
酸化コレステロールが悪玉を高めたり、動脈硬化を進行させる原因になります。
揚げ物を調理する際は、少ない油で揚げ焼きにしたり、揚げ油はなるべく少ない使用回数で処分するのがおすすめです。

■水溶性食物繊維で脂質異常症の改善
海藻類や豆類に多く含まれる水溶性食物繊維には、中性脂肪やコレステロールを吸着して排出を促す効果があります。
中でもコンニャクには水溶性食物繊維と同様の働きをするグルコマンナンという成分が豊富に含まれています。
さらに体内で水分を吸収し膨張する性質があるため満腹感を得ることができます。

■青魚で脂質異常症の改善
青魚に含まれるDHA・EPAには中性脂肪を下げる効果があります。

■イスに座って行う脂質異常症の改善体操
背もたれに拳1個分のスペースを作り姿勢良く座ります。
これだけでも普段使っていない筋肉を使います。
さらに片足を上げて10秒間キープします。
呼吸を止めないようにします。
左右3セットを1日3回行います。

■タマネギや大豆製品で脂質異常症の改善
タマネギに含まれるケルセチンや大豆製品に含まれる大豆タンパクには、食品に含まれるコレステロールの吸収を穏やかにしてくれる働きがあります。
タマネギのケルセチンは熱に強く水に溶けやすい性質があるのでスープなどでも良いです。

■ブロッコリーやキャベツで脂質異常症の改善
ブロッコリーやキャベツに含まれるアミノ酸には、コレステロールの排出を促してくれる効果があります。

■色の濃い野菜で脂質異常症の改善
色の濃い野菜には抗酸化作用があるので酸化コレステロールの害を軽減してくれます。