不眠解消法、不眠症改善、認知行動療法、睡眠日誌、筋弛緩法

不眠症状が長く続き、生活に支障をきたすときは不眠症と診断されます。
睡眠時間は日中に眠くて困らない程度に眠ることがポイントです。
寝る時間帯は体内時計とのズレが起きないように調整することが大切です。
睡眠日誌をつけると睡眠の問題点が分かり改善しやすくなります。
筋弛緩法により眠りやすくすると効果的です。

■不眠解消のポイント
・睡眠時間
・寝る時間

●睡眠時間
6〜8時間が目安とされていますが、個人差があるので睡眠時間の長さにこだわらない方がよいです。
日中に眠くて困らない程度に眠ることが大切になります。
時間にこだわるとプレッシャーになって逆に眠りが悪くなることがあります。
加齢と共に眠る時間は短くなりますが、寝床にいる時間が長くなっていきます。
実際に眠れる時間と寝床にいる時間のギャップを減らすことが大切になってきます。

●寝る時間
体が眠る準備が整ってから寝床に入ることがポイントになります。
疲労があるためにまぶたが重たい、横になりたいということで早い時間帯から寝床に入る人が多くいます。
しかし眠る準備が整う時間は体内時計で決められているので、早く眠ったりすると良い睡眠にはなりません。

■体内時計
私達の体は休養にかかせない睡眠を維持するため、体内時計の働きによって夜には眠くなり朝に目が覚めるようにコントロールされています。
これは脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分がになっています。
活動する日中には体温を高く保ち、夜は体から熱を放散して特に脳を冷やします。
同じ頃体内ホルモンであるメラトニンが分泌を始めて入眠を促します。
朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まり、同時に体温も高くなり目が覚めるようになっています。

■認知行動療法による不眠治療
眠りの質を悪くさせている睡眠習慣を見直して睡眠の質を高めます。
認知行動療法による不眠治療は、睡眠薬と同等の効果が得られるといわれています。
また睡眠薬の量が減らせたり、止めやすくなる効果が期待できます。

■睡眠日誌をつける
・寝床に入った時刻
・眠りに入った時刻
・目が覚めた時刻
・寝床から出た時刻
・途中で起きていた時間
・昼寝をした時間

睡眠日誌を1週間〜2週間くらいつけてグラフにすると、睡眠の問題点が分かってきます。
体内時計が眠る準備が整うのは、60代の人でも22〜23時以降になります。
早い時間帯から寝床に入ると眠りが浅くて質が悪くなりがちです。

■日常生活の注意点
●寝酒は逆効果
お酒を飲むと少し寝付きが良くなったように感じますが、だんだんその効果が無くなっていき酒量が増えていってしまいます。
すると深い眠りが減ってしまいます。
寝るための飲酒は避けた方が良いとされています。

●同じ時間に起きる
朝起きる時間は、土日も含めてほぼ同じ時間に起きることが大切になります。
起きると太陽の光が目から入ってきて、体内時計を強くリセットしてくれます。
同じ時間に起きることで寝つきの時間も安定してきて、寝つきにかかる時間も短く安定してきます。

■筋弛緩法による不眠治療
不眠症の人は寝るときに緊張感が強いので、その緊張を解いてリラックスすることが効果があります。
自宅のときはパジャマなどに着替えて寝室で行うと良いです。

背もたれのあるイスに浅く腰掛けます。
足を肩幅に開き、足裏を床に着けます。
5秒間 手を強く握り、その後に力を一気に抜き20秒間リラックスします。
5秒間 手を強く握り・肩に力を入れ、その後に力を一気に抜き20秒間リラックスします。
5秒間 手を強く握り・肩に力を入れ・足に力を入れ、その後に力を一気に抜き20秒間リラックスします。
手・肩・足の筋肉に力を入れ、その後に力を一気に抜くということを繰り返します。
同じ動作を3セット程行います。