むずむず脚症候群による睡眠障害の治療法、周期性四肢運動障害

むずむず脚症候群は女性が男性の1.5倍多く発症し、多くは60代70代に多い病気です。
むずむず脚症候群は主に寝ている間に起きますが、夕方から朝方にかけて寝ていなくても起きたりし、じっとしていても起きることがあります。
むずむず脚症候群は鉄不足が原因で起きますが、遺伝により起こる場合もあります。

■むずむず脚症候群の症状
・虫がはう
・ムズムズする
・熱い
・火照る
・ピリピリする
・痛い
・冷える

主に寝ている間に起きますが、夕方から朝方にかけて寝ていなくても起きたりし、じっとしていても起きることがあります。

■むずむず脚症候群の原因
・遺伝
・鉄不足

●遺伝がむずむず脚症候群の原因
45歳以下で発症する場合は遺伝の影響が強いと考えられています。

●鉄不足がむずむず脚症候群の原因
鉄は脳の中のドパミンという神経伝達物質を作るのに必要な物質で、脳の中から無くなっていくとむずむず脚症候群が起こりやすいと考えられています。
神経の伝達を行うシナプス
の前膜から後膜へ、ドパミンという物質により神経伝達が行われます。
その機能によって脚や手からの刺激を抑えてくれています。
むずむず脚症候群になると鉄不足によってドパミン機能が低下し伝達が悪くなり、最終的に脚からの刺激を抑えられないということになってしまいます。
私たちが寝ている間、布団などの刺激は脳が消去してくれています。
しかしむずむず脚症候群が刺激を抑制できなくなり余計な刺激を感じてしまいます。
さらに症状が進行していくと刺激が無いのに脳は刺激されていると感じてしまい問題となってしまいます。

■むずむず脚症候群を招く病気
●鉄欠乏性貧血
貧血が主な症状となる鉄欠乏性貧血は鉄不足が原因で起こります。

●パーキンソン病
パーキンソン病はドパミン低下によって引き起こされる病気です。

●脊髄疾患・多発性神経炎
脊髄疾患・多発性神経炎は刺激を脳に伝達する過程が異常になる病気なので、むずむず脚症候群を引き起こす要因となります。

●慢性腎不全(特に人工透析)
体の老廃物を取り除くことができなくなる慢性腎不全は、特に人工透析をしている人は発症することがあります。

■むずむず脚症候群の特徴
・脚の不快感
・症状が夕方から夜にかけて出てくる
・脚を動かすことで不快感が軽減・消失する
・動かないときに症状が出てくる

歩いたりすることによって歩く刺激の方がむずむずする刺激よりも強いため不快感が軽減・消失します。

■周期性四肢運動障害(しゅうきせいししうんどうしょうがい)について
周期性四肢運動障害(しゅうきせいししうんどうしょうがい)とは、睡眠中に一定の間隔をおいて何度も脚などが無意識に動く状態をいいます。
こうした症状が起こると睡眠不足におちいり治療が必要になることがあります。
周期性四肢運動障害は、むずむず脚症候群の多くの人に発症します。
周期性四肢運動障害は神経の過剰興奮によって起こると考えられています。
症状が軽度な場合は足の指がピクンと動いたりするぐらいで済みますが、ヒザ・股関節など非常に大きな動きであることが多く、なおかつ人によっては手にも症状が出てくる人もいます。
周期性四肢運動障害は、むずむず脚症候群の大きなサインになります。

■むずむず脚症候群の検査
・血液検査
・けん反射

血液検査で鉄の欠乏を診ます。
けん反射を行うことにより、むずむず脚症候群の場合は正常にけん反射し、末梢神経障害の場合は動かず、脊髄疾患の場合は脚が大きく動きます。

■むずむず脚症候群の治療法
●非薬物療法
・寝酒(アルコール)を控える
・カフェインの摂り過ぎに注意する
・症状が起きている時に脚を軽くたたく

●薬物療法
・鉄剤
・ドパミン系薬剤:プラミぺキソール、ロチゴチン(貼り薬)
・非ドパミン系薬剤:ガバペンチン、エナカルビル

鉄剤は1日100mgぐらいを処方します。
非ドパミン系薬剤は脳だけでなく抹消の神経にも作用して症状をやわらげます。
エナカルビルは腎障害がある人には要注意です。
ドパミン系薬剤を使いすぎると症状が悪くなる場合があります。