■腰痛患者の約85％は腰痛の原因が分からない
腰痛の原因として多いのが、腰椎の軟骨が飛び出してしまう椎間板ヘルニア、神経の通る管が狭くなる脊柱管狭窄症、腰椎がずれて神経を圧迫する腰椎すべり症といわれていますが、これらは腰痛とはあまり関係ないともいわれています。
MRIでヘルニアがあっても腰痛が起きていない人も多くいます。
また手術をしてヘルニア取り、全く正常なMRIになっても腰痛が起こる人もいます。
このためヘルニアや狭窄症がMRIであっても必ずしも腰痛の原因とはいえないと考えられています。

■仙腸関節の機能障害が腰痛の原因
仙腸関節（せんちょうかんせつ）とは、身体を支える骨盤にある関節のことをいいます。
仙腸関節（せんちょうかんせつ）は腸骨（ちょうこつ）と仙骨（せんこつ）の間にある小さな関節です。
仙腸関節は２ミリ程度わずかに動くことで骨や筋肉にかかる衝撃を吸収してくれています。
患者さんの約85％は腰痛の原因は仙腸関節（せんちょうかんせつ）の機能障害だと考えられています。

■仙腸関節が原因の腰痛が起こるメカニズム
仙腸関節に過剰な負担がかかると動かなくなり、その影響で関連する筋肉が異常収縮します。
これが腰の痛みやしびれの原因となります。
つまり腰痛を治すには手術をするのではなく、仙腸関節の機能障害の改善が大切だと考えられています。

■AKA-博田法による腰痛治療
AKAとは関節運動学的アプローチのことをいい、腰痛の原因の多くは関節の機能障害にあると考え、その動きを改善することで腰痛を治療する方法をいいます。
仙骨と腸骨に指をかけて関節の状態を診断し、ミリ単位で関節の隙間を押し広げます。
そして仙腸関節をやさしく動かすことで正常な動きを取り戻させます。
AKA-博田法があまり浸透していない理由は、AKA-博田法の熟練した医師が少ないことにあります。
AKA-博田法を行っても効果がない場合は手術が必要な状態だといわれています。
そのため腰痛の手術を行う前にAKA-博田法を行った方がよいといわれています。

■仙腸関節の動きを良くする腰痛予防体操
両足を少し開いて「気をつけ」の姿勢で立ちます。
上体を前にゆっくり倒し、ゆっくりと戻します。
上体を後ろにゆっくり倒し、ゆっくりと戻します。
前屈・後屈の動きを３回繰り返します。
仙腸関節をスムーズに動かすことが目的の体操なので、無理せず自分のできる範囲で行いましょう。

■日常生活での腰痛予防ポイント
●中腰姿勢をしないようにする
日常生活ではつい中腰になりがちです。
中腰の姿勢は仙腸関節が非常に不安定な状態となります。
このときに物を持ったりして不自然な姿勢をとると、仙腸関節の機能障害が生じることがあります。
やむおえないときは「これから中腰になる」と意識するだけでも筋肉の働きが良くなり腰への負担が軽減されます。

●体を冷やさない
体が冷えると関節機能障害からくる筋肉の異常な収縮に加えて、ますます筋肉の収縮が強くなって痛みが増すことがあります。
体をあた温める効果的な方法としては入浴がおすすめです。
ぬるめの温度で少し長めの入浴が腰痛予防につながります。

●長時間同じ姿勢を取らない
長時間同じ姿勢をしていると腰周りの筋肉に大きな負担となり、仙腸関節の機能障害が生じやすくなります。
予防体操を30分に１回行うと良いです。

●疲れを溜めない
疲れが溜まると上半身の重みを支えくれなくなり仙腸関節への負担が大きくなってしまいます。

■腰痛がある人は横向きで寝た方が楽
上を向いて寝ると仙腸関節が突き上げられてしまい仙腸関節への負担が大きくなってしまいます。
高い方を上にしてヒザを曲げて横向きに寝るのが良いです。

■腰痛治療の名医（2017年2月時点）
東京都豊島区雑司が谷２－４－１
望クリニック　院長　整形外科医
住田 憲是（すみた かずよし）先生
日本全国・海外からも患者が押し寄せる腰痛治療のエキスパートです。
手術をせずに腰痛を治す整形外科医として、これまで４万人以上の患者を救ってきた腰痛治療の名医です。