健康長寿の秘訣、慢性炎症の抑制法、センテナリアンのポイント、老年的超越、テロメアと健康長寿

100歳以上健康に生きる人をセンテナリアンといい、健康長寿の秘訣は食事・運動・幸福度が重要と考えられています。
健康長寿は環境要因が約75%となっていて、身体に起きる炎症を抑制することがポイントとなっています。
慢性炎症はカゼや切り傷などの急性炎症に比べて程度としては弱く自覚症状もほとんどありませんが、長く持続することによって気づかないうちに身体の中の様々な臓器に広がってしまいます。
この慢性炎症を抑制することが健康長寿につながり、バランスの良い食生活、定期的な運動、老年的超越などが健康長寿の秘訣となります。

■センテナリアンについて
センテナリアンとは100歳以上の1世紀を生きる人のことをいいます。
最新の研究では寿命を決めるのに遺伝要因は約25%であり、約75%が環境要因となっています。

■慢性炎症が健康長寿の秘訣
私達の身体が何らかの有害な刺激を受けたときに起きる反応を炎症といいます。
炎症には急性炎症と慢性炎症があります。

●急性炎症について
急性炎症とは切り傷や火傷などで赤くなったり、カゼのウイルスなどによる喉の腫れなど長くても数週間で治る炎症をいいます。

●慢性炎症について
慢性炎症とは、身体の中の細胞が老化したり壊れることで起こる炎症をいいます。
細胞が老化すると細胞から炎症物質が放出され周囲の細胞に炎症が広がります。
内臓の炎症だと痛みがなく自覚症状もないために気づかないうちに全身に広がってしまうこともあります。
慢性炎症は身体の中の複雑な反応なので血液中のCRPや炎症性サイトカインなどの炎症物質を調べることで分かります。

慢性炎症の怖いところは、1ヶ所に留まらず全身に広がってやがて大きな病気につながってしまうことです。
慢性炎症は動脈硬化、糖尿病、脳卒中、がんなど命に関わる病気につながってしまいます。
つまり慢性炎症を抑えるか広げてしまうかが健康長寿への分かれ道になります。

■慢性炎症の原因
・肥満
・ぜんそく
・歯周病

●肥満が慢性炎症の原因
肥満になると内臓脂肪が増えて臓器の血流が悪くなってしまいます。
すると炎症を引き起こす物質が分泌されて慢性炎症を引き起こしてしまいます。

●ぜんそくが慢性炎症の原因
気管支など空気の通り道が細くなり呼吸困難を引き起こすぜんそくも気管支の炎症が続くため慢性炎症を引き起こしてしまいます。

●歯周病が慢性炎症の原因
歯と歯肉の境目に菌が入り腫れることで炎症物質が作られて慢性炎症を引き起こしてしまいます。

■魚の不飽和脂肪酸EPA・DHAが健康長寿の秘訣
魚にはオメガ3系の不飽和脂肪酸であるEPAやDHAが豊富に含まれています。
これらの脂肪酸は慢性疲労を抑制する効果が期待できます。
不飽和脂肪酸のEPA・DHAは血液中の中性脂肪やコレステロールを調整して慢性疲労を抑制する働きがあります。

■バランスの良い食生活が健康長寿の秘訣
魚を中心に肉もバランス良く摂る食生活が慢性疲労を抑制して健康長寿につながります。

■定期的な運動が健康長寿の秘訣
定期的な身体活動は体重のコントロールや内臓脂肪の減少の効果があります。
運動で血液循環が良くなることで全身に栄養素が行き渡り、慢性疲労を起きにくくなります。
ウォーキングなどで定期的に身体を動かすことが重要になります。

■老年的超越
年をとると共に変化する物事の捉え方考え方を老年的超越といいます。
老年的超越が高まっていくと身体の悪い状況を気にならなくなり、あまり関心を向けなくなることで幸福感が高まると考えられています。
年をとると、家族が元気にしている病気がなくてよかったなど、感情の高まりを起こさない要素が幸福感の重要な要素となっています。
年齢によって身体機能を低下しますが、逆に幸福感は上昇します。
80歳前後を境に身体は不自由ながらも幸せを感じる人が多くなっています。

■テロメアと健康長寿
テロメアとは細胞の核にある染色体の末端部分をいいます。
染色体全体を保護する役割があるといわれ、細胞分裂のたびに短くなり限界に達すると分裂が停止します。
これが細胞の老化と考えられ、テロメアが短ければ短いほど細胞は老化が進んだ状態になります。
しかしセンテナリアンの人はテロメアが短くなりにくいと考えられています。
テロメアが短くなりにくいということは細胞レベルで老化が起こりにくいと考えられます。
そのためテロメアの長さを決めるのが食事・運動・幸福度のような精神だと考えられています。