タイプ別便秘解消ポイント、ぜんどう不全型、直腸・肛門型、ストレス型、排便力トレーニング法

排便は人によってサイクルが違います。
毎日排便していても お腹に便が溜まっていると感じる人は便秘の可能性があります。
便活は自分の便秘の原因を知ることが大事になります。
まず検査や問診を行ってその人に合わせた治療を行うことが大切になります。 便秘の影響は全身に及び様々な身体の不調につながっていきます。 便秘には「ぜんどう不全型」「直腸・肛門型」「ストレス型」の3つのタイプがあります。 それぞれ合わせた便秘解消ポイントがあり、また排便力トレーニングがあります。

■便秘の影響は全身に及ぶ
腸の環境は身体の全てに影響するといわれています。
便秘になり腸の中に便が長く留まると有害物質を作り出してしまいます。
便秘になると腸内環境が悪化し悪玉菌が増え、硫化水素やインドール、アンモニアなどの毒素を作り出してしまいます。
その影響で血液がドロドロになり、冷え性、肩こり、肌荒れ、疲れやすさなどの原因となってしまいます。

■便秘とうつ病
便秘になると幸福物質として知られるセロトニンが減少してしまうため、うつ病になることがあります。
たがが便秘と放置せず適切に改善することが大切になります。

■タイプ別便秘チェック
便秘には、ぜんどう不全型、直腸・肛門型、ストレス型があります。
一つでも当てはまったらそれが便秘のタイプになります。
複数当てはまったら複合型の便秘の可能性があります。

●ぜんどう不全型
便やおならが異常に臭い
硬い便が出ることが多い

●直腸・肛門型
自宅以外での排便を我慢する
腹筋が10回以上できない

●ストレス型
失敗したことをくよくよしやすい
平均睡眠時間は6時間以下

■便秘のタイプ
・ぜんどう不全型
・直腸・肛門型
・ストレス型

●ぜんどう不全型の便秘
食べ物は胃で消化された後に小腸でさらに消化され栄養を吸収します。
大腸では水分が吸収され、その残りカスが便となり排出されます。
この便を移動させる働きが ぜんどう運動です。
ぜんどう運動がうまく働かないと「ぜんどう不全型の便秘」になってしまいます。
原因としては食物繊維摂の取量が少ないことがあげられます。
野菜などに含まれる食物繊維は摂取すると便のカサが増して腸壁を刺激するため、ぜんどう運動を促す効果があります。

●直腸・肛門型の便秘
直腸付近にはセンサーがあり、直腸付近に便が溜まるとその反射で脳に指令が行き排便します。
しかし便意を我慢し続けると直腸付近に便が溜まったままになり、排便の指令が出にくくなってしまいます。

●ストレス型の便秘
腸は自律神経と2つの神経支配からなっています。
排便するための ぜんどう運動の収縮は自律神経と副交感神経によって支配されています。
ストレスなどで副交感神経が乱れてしまうと、ぜんどう運動が低下して便が出にくくなってしまいます。
さらに便が出なくなることもストレスになってしまい便秘の悪循環におちいってしまいます。

ストレスにより大腸が過度に緊張すると、ぜんどう運動が強くなり過ぎることがあります。
すると便秘と下痢を繰り返す症状になる場合があります。

■便秘解消ポイント
食物繊維には便のカサが増す不溶性食物繊維と便の滑りを良くする水溶性食物繊維があります。

●ぜんどう不全型の人は不溶性食物繊維で便秘解消
ぜんどう不全型の便秘の人は、便のカサを作る不溶性食物繊維を摂ると便秘解消につながります。
不溶性食物繊維には、カボチャ、ブロッコリー、サツマイモ、ホウレンソウ、ジャガイモなどがあります。

●直腸・肛門型の人は水溶性食物繊維で便秘解消
直腸・肛門型の便秘の人は、便の滑りを良くする水溶性食物繊維を摂ると便秘解消につながります。
水溶性食物繊維には、バナナ、リンゴ、アボガド、ニンジン、サトイモなどがあります。

●直腸・肛門型の人はオリーブオイルで便秘解消
オリーブオイルは便の潤滑油になると共に小腸を刺激して排便を促す作用があります。

■色々な発酵食品を摂り便秘解消
発酵食品は1つの菌に偏らないように色々な種類を食べることが便秘解消に効果的です。
色々な発酵食品を食べることで腸内環境が良くなり便秘解消に効果的です。

■排便力トレーニングで便秘解消
●ぜんどう不全型の排便力トレーニング

脚を肩幅に開き立ちます。
左の肋骨の下と右の腰骨の上を指で押し込みます。
肛門を締めながら右回りに腰を大きくゆっくり回します。
左回りも同様に行います。
左右5回を1セットとして、朝昼晩に1セットずつ行います。

●直腸・肛門型の排便力トレーニング
大きく脚を開いて立ち、ヒザを曲げて腰を下ろします。
左手を左ヒザに、右ヒジを右の太ももの上に乗せた状態で10〜15秒間キープします。
同様に右手を右ヒザに、左ヒジを左の太ももの上に乗せた状態で10〜15秒間キープします。
左右を1セットとし、朝昼晩に1セットずつ行います。
直腸・肛門型の排便力トレーニングはトイレに行く前にもおすすめです。

●ストレス型の排便力トレーニング
両腕を上に伸ばして手首を頭上で交差させます。
口から息をゆっくり吐きながら5秒間上体を左に倒し、鼻から息を吸いながら最初の姿勢に戻ります。
右側も同様に行います。
3往復を1セットとし、朝昼晩に1セットずつ行います。
ストレス型の排便力トレーニングは朝起きたときと夜眠る前が特におすすめです。

■便秘治療の名医(0217年1月時点)
順天堂大学医学部 教授
小林 弘幸(こばやし ひろゆき)先生
医療法人社団 順幸会 小林メディカルクリニック東京(東京都港区)