ひざ痛予防運動!ボールペンによるひざ軟骨すり減りチェック、ひざ伸ばし運動、足上げ運動

ひざ痛の原因の多くは、ひざ軟骨のすり減りが原因だと考えられています。
ひざ軟骨は一度すり減ってしまうと元に戻らないので、その予防が大事になってきます。
ボールペン1本でひざ軟骨のすり減り度を知ることができます。
ひざ伸ばし運動による ひざ痛予防法と足上げ運動による ひざ痛予防法をご紹介します。

■ひざ軟骨のすり減りがひざ痛の原因
ひざを曲げたり、立ち上がったりした瞬間にひざからポキッと音が鳴る場合は、ひざの状態が悪くなっている可能性があります。
ひざの状態を悪化させている原因は軟骨のすり減りです。
ひざの軟骨は、ひざの骨の表面を覆いクッションの役割を果たしている組織です。
加齢や肥満などで必要以上に負担がかかると軟骨が徐々にすり減っていきます。
すると階段を下りる時しゃがもうとした時などに、ひざに激しい痛みをもたらして生活の質を著しく低下させてしまいます。
すり減った軟骨は二度と元には戻らないので、早めにチェックして状態を知っておくことが大切になります。

■ひざ痛による下半身の筋肉が衰え
ひざが痛くなると動く量も減ってくるので下半身の筋肉が衰えてきます。
するとざらにひざが悪くなり、さらには腰の痛みへとつながってしまったり、高血圧や糖尿病のリスクにもなったりします。

■ボールペンによるひざ軟骨すり減りチェック
一つでもクリアできなければ、ひざ軟骨がすり減っている可能性があります。
できないチェックが多いほど、ひざ軟骨のすり減り度が高い可能性があります。
ボールペンを1本用意して行います。

●ひざ曲げチェック
仰向けに寝ます。
そのまま片方のひざを抱えます。
この状態でかかとの骨の一番出っ張っている部分とお尻の間にボールペンを挟みます。
ボールペンが挟まったまま落ちなければクリアです。
挟めずに落としてしまったり、途中でひざに痛みが出る場合はアウトです。
結果が出たらもう片方の脚でも行います。

このチェックがクリアできない場合は、たとえ痛みがなくてもひざの軟骨が微妙にすり減り、関節内部で小さな炎症が発生してひざの内部で腫れたり水が溜まっているために関節が曲げられない可能性があります。

●ひざ伸ばしチェック
片方のひざを立てて床に座ります。
伸ばしたひざのお皿の中心、その真下の延長線上にボールペンを置きます。
曲げている方のひざをゆっくり伸ばします。
ひざの裏がボールペンに接すればクリアです。
ひざ裏がボールペンにつかず隙間ができたり、ひざに痛みが出た場合はアウトです。
結果が出たらもう片方の脚でも行います。

このチェックがクリアできない場合は、ひざの軟骨が微妙にすり減り、関節内部で小さな炎症が発生し周囲の組織に腫れなどが生じて脚の動きが制限されている可能性があります。

●O脚チェック
立ち上がった状態で片側のひざの内側の一番出っ張ったところにボールペンを当てます。
もう一方のひざをすぼめるように閉じます。
このとき脚は曲げずに伸ばした状態で行います。
手を離してもボールペンが落ちなければクリアです。
ボールペンが挟めずに落ちたり、閉じた時に痛みが出たらアウトです。

ひざの軟骨は特に内側がすり減りやすいといわれています。
すり減りが進行すると真っ直ぐだった脚は徐々にアルファベットのオーの字のように湾曲しO脚と呼ばれる状態になり、さらに内側の軟骨がすり減りやすくなってしまいます。
もともとO脚やガニマタぎみだった人は、長い間内側の軟骨に負担がかかり続けているので一層の注意が必要です。

■ひざ伸ばし運動でひざ痛予防
イスに浅く座ります。
右脚を前に伸ばします。
ひざの皿の上に右手を置きます。
右手でひざに体重をかけてグッと伸ばします。
後ろ側の筋が伸びた感じで行います。
ひざが伸びた状態で10秒間キープします。
強く傷む場合は中止しましょう。
反対側も同様に行います。
1日左右10秒間を5回行います。

■足上げ運動でひざ痛予防
ひざを開いてこぶしを間に入れます。
こぶしを両方のひざで挟みこんで押さえます。
さらに右脚をグッと伸ばします。
この状態で5秒間キープします。
反対側も同様に行います。
1日に左右の脚を5秒ずつを5回行います。

この運動により太ももの筋肉を鍛えてひざの安定性を高めます。
ひざが安定するとぐらつきが少なくなり、ひざの軟骨のすり減りが少なくなります。
またこの運動で脚の内側の筋肉も鍛えられO脚の予防改善につながります。

■ひざ治療の名医(2017年1月時点)
伊奈病院 整形外科部長
石橋 英明(いしばし ひであき)先生
のべ1万人以上のひざを診察してきたひざ治療の名医です。