タンパク質の不足は筋肉や骨の衰えを招いて寝たきりや要介護の引き金になる危険性があります。
特に夏の季節などは食欲の減退などでタンパク質が不足しがちです。
タンパク質は肉や魚、大豆製品などから摂取できます。
1日のタンパク質の推奨摂取量は、男性で60g、女性で50gとされています。
タンパク質は筋肉・骨・皮膚・毛髪・血液など全身のあらゆる箇所を補正し、身体の約20%を占める大切な成分です。
十分なタンパク質を摂っていれば肌や毛髪など見た目の若々しさだけでなく、筋肉や骨の強度を維持することができます。
タンパク質が少ないと筋肉と血管が影響を受けてしまいます。
食事によるカロリー摂取が少ないと、筋肉をアミノ酸に分解して不足分のエネルギーを補おうとします。
粗食ではそもそも筋肉を維持する十分なタンパク質が得られないため、筋肉を分解してそれを他の臓器が使っていくため手足が痩せてきてしまいます。
そのため寝たきり、骨折、要介護を招いてしまう危険性が高くなってしまいます。
■肉でタンパク質を補う
肉には豊富なタンパク質に加えて高カロリーな脂質が含まれています。
少量でもカロリーを確保できるため食事量が減ってしまう高齢者に効果的な食材です。
肉は種類を問わず1日100g、片手に乗る程度を目安に食べるのが良いそうです。
高齢者は肉を食べ辛いこともあるので、薄切り肉を上手に使うと良いそうです。
肉のアブラが辛いときは酸味を効かせると美味しく食べることがでいます。
酢やレモンなどの酸味には食欲増進効果や胃酸の分泌を促す効果があります。
レモンなどに含まれるビタミンCにはタンパク質からコラーゲンを合成するのに欠かせない成分です。
■肉に豊富な成分
・鉄分
・トリプトファン
・オレイン酸
鉄分は貧血予防に効果的です。
トリプトファンは精神安定・うつ予防に効果的です。
オレイン酸には高血圧予防に効果的です。
■タンパク質不足が脳梗塞や心筋梗塞の原因に
タンパク質は血管を丈夫に保つためにも重要な栄養素です。
タンパク質が不足すると血管壁がもろくなり動脈硬化が進行しやすくなります。
すると血管壁の一部が外がに向かってコブ状に膨らみ、そこに血液がよどんで血栓となり血管を塞いで脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性が高まります。
■タンパク質不足のサイン
・フタが開け辛い
・歩行速度が落ちた
・肌のハリがない
・疲れやすい
・思考力や集中力が落ちた
フタが開け辛いと握力低下の可能性があり、歩いていると周囲の人に追い抜かれることが増えたときはタンパク質不足による筋力低下の可能性があります。
■アルブミンの値でタンパク質不足を知る
血液検査でアルブミンを調べるとタンパク質不足が分かります。
アルブミンは血中を流れるタンパク質の一種で、アルブミンの値が4.0未満だとタンパク質不足による筋力低下がすでに始まっている状態といわれています。
■タンパク質+筋トレで転倒予防
お肉などのタンパク質を摂り、さらに筋トレを加えることで効果的に下半身を強化することになり転倒予防につながります。
●大腿四頭筋と前脛骨筋を鍛える
イスに座って右の太ももを座面から少し浮かせます。
5秒かけてゆっくりと右ひざを前に伸ばし、つま先を天井へ向けて2秒キープします。
5秒かけてゆっくりと元の位置に戻します。
反対側も同様に行います。
左右10回ずつを1セットとし、1日3セットを目安に行います。
●中臀筋を鍛える
イスの後ろ側に立ち背もたれをつかみます。
5秒かけて右足をゆっくりと真横に上げていきます。
このとき足は床から15〜30cmの高さまで上げます。
足を上げた状態で2秒キープします。
ゆっくりと5秒かけて元の位置まで下ろします。
反対側も同様に行います。
左右10回ずつを1セットとし、1日3セットを目安に行います。