慢性腰痛の治療では運動療法が基本で、薬物療法では慢性腰痛治療で補助的に行い、認知行動療法で考え方を変えて行動も変え、痛みを改善していきます。
慢性腰痛改善のためにはなるべく外出して身体を動かしてリフレッシュすることが効果的です。
慢性腰痛は脳に原因があります。
慢性腰痛はストレス、うつ、不安が大きく関わっていて、脳にも原因があると考えられています。
■下行性疼痛抑制系(かこうせいとうつうよくせいけい)の働き
私達の脳は、腰の痛みを感じると脳に伝わって痛みを感じますが、その痛みを抑え込む機能も備わっています。
これを下行性疼痛抑制系(かこうせいとうつうよくせいけい)といいます。
身体から痛みの信号が脳に到達すると、脳の中でドパミンという神経伝達物質が放出されます。
その結果、脳の中でμオピオイドという脳内麻薬が大量に放出されます。
それが下行性疼痛抑制系というものをを働かせ、痛みの信号が遮断されます。
これによって痛みが抑制されます。
しかしストレスにさらされていると、身体の痛みが脳に信号として伝わっても脳の中でドパミンが分泌されなくなってしまいます。
その結果、μオピオイドを介した下行性疼痛抑制系の働きがなくなってしまい、わずかな痛みでも強い痛みと感じてしまったり、長引いてしまったりします。
■慢性腰痛の治療
・運動療法
・薬物療法
・認知行動療法
運動療法がメインになります。
薬物療法は慢性腰痛では補助的に使います。
認知行動療法とは、考え方を変えて行動を変えていく治療法です。
●運動療法による慢性腰痛の治療
慢性腰痛では基本的に動けない腰痛でなないので、身体を動かした方が良いとされています。
ストレスを感じない運動・自分が好きな運動が良いといわれています。
運動を行うと脳の血流が良くなり、また楽しく運動することにより脳内にドパミンが放出されて下行性疼痛抑制系の働きで慢性腰痛が良くなってきます。
痛みが多少あっても外出して身体を動かしてリフレッシュを行い、脳の中の痛みを抑える下行性疼痛抑制系を働かせることで痛みを減らしていきます。
●薬物療法による慢性腰痛の治療
・非ステロイド性消炎鎮痛薬
・アセトアミノフェン
・抗不安薬
・抗うつ薬
・筋弛緩薬
・オピオイド
抗不安薬は、不安や緊張を取り除きストレスを減らして下行性疼痛抑制系の働きを良くして痛みを抑制します。
抗うつ薬は、セロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質を増やして下行性疼痛抑制系の働きを良くして痛みを抑制します。
筋弛緩薬は筋の緊張をほぐします。
オピオイドは痛みが強い場合に用います。
●認知行動療法による慢性腰痛の治療
考え方を変えて行動も変え、痛みを改善していきます。
慢性腰痛は腰は痛いが動いてもよいので、痛くても何かができたということをプラスに考えていくことが大事になります。
それによって除々に出来ることが増えていって生活が改善し、その結果腰痛も良くなっていきます。
痛みがあっても何かができるという考え方が重要になります。
腰が痛くても好きなことを行うことがポイントです。
楽しいことをすると脳の中でドパミンが多く放出され、それによって下行性疼痛抑制系の働きが活性化して慢性腰痛の痛みが改善していきます。
楽しい事、好きな事を行うことが重要になります。
■腰痛治療の名医(2015年5月時点)
福島県立医科大学 整形外科 助教
渡邉 和之(わたなべ かずゆき)先生
脊椎・脊髄の治療のエキスパートです。
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