物忘れ・認知症、加齢による物忘れ、高齢発症てんかんによる物忘れ

加齢による物忘れは加齢により脳の血流が悪くなることで一時的な物忘れが起きます。
高齢発症てんかんによる物忘れは、脳の神経細胞が過剰に興奮して異常な信号が全身に送られることで発作的な症状が現れる病気です。

■認知症
認知症は一度発症すると進行を遅らせることは出来ても、症状を改善するのは難しいと考えられています。
しかし認知症の中には薬によって治る可能性のある認知症もあります。

・アルツハイマー型認知症
  脳が萎縮して起こります。
・脳血管性認知症
  動脈硬化が原因で脳細胞が死滅して起こります。

■加齢による物忘れ
加齢により脳の血流が悪くなり、神経伝達が鈍ることがあります。
すると一時的な物忘れが起きることがあります。

■高齢発症てんかんによる物忘れ
てんかんとは、脳の神経細胞が過剰に興奮して異常な信号が全身に送られることで発作的な症状が現れる病気です。
通常、脳は興奮細胞と抑制細胞とがアクセルとブレーキの働きをし合うことで上手くバランスを取り合っています。
しかしてんかんになるとブレーキの役割を担う抑制細胞の働きが低下してしまい、興奮細胞が発作的に暴走して全身の筋肉が激しく収縮し、けいれんなどの症状が起こります。
これまでは子供や比較的若い頃に発症することが多いと考えられてきましたが、近年では60代以上になって初めて発症する高齢発症てんかんが多いことが分かってきています。

詳しい原因は分かっていませんが、加齢や動脈硬化などで脳の血流が乱れることで抑制細胞の働きが低下して発症すると考えられています。
高齢発症てんかんが通常のてんかんと違うのは、初期には激しいけいれんなどの目立った症状が起こらず、かわりに発作的な物忘れが起きることです。

●口部自動症(こうぶじどうしょう)
口部自動症(こうぶじどうしょう)とは、発作と同時に物を食べているように口と喉を同時に動かす症状で、高齢発症てんかんの特徴的な発作症状です。

■高齢発症てんかんの特徴
・物忘れが一時的なもの
・口の中に嫌な臭いが広がる

アルツハイマー型認知症は脳の萎縮が原因のため、いったん症状が出始めると改善することなく除々に悪化していきます。
高齢発症てんかんは一時的な物忘れを起こすものの、その後は何ともない状態が長く続きます。

高齢発症てんかんは味覚や嗅覚に関わる側頭葉に異常が発症することが多く、そのため味がおかしくなったり、変な味がするなどの症状が発作的に現れることがあります。

■高齢発症てんかんの早期発見のポイント
・一時的な物忘れ
   + ・口や喉の異変
・突然起こる胸の不快感
  吐き気、心臓をつかまれる感じ、空気が込み上がる感じ。
・突然起こる不安感
  脳波異常が起こっている時だけ幻の体験として不安を感じます。

■高齢発症てんかんの治療
高齢発症てんかんの治療には抗てんかん薬等を用います。
アルツハイマー型認知症は治療が難しいですが、高齢発症てんかんの場合は脳波異常を止める薬が良く効くので、早期発見して治療すれば症状を抑えることが可能です。

■認知症・物忘れの治療の名医(2015年1月時点)
旭川医科大学病院(北海道旭川市)精神科 教授
千葉 茂(ちば しげる)先生
脳に関する病気の患者を1万人以上救ってきたエキスパートです。
健康6