脂質異常症で血液中に脂が多くなると、血管が傷付き動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然死のリスクが高まります。
食生活の改善や有酸素運動で肥満を解消していくことが脂質異常症の予防にも大切です。
■脂質異常症(ししついじょうしょう)について
脂質異常症(ししついじょうしょう)とは、血液中に含まれる脂のバランスが乱れている状態をいいます。
30歳以上の3分の1は脂質異常症(ししついじょうしょう)といわれています。
●脂質異常症の判断値
・HDL(善玉):40未満(mg/dl)
・LDL(悪玉):140以上(mg/dl)
・中性脂肪 :150以上(mg/dl)
■中性脂肪(ちゅうせいしぼう)について
中性脂肪(ちゅうせいしぼう)とは、食べ物に含まれる脂質や糖質などが肝臓で合成されたものです。
体内の細胞が正常に働くために、血液中に蓄えられている大切なエネルギー源です。
しかし中性脂肪が増え過ぎてしまうと、血管に負担をかけて傷付けてしまったり、内臓の周りに付いて内臓脂肪となってメタボの原因になったりします。
■コレステロールについて
コレステロールは、細胞膜を合成、ホルモンや胆汁などの材料になったりと、体の機能を正常に保つための材料として必要なものです。
コレステロールは主に肝臓で合成され、血液に乗って身体の隅々まで運ばれていきます。
●悪玉コレステロールと善玉コレステロール
コレステロールは大きく分けて2つの働きがあります。
肝臓から血液に乗ってコレステロールを全身に運ぶのが悪玉コレステロールになります。
余分となったコレステロールを肝臓に戻してくれるのが善玉コレステロールになります。
そして血液中の善玉コレステロールが減ったり悪玉コレステロールが増えたりすると、血液中に残された余分な脂が血管壁に沈着していき、コブのような状態になってしまいます。
もし傷が付いてしまうと、血液中の血小板がそこに集まり修復しょうとします。
すると血栓と呼ばれるカサブタのような血の塊が出来て、血液の流れをせき止めてしまいます。
心臓で起これば心筋梗塞を引き起こし、脳で起これば脳梗塞を引き起こしてしまいます。
脂質異常症には自覚症状がありません。
突然胸が苦しくなったり、急に物が持てなくなったりして、血管が詰まった時に初めて症状が出てきます。
■脂質異常症と肥満
肥満の人は、生活の背景に食べ過ぎと運動不足があります。
そのため脂質異常症と肥満とのの関連性は強くなります。
ただし見た目が普通でも、体質で血液中の脂を溜め込みやすい人もいます。
■脂質異常症と動脈硬化
もともとしなやかで柔らかな血管は、年齢と共に血管壁に脂が入り込み分厚く硬くなっていきます。
脂質異常症などの生活習慣病があると、動脈硬化が早まってしまいます。
■食事で脂質異常症を予防
脂質異常症を予防するには、食べ過ぎてトータルカロリーを摂り過ぎてしまうことを防ぐことが大事になります。
ただし朝食をまったく食べないと、昼食時のドカ食いにつながるので良くありません。
●朝野菜ジュースで脂質異常症を予防
ニンジン1本半とリンゴ半分をジューサーにかけて最後にレモン汁を加えると出来上がりです。
朝は脱水と共にビタミンやミネラルが不足するため、野菜ジュースなどで補給すると効果的です。
朝野菜ジュースは脂肪の燃焼を促進する効果も期待できます。
リンゴのもつ水溶性食物繊維がコレステロールに吸着して排出する効果があります。
●昼と夜は炭水化物を半分にカットして脂質異常症を予防
ご飯・パン・パスタなどの炭水化物を摂り過ぎると体内で脂質となってしまいます。
●マグロや青魚で脂質異常症を予防
マグロや青魚に含まれるEPAは、血液中の中性脂肪やコレステロールを抑えてくれる働きがあります。
50g程を目安にして食べると効果的です。
■ながら有酸素運動で脂質異常症を予防
テレビなどを見ながら、その場で足踏みをするだけでも脂質異常症の予防に効果的です。 有酸素運動は、食事では増えにくい善玉コレステロールを増やす効果があります。
また有酸素運動は、動脈硬化で障害された血管の内皮機能を改善してくれる効果があります。
収縮した血管が広がってきて血管年齢が良くなってきます。