片頭痛によるめまい、前庭性片頭痛、片頭痛関連めまい

めまいは症状によって耳の中の平衡感覚の異常、脳そのものの異常、ストレスによる自律神経の異常などが原因として考えられます。
片頭痛を持つ人がめまいを発症すると、めまいにばかり気がいってしまい片頭痛が原因となっていることに気が付きにくくなってしまいます。
片頭痛の人がめまいを起こしたときは前庭性片頭痛・片頭痛関連めまいを疑い専門医を受診しましょう。

■めまいについて
めまいに悩む人は約280万人いるといわれています。
50代半ばを境に、めまいを訴える人が急増しています。
特に女性に多く発症しています。
めまいといっても症状は様々です。
めまいの症状によっては、耳の中の平衡感覚の異常、脳そのものの異常、ストレスによる自律神経の異常などを疑わなくてはいけません。

■前庭性片頭痛(ぜんていせいへんずつう)片頭痛関連めまいについて
片頭痛の詳しいメカニズムは分かっていませんが、ストレスなど何らかの原因で耳の付近にある三叉神経(さんさしんけい)から神経ペプチドという神経伝達物質が過剰に分泌されます。
すると神経ペプチドが血管を急激に拡張させることで神経が過敏になり、片頭痛が起こると考えられています。
神経ペプチドは片頭痛を起こすだけではなく、同時に前庭(ぜんてい)と呼ばれる三半規管(さんはんきかん)などの平衡感覚を司る器官にも過剰に作用します。
平衡感覚の誤った情報が脳に伝わり、バランスに異常があると脳が勘違いしてしまい、めまいが起こると考えられています。
この脳の勘違いがめまいの正体になります。

片頭痛持ちの人は頭痛が日常化しているため、めまいのことばかりに気を取られて頭痛を見過ごしてしまうことが多くあります。
片頭痛の人がめまいに襲われたら前庭性の片頭痛を疑うことが大切になります。
前庭性片頭痛(ぜんていせいへんずつう)は、国際頭痛学会が制定する国際頭痛分類で2013年に認められた新しい病気です。
耳鼻科の間でも、まだあまり知られていない状況です。
片頭痛持ちの人がめまいを感じたら専門医を受診することがおすすめです。

■めまいの名医(2014年5月時点)
帝京大学医学部附属 溝口病院 耳鼻咽喉科 教授
室伏 利久(むろふし としひさ)先生