骨粗しょう症とカルシウム 骨折 破骨細胞 骨芽細胞!

骨粗しょう症とカルシウム 破骨細胞 骨芽細胞。骨粗しょう症は破骨細胞(はこつさいぼう)骨芽細胞(こつがさいぼう)がホルモンのバランス変化に起因。閉経後の女性は女性ホルモンの減少が起因している

私達の骨は溶かして作られをくり返し日々生まれ変わっています。
溶かすのは破骨細胞(はこつさいぼう)で、作るのは骨芽細胞(こつがさいぼう)になります。
破骨細胞(はこつさいぼう)が活発になり過ぎると骨がスカスカになり“骨粗しょう症”になってしまいます。
人の体には破骨細胞(はこつさいぼう)の働きを程よく抑えてくれる物質があります。
それが女性ホルモンです。
骨粗しょう症は40代までは男性に多く女性ではほとんど見られません。
しかし閉経後の50代を過ぎると女性患者が急増します。
80代以上では女性の半数以上が骨粗しょう症になってしまいます。

■破骨細胞(はこつさいぼう)骨芽細胞(こつがさいぼう)
カルシウムは心臓の筋肉細胞が働くためにはなくてはならない物質です。
私達が食べたカルシウムは腸から吸収され血液中に入ります。
ところがしばらく食事を摂らずにいると、血液中のカルシウムは減ってしまいます。
その情報はノドの付け根の副甲状腺という場所に送られ危険信号が出されます。
この信号を受けると破骨細胞は骨を削りカルシウムを血液中に送ります。
その後食事をするとカルシウムが増えるので、骨芽細胞が余ったカルシウム分を集め骨に溜め込みます。

■血管の石灰化
歳をとると腸からのカルシウムの吸収率が低下していきます。
血液中にカルシウムが足りなくなり危険信号が出ると破骨細胞が働き始めますが、それと同時に血管の中では血管細胞も働きはじめて血液中のカルシウムを血管の壁に集めて骨化させてしまいます。
血管細胞は骨芽細胞と同じタイプの細胞から枝分かれして出来たため、骨芽細胞と似たような性質も持っています。
つまりカルシウム不足が血管の石灰化を生じさせています。
血管の石灰化が進行すると動脈硬化も悪化し、脳卒中や心筋梗塞の危険性も増してしまいます。

■女性ホルモンの減少が骨折のリスクを増やす
骨折のリスクの70%は骨密度で説明がつきます。
残りの30%はそれ以外の要因からきています。
破骨細胞が1つの場所を壊すのにおよそ20日かかり、骨芽細胞が再生させるのに90日かかります。
女性ホルモンが減ると破骨細胞の抑えが効かなくなり、あちこちの場所を壊し始めます。
すると骨芽細胞の働きがおいつかない状態になります。
閉経後の女性に骨折が多いのはこのためです。
また無理なダイエットなどもホルモンのバランスを崩すので骨折の危険が増してしまいます。

■骨代謝マーカー
骨代謝マーカーとは骨の破壊と再生のバランスを知る方法です。
骨が壊されると骨の分解物が尿の中に排泄されて出てきます。
この量を調べるとどのくらい破骨細胞によって壊されているかが分かります。

■骨折をしやすい人の目安
・過去にちょっとしたことで骨折したことがある →2倍のリスク
・親が太ももなどの骨折をしたことがある →2.3倍のリスク
・喫煙している →1.3〜1.8倍のリスク
・飲酒している →1.3〜1.7倍のリスク

■食事から骨粗しょう症を考える
●野菜、魚、キノコを摂っている人は、摂っていない人よりも40%骨密度が高い

●塩分は控えるようにする
塩分を摂りすぎるとカルシウムも一緒に排泄されてしまます

●ビタミンDは骨を壊すのを抑える
腎臓に働いて余分なカルシウムが捨てられないようにしてくれます
腸に働いて吸収率を良くしてくれます
筋肉に働いて転倒を防ぐ効果があります

■散歩やウォーキングでビタミンDアップ
日光にあたると皮膚でビタミンDが作られます。
目安は20分。
当たり過ぎは熱中症などの危険がありますので注意しましょう。