慢性腰痛改善、ストレス、DLPFCの衰えが慢性腰痛の原因、認知行動療法、体を動かす

痛みが3ヶ月以上続く腰痛が慢性腰痛。ストレスによるDLPFCの衰えが慢性腰痛の原因。認知行動療法や体を動かすことで慢性腰痛改善。

■慢性腰痛について
日本人の4人に1人が悩んでいる腰痛ですが、中には治療しても治らず腰痛が長引いている人もいます。
痛みが3ヶ月以上続く腰痛は慢性腰痛といわれています。
腰痛に悩む人の半数が慢性腰痛といわれています。

■骨や筋肉の異常による腰痛
腰痛の大きなきっかけになるのが骨と筋肉の異常です。
骨の異常の代表格が腰椎椎間板ヘルニアで、骨の間にある椎間板が潰れて神経を圧迫し腰痛を引き起こします。
また骨を取り巻く筋肉でケガやコリによって炎症が起きると痛みにつながります。
こられの異常が急に起きるのがギックリ腰です。
通常これらの骨や筋肉の異常は3ヶ月以内で改善します。
しかし治療をしても痛みが治まらなかったり、検査をしても原因が分からなく腰痛が長引く人もいます。

■DLPFCが慢性腰痛の原因
慢性腰痛の人は脳のDLPFCといわれる部分の活動が衰えていると考えられています。
骨や筋肉の異常によって炎症が起こると、その情報が脳に伝えられます。
すると脳は神経細胞が興奮して痛みの回路が生まれます。
この痛みの回路が出来てはじめて腰の痛みを感じます。
腰の炎症が治まっても痛みの回路の興奮がすぐに落ち着くわけではありません。
このときDLPFCが働き、痛みの回路に興奮を鎮める指令を出して痛が治まります。
しかしDLPFCの活動が衰えるとこの仕組みが上手く働かなくなり、痛みの回路の興奮が続いてしまいます。
このため腰は治っているのに腰がが痛いと感じてしまいます。

■腰痛への強い恐怖心がDLPFCを衰えさせる
強い恐怖心が脳の中で生まれるとDLPFCにストレスが加わります。
この状態が長く続くとDLPFCの神経細胞が疲弊していきます。
すると活動が衰えて興奮が鎮まれという指令が出にくくなり、痛みの回路の興奮が続いてしまいます。
これが治療しても治らない慢性腰痛の原因だと考えられています。

■腰痛の正しい知識を認識する
腰痛の正しい知識を得ると、恐怖心が弱まりDLPFCへのストレスが減ります。
すると興奮を鎮める指令が出るようになり、痛みの回路がなくなっていきます。

■あえて背中を反らして慢性腰痛を改善
腰痛があると腰をかばって前屈みの姿勢をとりがちになります。
あえて恐怖を感じる逆の方向に体を反らし、背中を反らしても大丈夫だという経験を積み重ねて腰痛への恐怖を解消していきます。
シビレがなければ、この姿勢をとることで痛みへの恐怖心が減ってDLPFCが働きはじめ、痛みの回路の興奮が治まり慢性腰痛が改善されます。

■認知行動療法(にんちこうどうりょうほう)で慢性腰痛を改善
認知行動療法(にんちこうどうりょうほう)とは、精神疾患に対する治療法です。
痛みの原因となっているストレスを患者の物の考え方を修正することで解消します。
認知行動療法では考え方の歪みに患者自身が気付き、自ら修正することで腰痛の原因となるようなストレスを減らしていくという治療法になります。
痛みがあるから何もできないという考え方におちいりがちですが、そこを認知行動療法で前向きな考え方に変えていきます。
認知行動療法は患者が抱えて自信を喪失してしまっていることを、一つ一つ解決することでまた自信を持ってもらいます。
認知行動療法では根拠を示しつつ、○○だから大丈夫というような合理的な考え方が出来るように修正していきます。
認知行動療法は、慢性腰痛や治りにくい腰痛にも取り入れられています。
認知行動療法と運動療法、場合によっては薬物療法を組み合わせることで治療します。

骨や筋肉に異常がなければ動いた方が良く、安静は腰痛治療にはなりません。
ほとんどの腰痛は数週間で自然に治るので心配無用です。
重症になることはほとんどありません。
どうやって腰痛の恐れや恐怖を取り除いていくか医師と相談しながら見つけることが大切になります。
また自ら積極的に立ち向かい、自ら治していくことも大切です。