■腸内環境について
腸内環境とは、お腹の中の状態をいいます。 消化・吸収・排便が滞り無く行われれば腸内環境は正常であり、便秘や下痢は腸内環境が悪い状態になります。
腸内環境は善玉菌や悪玉菌のバランスによって変わってきます。
つまり腸内環境は腸内細菌のバランスが大事になってきます。

●腸内細菌
腸内細菌とは、主に大腸に存在する菌のことをいい、その数は約1000兆個ともいわれています。
腸内細菌は大きく分けて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌（ひよりみきん）の3つに分けられます。
その割合は、善玉菌が20％、悪玉菌が10％、日和見菌が70％が良いとされています。

●善玉菌
善玉菌とは、消化吸収の促進、免疫力アップ、有害物質の解毒、悪玉菌の増殖を抑えるなど、体に良い作用を持つ菌です。

●悪玉菌
悪玉菌とは、腸内を腐敗させ有害物質を作るなど、人体に悪影響を及ぼす菌です。

●日和見菌（ひよりみきん）
日和見菌とは、腸にとって良い働きも悪い働きもする菌です。
善玉菌が多いと悪玉菌の作用を抑え、体を健康に保ってくれます。
悪玉菌が多くなると、体に様々な不調を引き起こすといわれています。

■悪玉菌が増える食生活
肉食中心で野菜をあまり食べない。

■善玉菌が増える食生活
ヨーグルト・ぬか漬け・味噌などの発酵食品。

■乳酸菌について
乳酸菌とはビフィズス菌など善玉菌の代表格です。
乳酸菌は体内の余分なコレステロールを排出したり、腸の動きを活発にして悪玉菌の繁殖を防ぐなどの整腸作用があります。
乳酸菌には植物性乳酸菌と動物性乳酸菌があります。
植物性乳酸菌は漬け物、醤油、味噌などに多く含まれ、植物の糖をエサとして増殖する菌です。
動物性乳酸菌はチーズやヨーグルトなどに含まれ、牛乳などの動物のミルクをエサにして増殖する菌です。
動物性乳酸菌の多くは胃酸で死んでしまいますが、他の善玉菌のエサになったり免疫力をアップさせるなど、死んでも大きな役割を果たしています。
バランス良くそれぞれの乳酸菌を摂って、腸内環境を整えることが大事になります。
自分にどの乳酸菌が合うかは、10日間ほど続けてみて健康状態を確認してみましょう。

■悪玉菌増加による身体への悪影響
悪玉菌が増えて腸内環境が悪化すると、便秘になりやすくなります。
便秘になると排泄できない便などの老廃物から有害物質が発生します。
血液中にも有害物質が増えると血流が悪化するといわれています。
すると血行不良による冷え性、むくみ、肌荒れ、ニキビ、吹き出物が出やすくなるともいわれています。

■バナナで腸内環境を改善
バナナは排便を助けて善玉菌のエサとなります。
そのため悪玉菌を減らして善玉菌を増やす効果があります。
バナナに含まれるオリゴ糖は善玉菌のエサとなり、腸内環境を良くしてくれます。
またバナナには血中コレステロール減少、腎機能向上、血糖値の正常化などの効果も期待できます。

■善玉菌を増やして免疫力アップ
口から体内に入ってくる物は食べ物だけではなく、細菌やウイルスも侵入してきます。
その危険なウイルスから体を守っているのが腸の免疫細胞です。
腸は人体最大の免疫器官でもあります。
そのため腸には全身の6割もの免疫細胞が集中しています。
免疫力アップのカギをにぎっているのが善玉菌です。

■腸内環境を改善して動脈硬化を予防
動脈硬化は、血管の内側に炎症を起こして血流を悪くなっている状態です。
この炎症を抑えるのも免疫の働きです。
そのため腸内環境を良くすると動脈硬化を予防し、突然死を防ぐことができると考えられています。

■和食で肥満型腸内細菌を改善
肥満型の腸内細菌は欧米人に多くみられます。
欧米型の食生活は、高カロリーで脂肪分が多い食べ物に偏りがちなため、腸内細菌のバランスが崩れやすいと考えられています。
肥満型の腸内細菌が少ないといわれているのが日本食です。
肥満型の腸内細菌を減らすには、伝統的な和食が適していると考えられています。

■腸内環境改善体操
仰向けになりヒザを立てます。
腰をゆっくり上げて10秒間キープします。
戻すときもゆっくり戻します。
これを5回繰り返します。

仰向けになりヒザを立てます。
腕を広げて深呼吸しながら立てたヒザをゆっくり右に倒します。
深呼吸しながら元の位置に戻します。
同様に左も行います。
これを2往復行います。

■オリーブオイルで腸内環境改善
オリーブオイルに含まれているオレイン酸が腸に長く留まり、食べ物のカスと混ざって便の滑りをよくする働きがあります。
さらにオリーブオイルに含まれるビタミンEには、大腸癌を防ぐ効果があると考えられています。
オリーブオイルを調理に使うことで腸内環境改善の効果が期待できます。
またオリーブオイルを発酵食品と一緒に調理して摂っても腸内環境改善の効果が期待できます。