カビによる肺炎、肺MAC症、急性好酸球性肺炎、肺炎予防!

■カゼと肺炎の違い
カゼと肺炎は炎症が起こる場所によって異なります。
鼻から声帯までに炎症が起こるとカゼで、声帯から下の気管や肺全体に炎症が起こると肺炎になります。
カゼはウイルスが原因で、肺炎は細菌が原因で起こります。

■肺炎
肺炎の原因となる細菌の種類は100種類以上もあります。
肺炎の原因の一つとしてカビがあります。
カビはジメジメした梅雨の時期に増えるというイメージがありますが、実は1年の内で油断ができないのが冬の季節です。
冬はカビが少ないと思いがちですが、常に私達のまわりを漂っています。
気密性の高い生活環境は湿度が高いため、カビによる疾患やアレルギーが増加しています。
また症状に気付きにくく、重症化して呼吸不全や肺の破壊につながる人もいます。

■カビが肺炎の原因
カビは毒素やタンパク質を破壊する物質を多く持っています。
カビは、ホコリやダニ、花粉よりも肺の奥を破壊しやすいアレルギー反応を起こしやすい物質でもあります。
カビなどの異物を大量に吸い込むと、その刺激で肺に炎症が起きます。
すると熱、咳、息切れなどの症状が現れて、肺そのものを破壊することもあります。
これがアレルギーで起こる肺炎です。

■ホコリとカビ
カビの胞子は表面に細かい凹凸があり、ホコリに付着しやすいという特徴があります。
目には見えませんが家の中には常にホコリが舞っています。
洋服を叩いたり、ベッドに横になるだけでも大量のホコリが発性しています。
それは同時にカビを部屋中にまき散らしていることにもなります。
呼吸するだけで常にカビを吸っていることになります。
冬は静電気によってカビがホコリに付きやすい環境になっています。

■カビが多く潜んでいる場所
●窓

カビは水分が大好物です。
ホコリに付着したカビは、ガラスに出来る結露に付くことで水分をもとにして増殖し続けます。

●加湿器
乾燥やカゼ対策に欠かせない加湿器ですが、掃除を怠ると吹き出し口にカビが大量に発生します。

●家具の裏
壁と密着している場所は通気性が悪く、湿気がこもりやすい場所でもあります。

■お風呂場とカビ
お風呂場は1年中カビが存在するため、冬だから危険というわけではありません。
浴室はシャワーなどでカビが舞いやすい環境ですが、滞在時間が短いため危険度は高くありません。

■肺MAC症について
肺MAC症とは、MAC菌が感染して肺に炎症を起こして慢性の気道感染症が起こる病気です。
肺MAC症は結核と似た病気で、MAC菌は形も結核菌と似ています。
MAC菌が肺に取り付き組織を破壊してしまいます。
放置して重症化すると血を吐いたり、呼吸不全におちいることもあります。
肺MAC症の一番危険なことは、結核と違い完治が難しいことです。

●MAC菌の症状
・咳
・息切れ
・発熱
・血痰

●肺MAC症の治療法
肺MAC症の治療法としては、抗生物質の服用や手術になります。
日常生活が元気に遅れる様になる場合が多いです。
MAC菌の感染を防ぐには、日頃から抵抗力を高めておくことが大切です。
良質な睡眠、栄養バランスの整った食生活、疲労やストレスを溜めないようにすることが大切になります。

■急性好酸球性肺炎について
好酸球(こうさんきゅう)とは白血球のひとつで、体に有害な物質が入って来た際に攻撃する働きがあります。
しかしある要因が重なると、好酸球がその刺激に反応して間違って自分自身を攻撃してしまいます。
そのためアレルギー反応を起こしてしまうことがあります。

●急性好酸球性肺炎の原因
・タバコ
・粉塵
・カビ
・防虫スプレー
・花火の煙
・寄生虫(アニサキスなど)

急性好酸球性肺炎は、喫煙開始から1〜3週間で発症することが多く、非常に疲れている時や睡眠不足の時に起こることが多いです。
急性好酸球性肺炎は、健康な人が疲れている時に起こるのが特徴となっています。
ストレスと睡眠不足で免疫力が低下しているところに喫煙が重なると、肺炎を起こしやすくなってしまいます。
急性好酸球性肺炎の予防のためには良質な睡眠とストレスを溜めない生活を送り、免疫力を高めることが大切になります。