腰部脊柱管狭窄症、間欠跛行、排尿障害、足がつる!

■腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)について
脊柱管(せきちゅうかん)とは、背骨の中にある神経の通り道のことをいいます。
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)とは、腰の脊柱管の周りにある靭帯や骨が、加齢やヘルニアなどの様々な原因で変形し脊柱管が狭くなってしまう病気です。
狭くなって神経が圧迫されるため、辛い腰痛や足のしびれを引き起こしてしまいます。
最悪の場合、下半身マヒや歩けなくなる危険性もあります。
腰部脊柱管狭窄症の推定患者数は、約365万人ともいわれています。
腰部脊柱管狭窄症を放置して重症化すると、たとえ手術をして神経の圧迫がなくなっても傷付いてしまった神経は再生しづらく、しびれなどの後遺障害が残ってしまうことがあります。

■腰部脊柱管狭窄症の原因
・加齢
・肥満
・悪い姿勢

50歳を越えると腰部脊柱管狭窄症を患う人が増えてきます。
腰部脊柱管狭窄症になってしまう主な原因は加齢による靭帯や骨の変形ですが、その他にも肥満体型の人、長時間同じ姿勢を取る人なども腰に負担がかかり、腰部脊柱管狭窄症になりやすいとされています。

■腰部脊柱管狭窄症チェック
・スリッパが脱げやすくなる
・排尿がしづらい、残尿感がある
・よく足がつる

一つでも当てはまれば腰部脊柱管狭窄症の可能性があります。

●腰部脊柱管狭窄症になるとスリッパが脱げやすくなる
腰部脊柱管狭窄症で腰の神経が傷むと、足首を曲げる力が弱くなってしまうことがあります。
すると足を上げようとしてもつま先がしっかり上がらないため、スリッパなどが脱げやすくなったり、ちょっとした段差につまずきやすくなったりしてしまいます。

●腰部脊柱管狭窄症になると排尿障害起こる
腰部脊柱管狭窄症で神経が傷むと、膀胱をコントロールする力が弱くなることがあります。
すると尿が排出しづらくなったり、尿もれが起きることがあります。

●腰部脊柱管狭窄症になると足がつる
腰部脊柱管狭窄症で神経が傷むと、ふくらはぎの筋肉をコントロールする神経も狂ってしまい、足がつることが多くなってしまいます。
腰部脊柱管狭窄症の患者の約40%が、数日に1回は足がつっているといわれています。

■腰部脊柱管狭窄症の発見法
・間欠跛行(かんけつはこう)
・体を後ろに反らすと症状が強まる

●間欠跛行(かんけつはこう)について
間欠跛行(かんけつはこう)とは、ある程度の距離を歩くと足や腰に痛みやしびれなどが現れるものの、少し休むと症状が軽くなり再び歩くことができるようになる状態のことをいいます。
椎間板ヘルニアなどによる腰痛の場合は痛みが常にあり、少し休むだけでは症状はほとんど変わりません。
この違いは、腰部脊柱管狭窄症を早期発見するための重要なポイントです。

●腰部脊柱管狭窄症だと体を後ろに反らすと症状が強まる
腰部脊柱管狭窄症を患っている人は、体を後ろに反らすと脊柱管がいっそう狭まるので、神経がより圧迫されて痛みやしびれが強くなってしまいます。
反対に前屈みになると脊柱管が広がるので、神経の圧迫が緩んで痛みやしびれが弱まります。
そのため自転車に乗ったり手押し車を押すと、自然と状態が前屈みになり症状が弱まります。
これが腰部脊柱管狭窄症を早期発見するための重要なポイントになります。

■首と腰の脊柱管狭窄症
脊柱管は首から腰までつながっています。
日本人は欧米人に比べて比較的脊柱管が狭い傾向があります。
特によく動かす首と腰は負担がかかりやすいため、腰に脊柱管狭窄症を発症した人は、首にも脊柱管狭窄症を発症することがよくあります。