隠れ肝臓病!肝炎・肝硬変・肝臓ガン。肝臓病というとお酒が真っ先に思い浮かびますが、肝硬変の7割の原因がウイルス、肝臓ガンは9割がウイルスが原因。肝炎ウイルス検査は、保健所か委託を受けている医療機関で原則無料受診
沈黙の臓器とも言われる肝臓。
自覚症状がないままに肝硬変や肝臓ガンなどの重い病気に進行することもあります。
実は最新の研究で、肝臓の病気が進行しているのに検査では全く異常がでないケースが多くあることが分かってきました。
進行した慢性肝炎や肝硬変が見逃される可能性が十分あるとされています。
肝臓に重大なトラブルをかかえていながら全く気付いていない人が全国に100万人〜200万人もいることが分かってきました。
■ウイルスと肝臓
肝臓がウイルスに感染すると肝炎になります。
肝炎になると細胞が壊れて死んでしまいますが、少し壊れても細胞はまた再生します。
細胞が死んでは再生するということを繰り返しているうちになるのが肝硬変です。
細胞の再生が間に合わなくなると肝臓に繊維が出来てしまい、でこぼこになって硬くなってしまいます。
しかも肝炎から肝硬変になる間の自覚症状はありません。
そしてさらに進行していくとなるのが肝臓ガンです。
肝臓病というとお酒が真っ先に思い浮かびますが、肝硬変の7割の原因がウイルスであり、肝臓ガンは9割がウイルスが原因とされています。
実は肝炎のウイルスは直接肝臓の細胞を破壊することはありません。
ウイルスが入り込んだ肝臓の細胞を見つけると、免疫細胞が細胞ごと壊してしまいます。
免疫細胞はウイルスを直接攻撃するのではなく、感染した細胞ごと壊して肝臓を守ろうとします。
感染した細胞が次々に壊されて死ぬと肝炎になります。
このとき壊れた細胞から漏れ出すのがGPTなど肝細胞独特の酵素です。
血液検査では、この漏れ出した酵素の量で測定して肝臓へのダメージを調べています。
肝炎ウイルスに感染する多くは急性肝炎になり、その後慢性肝炎になることもあり、しだいに悪くなっていきます。
人によっては20年〜30年続いて肝硬変になり、その後10年ほどで肝臓ガンになることも多くあります。
■肝炎と注射器感染
実は1970年代までは注射器は使い回されて使用され、1988年頃までは集団の予防接種でも注射器は使い回されて使用されていました。
ある検査ではB型肝炎の患者に使った注射器は、それ以降の6人目までの人まで感染していたそうです。
肝炎ウイルス感染には注射器以外の様々な原因も指摘されています。
日常生活で肝炎ウイルスに感染することはまずありません。
■検査でも発見できない肝炎
ウイルスの中に免疫をあざむくものがいるそうです。
免疫が攻撃しないと酵素が漏れず、肝機能検査は異常なしになってしまいます。
そして体の中でどんどん増殖を繰り返します。
■肝炎ウイルス検査
肝炎ウイルス検査は、保健所か委託を受けている医療機関で原則無料で受けられます。
市町村の保健所センターなどで受けるときは有料の場合もあります。
一生のうち一回受ければ、これから時代ではほとんど一生に一度だけで大丈夫だそうです。
■C型肝炎の治療法
ペグインターフェロン(リバビリン併用療法)
ペグインターフェロンは体内で薬剤が分解されにくく、治癒率は70%にもなるそうです。
特に、治りにくいタイプの肝炎の治癒率は10倍にも上昇し、副作用も軽くなりました。
ただし高齢者は合併症の確率が高くなるので注意が必要です。
医療費助成で自己負担が月1万円〜5万円(平成26年度まで)
■B型肝炎の治療法
インターフェロン・核酸アナログ
■肝ひご療法
炎症を抑え病気の進行を遅らせます。