便秘の正しい対処ポイント、弛緩性便秘、間違った便秘薬による腸管神経の疲弊

刺激性便秘薬を長期間使用すると腸管神経が疲弊して便秘になってしまうことがあります。
非刺激性の便秘薬は量を守れば毎日使用が可能です。
便秘薬は用法用量を守ることが大切です。

■弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)について
大腸には腸管神経(ちょうかんしんけい)という神経が張り巡らされています。
腸管神経が働き大腸を収縮させることで便が肛門へと運ばれます。
しかし腸管神経が何らかの原因で働かなくなる、と筋肉がゆるみ大腸が収縮できず便を肛門へと運ぶことができなくなってしまいます。
これが弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)と呼ばれる状態になります。
弛緩性便秘になると便がどんどん溜まり、筋肉がゆるんだ腸の管は次第に膨らんでいきます。
そして重さに耐え切れず大腸が垂れ下がってしまいます。

■便秘薬の間違った使い方が便秘の原因
刺激性便秘薬は腸管神経に直接働きかけて腸の収縮を起こさせる薬です。
効果は高いですが、長期連用しないという使用上の注意があります。
長期連用すると腸管神経が疲弊し反応しずらくなり、腸管の筋肉がゆるみ便を送り出せなくなってしまうことがあります。
大量の便が溜まり腸管が異常な形になってしまうこともあります。

■便秘の正しい対処ポイント
・週に3回排便があれば便秘ではない
・激性の便秘薬の使用は週に2回まで
・腸にやさしい便秘薬

●週に3回排便があれば便秘ではない
排便は毎日ないといけないと思いがちですが、排便は必ずしも毎日あるものではありません。
週3回排便dきていれば毎日出ていなくても便秘ではありません。
忙しい平日は出ないが、ゆっくりできる週末に出る人もいます。

●刺激性の便秘薬の使用は週に2回まで
刺激性の便秘薬は医師もよく処方しますが、短期間・頓用で週2回程度の使用がすすめられています。

●腸にやさしい便秘薬がある
非刺激性の便秘薬もあります。
こちらを先に使った方が腸にもやさしいです。
腸の中に水分を集めて便を軟らかくして排便しやすくします。
非刺激性の便秘薬は、量さえ気をつければ毎日使用しても問題ないそうです。

■便秘治療の名医(2017年10月時点)
国立病院機構 久里浜医療センター
IBS・便秘外来
水上 健(みずかみ たけし)先生
内視鏡の専門家として約2万人の患者さんの大腸を診察し、便秘を起こしやすい大腸の形など様々な便秘の新原因を明らかにしています。
日本で初めて発行した便秘の診療ガイドライン作成委員でもあります。
世界でも便秘の診療法普及に尽力する日本屈指の名医です。