ひざ痛解消効果が期待できるひざ伸ばし運動、関節包を柔軟にしてひざの痛みを改善

ひざ痛の原因は骨だけではなく、関節包の硬さにもあります。
ひざの関節包は加齢や軟骨のすり減りなどが原因となって硬くなっていきます。
ひざ伸ばし運動でひざのお皿と周囲の関節包を引き上げるストレッチ運動がひざ痛解につながります。

■ひざ痛の原因は骨だけではない
ひざ痛の多くが変形性膝関節症だといわれています。
変形性膝関節症とは、ひざの軟骨がすり減り関節が徐々に変形していく病気です。
正常なひざでは太ももの骨と脛の骨の間には軟骨があり、きれいに隙間があります。
変形性膝関節症が進行していくと軟骨がすり減り隙間が狭くなっていき、周りに炎症が起こったりします。

しかし軟骨がすり減り隙間が狭くなっていてもひざ痛が起こらない人もいます。
逆にほとんど軟骨がすり減っていないのにひざ痛が起こっている人もいます。

■ひざ痛は関節包に原因がある
ひざは関節包という袋状のやわらかい組織でで覆われていて、潤滑油でひざの動きをなめらかに保つ役割をしてくれています。
実は、ひざ痛の原因は関節包などの周囲の組織が痛みの原因であることが多いと考えられています。

ひざ関節は複雑で、膝蓋骨(しつがいこつ)・お皿、軟骨、骨と骨をつなぐ靭帯、筋肉と骨をつなぐ腱などたくさんの組織が複雑に入り組んでいます。
そのひざ関節をぐるっと覆っているのが関節包です。
これらのやわらかい組織によって関節は滑らかに動くことができます。

関節包には痛みを感じる神経がたくさん通っています。
何らかの原因で関節包が硬くなってしまうと、ちよっとした刺激でも痛みとして感じてしまうことがあります。

■関節包が硬くなる原因
・加齢
・軟骨のすり減り

軟骨がすりると炎症が起こり関節包などを硬くしてしまいます。
一度治ってもそれを繰り返すことで関節包がだんだん硬くなっていってしまいます。
硬い状態を長く放置してしまうと元に戻りにくくなってしまいます。

■ひざ伸ばしでひざ痛解消
ひざを伸ばした状態で、太ももの前に側に繰り返し力を入れます。
ひざをしっかり伸ばして、お皿を引き上げるように行います。
これは大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のセッティングと呼ばれる運動です。
痛みが強くて動かせない人はこの運動から行っていくと良いといわれています。
継続して行うことが大切になります。
この大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のセッティング運動は、太ももの筋肉を鍛える目的で広まりましたが、関節包などへのストレッチ効果で注目されています。

■ひざの関節包の硬さチェック
仰向けの状態で足首を持ち、かかとがお尻につかなければひざの関節包が硬くなっている可能性があります。
関節包の硬さがひざ痛の痛みの原因になっている可能性があります。

■ひざ痛解消「ひざ伸ばし」のやり方
ひざを伸ばした状態で、太ももの前側の筋肉に5秒間力を入れる・緩めるを繰り返します。
太ももに力を入れることで、ひざのお皿と周囲の関節包が引き上げられます。
10回繰り返しで1セット、1日2〜3セットが目安になります。

これが出来ない人は、ひざの下に丸めたタオルを置いて行うと力が入れやすくなります。
タオルを足首の下に置くと、ひざの裏もよく伸びるようになります。

イスに座って行う場合は、イスに浅く腰掛けて、かかとを地面につけ、足をしっかり伸ばして行うとよいです。

ケガをしている人、痛風やリウマチがある人、ひざに腫れや熱がある人、安静にしていても痛い人などは医師に相談して行うようにしましょう。