慢性心不全と心臓のむくみ!減塩法、和温療法、治療法!

慢性心不全と心臓のむくみ!心臓のポンプ機能が低下が慢性心不全の原因に。慢性心不全には減塩が大切になります。和温療法。血圧や心不全の兆候に注意することが慢性心不全には大切。肺や甲状腺の異常でも慢性心不全に

■慢性心不全について
心不全には急性と慢性があり、患者数は100人以上で、死亡者数は約6万7千人(2010年)と言われています。
慢性心不全は心臓がポンプの働きを失ってしまうために起こる症候群とされています。
慢性心不全になると心臓のポンプの働きが失われるために血液が渋滞してしまいます。
すると心臓の中も血液が渋滞して、どんどん心臓が張ってきてしまいます。

●初期の慢性心不全
心臓のポンプ機能が弱まると、血液を全身に送る力が弱まってしまいます。
すると心臓内の血液量が増えて渋滞し心臓が大きくなってしまいます。

●中期の慢性心不全
さらに心臓のポンプ機能が低下すると、心臓と肺をつなげる血管内でも血液が渋滞してしまいます。
その結果、肺血管の血圧が上昇し水が漏れ出してしまいます。

■内臓のむくみ
血管には微細な穴が開いていて、この穴から水分が漏れ出します。
血圧が上がることで血液中の水分が血管から漏れ出て周りに染み出してしまいます。
この行き場を失った水分が肺に染み出しむくみを引き起こしてしまいます。
さらに症状が進行すると肺だけではなく、胃、腸、肝臓など内臓全体がむくんでしまいます。
この溜まった大量の水分が原因で、息切れを起こしたり、夜間の咳などの症状が起こったりまします。

■慢性心不全を引き起こす病気・症状
 ・不整脈(心房細動)
 ・心臓弁膜症
 ・心筋症
 ・心筋炎
 ・高血圧
 ・糖尿病
 ・心筋梗塞
 ・狭心症
 ・貧血
 ・慢性肺疾患
 ・睡眠時無呼吸症候群
 ・甲状腺機能の亢進や低下

心不全となると、どの病気をみても最終ステージに入ってきているということでコントロールが必要ということになります。
心臓そのものに問題がある場合に加えて、肺や甲状腺の異常などでも慢性心不全を引き起こしてしまいます。
少しずつ症状が現れはじめていう段階で治療を受けることが大切です。

■慢性心不全の診断
慢性心不全はまず問診を行います。
足のむくみが寝ても治らず進行していないか、息切れがひどくなっていないかを問診します。
その後、呼吸音、レントゲン、CTなどの検査をして慢性心不全を特定していきます。

■BNP検査
BNP検査とは、心臓から出るホルモンのBNPを測定することで、約1時間で心臓の状態が分かります。

■塩分の過剰摂取
塩分を多く摂ると血圧が上がり心臓に負担がかかってしまいます。
平均的な塩分摂取量は成人で1日約11g 。
高血圧の人は、塩分量の目安は6gになります。

■慢性心不全のための減塩法
慢性心不全のための減塩法としては、酸味のある食材を使って味の薄さを感じさせないようにすることが大切になります。
コショウ、レモン、お酢、トマトなどを使うと塩味の薄さを感じさせないようにできます。
また、たくさんの具材を使うことで食感の違いを生み出し、味の薄さを感じさせないようにすると減塩に効果的です。
食卓に醤油や食塩などの調味料を置かないことも減塩に効果的です。
醤油はそのまま使わず、あらかじめダシを混ぜて使うなど減塩を心掛けると良いです。

■和温療法
和温療法とは、鹿児島大学の研究グループが提唱した慢性心不全の治療法です。
乾式遠赤外線サウナ装置に15分入った後、30分間保温することで血流が良くなり、心臓への負担軽減などの効果が期待できます。

■心臓に優しい入浴法
 ・食事や運動の後は避ける
 ・温度は40℃ほどにする
 ・水深は息切れしない程度にする
 ・洗髪は前傾姿勢で行わない
 ・入浴の後はしっかり保温する

●入浴するタイミング(慢性心不全のための入浴法)
食事や運動の後は血圧が不安定なので、急激な血圧の変動を避けるため、30分以上時間をあけてから入るようにしましょう。
入浴時間は10分程度が理想です。

●お湯の温度(慢性心不全のための入浴法)
水温は42℃以上の熱めのお風呂は避け、40℃くらいの負担の少ない温度にしましょう。

●浴槽の深さ(慢性心不全のための入浴法)
お湯の深さは、両脇をむすぶ線くらいまでにします。
息切れを感じない高さがポイントです。

●洗髪の方法(慢性心不全のための入浴法)
注意したいのは頭を極端に下げて髪を洗うことです。
前傾姿勢は呼吸がしずらく、心臓発作の原因になる恐れがあります。

●入浴後(慢性心不全のための入浴法)
浴室を出た後に冷えないように脱衣所を温めておきましょう。
すぐに服を着てしっかり保温し、水分補給も忘れずに行いましょう。

■慢性心不全には適度な運動も大切
軽く息がはずむ程度の運動、ウオーキングなどの有酸素運動が効果的です。
筋力トレーニングなどの無酸素運動は、息を止めることで血圧が上昇して心臓に負担がかかるので注意しましょう。

■心不全の治療
心不全の治療は水分制限が第一になります。
心臓の状態によって水分を摂取できる量が変わってくるので、医師との相談が大切になります。

■慢性心不全の治療
慢性心不全の治療としては、利尿剤を使って体内の水分と塩分を排出し、その後原因である疾患を治療します。
日本人の50歳以上の人の2人に1人は高血圧と言われています。
40歳を過ぎたら血圧や心不全の兆候に注意することも大切になります。