腎臓と糸球体!クレアチニンは老廃物のひとつで、筋肉中のタンパク質が代謝された老廃物。尿酸値7.0mg/dl以上になると高尿酸血症と呼ばれる病気。動脈硬化でも、ろ過機能が低下する。腎臓に糸球体が約100万個
■腎臓と糸球体(しきゅうたい)
腎臓に入った血液は、毛細血管のかたまり糸球体(しきゅうたい)でろ過されます。
腎臓にはこの糸球体(しきゅうたい)が約100万個もあります。
糸球体(しきゅうたい)は血管壁の小さな穴から体にとって不要な老廃物を捨て、タンパク質や糖分などの必要なものを取っておきます。
こうして体に必要なものと、不要なものを選別してくれています。
しかし悪い食生活などで高血圧や脂質異常症になると、血液中に糖や脂肪などが大量に流れるようになります。
すると大きな糖が糸球体(しきゅうたい)の穴を無理矢理に通ろうとして穴を広げてしまいます。
こうなると広がった穴から必要なタンパク質なども流れ出してしまいます。
漏れたタンパク質は尿に混じって排泄されてしまいます。
このとき尿検査をすると、検査紙が反応して腎臓の異常が発見されます。
しかし腎臓の機能が低下してもタンパク質が漏れでないことがあります。
■たんぱく尿検査
たんぱく尿検査は、腎臓が壊れていることを知るには不可欠な検査です。
しかしたんぱく尿検査では、ろ過機能の低下の程度までは分かりません。
■糸球体の穴が広がり、腎臓のろ過機能低下
穴がどんどん広がってしまった糸球体(しきゅうたい)では、血小板が集まってきて血管全体を塞いで血液の流れを止めてしまいます。
この影響でタンパクも漏れ出なくなりますが、血管をどんどん塞いでしまうことで、腎臓のろ過機能もどんどん低下していきます。
■クレアチニン
クレアチニンは老廃物のひとつで、筋肉中のタンパク質が代謝された老廃物です。
ろ過機能が低下すると血液中にクレアチニンが増加してしまいます。
市町村の健康診断で、クレアチニンの検査を実施しているのは約40%ほどになります。
腎機能の低下を知るためにも1年に1度はクレアチニン検査を受けることが大切です。
クレアチニン値(-1.094)×194×年齢(-0.287)
女性の場合は上の数値に0.739を×ます
これまで腎機能は低下する一方で、止めることはできないと思われていましたが、日本腎臓学会が指標を作ったことで予防の目標が立てやすくなってきました。
■尿酸値と高尿酸血症
高尿酸の原因となっている動脈硬化で、ろ過機能が低下することが分かってきています。
尿酸値7.0mg/dl以上になると高尿酸血症と呼ばれる病気になります。
痛みが消えたら病気が治ったわけではなく、尿酸値の高い間はずっと高尿酸血症という病気ということになります。
痛風の痛みに襲われない無症候性高尿酸血症の人もいます。
知らないうちに危険が増しています。
尿酸値が高くて末期腎不全になるリスクは、男性で尿酸値7mg/dl未満の人に比べて、7mg/dl以上の人はリスクが4倍になり、女性では尿酸値6mg/dl以上の人は、6mg/dl以下の人に比べてリスクが9倍にもなります。
尿酸は末期腎不全のリスクになります。
症状がなくても尿酸の値に気を付けることが大切になります。