ピロリ菌の除菌!胃粘膜の働き、ストレスと胃!

ピロリ菌の除菌!胃粘膜の働き、ストレスと胃。胃粘液はアルコールやストレスにより障害され、胃潰瘍、胃がんを引き起こす原因となっています。ピロリ菌は胃の細胞を破壊してしまいます。ピロリ菌の除菌治療には禁煙・禁酒が大切

■胃粘膜
胃粘膜の主成分は「水」とオクラや納豆にも含まれるネバネバ成分の「ムチン」からなっています。
その粘液を胃の中で噴射し続けることでバリアを張り、胃酸や食べ物から胃を守っています。

■胃粘液とアルコール
仕事終りの居酒屋で空腹状態のままビールを飲むと、胃の中では出血が起こり始めています。
これはアルコールで胃粘膜が弱り、胃粘膜が障害されてしまったために起こります。
しかしこのとき胃の出血に対する自覚症状はまったくありません。
アルコールは胃の粘液や粘膜を障害する作用があります。
直接胃の表面にアルコールが届いてしまって、表面の血管が切れて出血してしまいます。
胃は修復機能が高いため回復しますが、繰り返し傷付けていると治りにくくなってしまいます。

■胃・ピロリ菌の名医、(2011年8月時点)
東京医科大学病院 内視鏡センター部長 教授 医学博士 河合隆 先生

■ストレスと胃
胃は自律神経で動いていて、胃酸を作り出したり、胃粘膜を分泌したりしています。
そのためストレスで自律神経のバランスが崩れると、血流が悪くなり胃の働きが低下してしまいます。
そのため胃粘膜がうまく分泌されずダメージを受けやすくなります。

■胃とピロリ菌
胃にピロリ菌がいると胃の細胞を壊してしまいます。
すると痛みを感じる細胞もなくなり、胃が悪くなっているのにそれが分からなくなってしまいます。
胃粘膜に接触したピロリ菌は、自分の針を胃粘膜うあ胃酸を分泌する細胞に刺し、毒素を注入し細胞を破壊します。
ピロリ菌は自身の周りにアルカリ性の物質でバリアを作り、胃酸を中和して胃の中で生き残っています。
ピロリ菌の感染者全員が慢性胃炎になってしまいます。
そのうち10%ぐらいの人が胃潰瘍を発症し、3〜4%の人が胃がんを発症するとされています。
胃がんのリスクがない人に対し、喫煙者がガンになる確率は約5.8倍。 そこにピロリ菌が加わると約11.4倍にもなります。
また高血糖の場合は、ピロリ菌がいなければ約1.4倍ですが、ピロリ菌がいる人の場合は約4倍にも跳ね上がってしまいます。

■ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌には日本人の5割が感染していると言われています。
ピロリ菌は子供の頃に感染し、大人になってから感染することはありません。
ピロリ菌はもともと地下水に生息していて、井戸水、湧き水、川の水などを介して感染すると考えられています。
またピロリ菌を持つ親からの口移しなどでうつることもあります。

■ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌の除菌治療には、胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質を合わせたものを一週間飲んで治療します。
ピロリ菌の除菌する際の注意事項としては禁煙と禁酒になります。
一回目の除菌薬の成功率が7割で、3割の人が失敗しています。
失敗の原因は、耐性菌という薬につよい菌になってしまうためです。
子供の頃に感染しているため、長年飲んだカゼ薬などにより耐性が出来てしまうことがあります。
一回目のピロリ菌の除菌に失敗した場合、薬を変えて再び一週間ピロリ菌の除菌を行い治療します。

■ピロリ菌の除菌成功後の注意点
ピロリ菌の除菌に成功すると胃の調子が良くなり胃酸が多く出るため、食欲が増し太りやすくなってしまいます。
さらには一時的に逆流性食道炎が起こりやすくなります。