機能性ディスペプシア!腹痛・胃痛・胃もたれ・膨満感!

機能性ディスペプシア!腹痛・胃痛・胃もたれ・膨満感!ストレスによる胃の痛みには、自律神経が関係しています。腹痛は痛む場所によって隠されている病気が異なる。長引く痛みや、強い痛みがある場合は医師に相談

■膨満感と食欲不振
胃の上部の膨らみが悪くなることで、食事が自分で思ったよりも少ない量しか受け入れない。
そういった時に膨満感(ぼうまんかん)が起きます。
胃の溜める働きとは、胃が膨らむ働きのことです。
それが弱った状態が膨満感(ぼうまんかん)です。
健康な場合は、胃の上の部分が大きく膨らみ食べ物を溜めることができます。
しかし胃が十分に膨らまないと、あまり食べていないのにすぐに満腹になったと感じてしまいます。
膨満感(ぼうまんかん)が長く続くと、食欲不振の原因につながる場合もあります。

■胃もたれ
胃もたれとは、胃で消化された食べ物がなかなか十二指腸へ送り出されない状態のことです。
消化を終えても消化物が胃の中に長く残っているため、食後しばらく経っても胃がおもく感じてしまいます。
胃もたれに関わる胃の大事な働きは、収縮して食べ物などを胃より奥に送り出す働きです。
胃の下側がポンプのように収縮。 これは胃で消化された食べ物を十二指腸へと送り出す大事な働きです。
異には食べ物と胃酸を蠕動運動(ぜんどううんどう)で混ぜ合わせ、お粥のようにする働きがあります。
十二指腸は胃と小腸をつなぐ掛け橋。
胃でお粥のようになった食べ物をさらに小腸で吸収しやすくするため、膵液(すいえき)や胆汁(たんじゅう)によって消化の最終仕上げをしている臓器です。
つまり食べ過ぎたときなどに起こる胃の不快感は胃が膨れるからではなく、正常に膨らまなかったり、消化物が送り出されないことで起こっています。

■ストレスで胃が痛くなるのはなぜか?
ストレスによる胃の痛みには、自律神経が関係しています。
胃では食べ物を溶かす胃酸と、その刺激から胃壁を守る胃粘液がバランスをとって共存しています。
胃酸は攻撃、胃粘液は防御の役割をしています。
しかしストレスで自律神経が乱れると攻撃と防御のバランスが崩れ、胃壁が必要以上の攻撃にさらされてしまいます。
その結果、胃壁が知覚過敏(ちかくかびん)状態になり、胃に痛みや不快感が表れます。
ただしこのような胃の痛みは、ストレスの原因を取り除けば治まる場合がほとんどです。

■機能性ディスペプシア
最近、胃の知覚過敏(ちかくかびん)や膨満感(ぼうまんかん)、胃もたれなどが長期間続き、胃の機能の面の異常で起こるような消化器症状を起こす「機能性ディスペプシア」という病気が注目されています。
機能性ディスペプシアとは内視鏡などの検査をしても異常がなく、食行動による原因でもない胃痛のことです。
機能性ディスペプシアは年齢はあまり関係なく、若い人でも起こる場合が多いそうです。
機能性ディスペプシアの特徴は、胃の痛みや不快感などの症状が長期間続くということです。
非常に生活の質の低下が激しい病で、旅行に行くのを控えたり、ひどい場合は学校へ行けなくなったり、会社を休まないといけなくなる人もいます。
機能性ディスペプシアの原因はまだはっきりとは分かっていませんが、過去に食中毒などで胃が弱る経験があったり、ストレスなどが深く関係していると考えられています。

■機能性ディスペプシアチェック
・すぐにお腹が一杯になる
・食後に胃がもたれる
・みぞおちが痛くなることがある

みぞおちが焼ける感じがある 上記のような症状が週に1回以上起こり、3ケ月以上続いている場合、また本人が悩んでいるかどうかが大きな目安になります。

■機能性ディスペプシアの治療
胃の動きを促進する薬や漢方薬の処方などが進められています。

■腹痛・胃痛を医師にうまく伝えるポイント
●痛みの強さ

強い痛みなのか、静かな痛みなのかを伝えることがポイント。
●いつからの痛みなのか
短期間で急に起きてきたものであれば、急性胃炎や胃腸炎の疑いがあります。
逆に慢性的な場合だと機能性ディスペプシアや胃潰瘍、胃ガンなどを疑うこともあります。
●食事との関係
食後に起こるようだと胃潰瘍など。
食前に起こるようだと十二指腸潰瘍などが疑われます。

■腹痛が起きる場所と病気
腹痛は痛む場所によって隠されている病気が異なります。
長引く痛みや、強い痛みがある場合は医師に相談しましょう。

●お腹の右上:胆石症
お腹の右上は肝臓や胆のうがある場所。
ここが痛む場合は特に胆石症が多い。

●みぞおち:胃炎、胃潰瘍、すい炎
膵臓はお腹の後ろ側にあるため、背中が痛む場合もあります。
十二指腸の疾患は右の背中が痛む場合があります。
ちなみに臓器はみぞおち付近に集中しているため、左側に痛みが出ることはほとんどないそうです。

●お腹の真ん中:腸炎、腸閉塞
小腸や大腸による痛みは腹部全体に表れることが多い。

●脇腹(左右):腎臓結石、尿管結石
背中が痛む場合もあるが、腹痛の診断で見つかるケースが多い。
結石の詰まっている場所に激痛が起こることが特徴

●お腹の右下部:虫垂炎、卵巣の疾患(女性の場合)
●お腹の中下部:子宮の疾患(女性の場合)
●お腹の左下部:虚血性大腸炎、卵巣の疾患(女性の場合)