尿トラブルとC線維!蓄尿力、膀胱について、尿力アップフラダンス、血流アップで尿トラブルを予防。中腰の姿勢を続けると膀胱の周りにある3つの筋肉(骨盤低筋(こつばんていきん)・内股の筋肉・おしりの筋肉)に負荷がかかり尿力アップ効果が
■蓄尿力(ちくにょうりょく)とは
蓄尿力(ちくにょうりょく)とは、尿をどれだけ溜められるかという膀胱(ぼうこう)の力のことです。
この蓄尿力(ちくにょうりょく)こそが尿トラブル解決のカギを握る尿力の正体です。
■膀胱(ぼうこう)について
そもそも膀胱は腎臓から送られてきた尿を一時的に溜めておく器官。
膀胱は筋肉で出来ていて袋状の形をしています。
通常、膀胱に尿が200mlほど溜まると、膀胱からの信号が脳に伝わり尿意をもよおします。
健康な人の場合の1日の排尿回数は5回〜6回。
水分摂取量(食事以外)1日1.2リットル
■C線維と尿トラブル
膀胱にはほんの少しのおしっこを尿意として脳に伝えてしまうある神経が存在しています。
それがC線維と呼ばれる神経線維です。
C線維とは誰の膀胱にもある神経で、通常は活動することなく眠っています。
しかしあることが原因でこのC線維が眠りから覚め活性化すると、様々な尿トラブルを引き起こすことになります。
このC線維の活性化こそが尿力ダウンの原因となっています。
■C線維が活性化する原因
少し肥満になったり、普段から運動不足でアルコールを摂る過ぎたりなど、生活習慣が影響している可能性があります。
まだはっきりとしたメカニズムは分かっていませんが、肥満、高血圧などメタボの人の血管では、動脈硬化が進みはじめています。
それは膀胱の血管でも同様です。
膀胱の血流が低下することでC線維は眠りから覚めて活性化しています。
ほんの少しのおしっこでも強い尿意として脳に伝えてしまうと考えられています。
C線維の活性化を放っておくと、患者数800万人以上という新たな国民病の過活動膀胱(かかつどうぼうこう)と呼ばれる瀕尿の病になってしまうこともあります。
C線維は本来皮膚などにもある神経で、温かさや冷たさなどの温度や痛みを感じる神経です。
血液の低下や膀胱炎などで炎症があったりすると、活性化して強く尿意を感じます。
寒さや冷えを感じる季節だと活性化する場合もあるので要注意です。
■尿トラブルの治療研究の第一人者(2011年3月時点)
日本大学 医学部 泌尿器科学系 主任教授
高橋悟(たかはしさとる)先生
■膀胱の周りの筋肉を鍛えて血流アップし尿トラブルを予防
C線維が活性化する原因として膀胱の血流の低下があります。
膀胱の血流をアップするようなことをすると予防につながります。
膀胱の周りにある3つの筋肉(骨盤低筋(こつばんていきん)・内股の筋肉・おしりの筋肉)を動かし鍛えることが効果的です。
骨盤低筋(こつばんていきん)は、普段は膀胱や尿道を支えている働きをしています。
骨盤と太ももをつないでいる内股の筋肉です。
おしりの筋肉(殿筋)。
この3つの筋肉を鍛えて動かすことによって血流が改善し、膀胱の血流がアップします。
■尿力アップフラダンス
まずバスタオルを用意し、ねじって腰骨を中心にまわします。
そしてつなぎ目をゴムでとめます。
頭の後ろで手を組みます。
足を肩幅程度に開き、お尻に力を入れます。
腰を少し落とします。
みぞおちを軸に腰を前後に動かします。
横から見てバスタオルが床と平行になるように動かします。
みぞおちを軸に腰を左右に動かします。
みぞおちを軸に腰を大きく回転させます。
腰を左右に揺りながら左右に2歩ずつ動きます。
動かすにその場で重心を片足ずつ移動させます。
毎日1分続けると効果的です。
尿トラブルがある人は、2〜3ヶ月ほどで効果が期待できます。
また入浴前に行うとより効果的。
膀胱の周りの3つの筋肉は、日常生活の中で普段なかなか使われず鍛えるのが非常に難しい筋肉です。
中腰の姿勢を続けると3つの筋肉に負荷がかかり尿力アップにも効果が期待できます。
腰が前に出たときは骨盤低筋とお尻の筋肉が、閉じて腰を落として回転させることで内股の筋肉が鍛えられます。