食道がんの予防と治療法!アセトアルデヒド、蠕動運動、内視鏡治療、アルコールの影響!食道がんは早期発見が大切。食道がんの予防もこころがける。お酒を飲めば飲むほど発ガン物質が溜まっていき、食道がんをきたしやすくなる
■食道がん
食道がんとはノドと胃をつなぐ食道にできる癌のことです。
食道がんは早期発見できれば根治することもありますが、自覚症状がほとんどなく、進行してから発見される治療の難しい癌の一つです。
食道がんは早期発見が大切です。
食道がんの予防もこころがけましょう。
■食道と蠕動運動(ぜんどううんどう)
食道はノドから胃をつなぐ、長さ25cm程、太さ2〜3cmぐらいの筒状の臓器です。
物を飲み込んだ瞬間に蠕動運動(ぜんどううんどう)することにより食道は動いています。
蠕動(ぜんどう)とは、うごめくという意味で、みみずなどが身をくねらせるような動きです。
飲食物をスムーズに胃へと運ぶ蠕動運動(ぜんどううんどう)。
蠕動運動(ぜんどううんどう)こそが食道の最大の機能になります。
■食道へのアルコールの影響
アルコール度数の高いお酒を飲み続けると、直接に食道の粘膜を傷つけて炎症を引き起こしてしまいます。
■アセトアルデヒド
お酒を飲むとアルコールは肝臓で分解され「アセトアルデヒド」になります。
通常なら酵素の働きで無害化されますが、アルコールの量が増える分解が追い付かなくなり悪酔いや二日酔いの原因となってしまいます。
■アセトアルデヒドによる食道がんのメカニズム
肝臓で分解しきれないアセトアルデヒドは、血液によって全身に送られます。
それでも各臓器では酵素が働き分解されます。
しかし食道では酵素がほとんど働かずアセトアルデヒドが蓄積してしまいます。
そのため長時間、発ガン物質にさらされるため、食道がんを引き起こす危険性が高まってしまいます。
日本人の40%の人がアセトアルデヒドの分解がうまく働かない酵素を持っています。
お酒を飲めば飲むほど発ガン物質が溜まっていき、食道がんをきたしやすくなります。
■食道がんのリスクが高い人
・アセトアルデヒドを分解する酵素が遺伝的に弱い人
・コップ一杯のビールで顔が赤くなる
コップ一杯のビールで顔が赤くなる人、昔は赤くなった人は食道がんのリスク大です。
中でも慣れて飲める人はアルコールに対する抵抗力がついただけで、酵素の働きが高まったわけではありません。
つまり顔が赤くなる体質なのに飲んでしまう人は、最も食道がんになりやすいタイプになります。
アルコール度数だけではなく量を飲めばそれだけアセトアルデヒドの影響を受けてしまいます。
■食道がんの種類
食道がんにはアルコールが原因の「扁平上皮がん」と逆流性食道炎が原因の「腺がん」の2つがあります。
このうち日本人の95%占めるのがアルコールが原因の「扁平上皮がん」です。
■アセトアルデヒド分解酵素
・高活性型(お酒に強い体質)
・ヘテロ欠損型(お酒に弱い体質)
・非活性型(全くお酒が飲めない体質)
酵素の働きが弱いのはヘテロ欠損型と非活性型です。
最も食道がんのリスクが高いのは、顔が赤くなる体質なのにお酒が飲めてしまうヘテロ欠損型です。
日本人では高活性型が5割、ヘテロ欠損型が4割、非活性型が1割になります。
欧米人は95%が高活性型だそうです。
■食道がん予防法
・お酒を控える
・禁煙する
・野菜や果物を毎日摂取すると抑制の効果があります
■食道がんの治療法
食道がんは自覚症状がなく、発見しずらいのが特徴。
早期のうちから転移することも多く、進行すると手術では大掛かりになります。
ヨード染色を使った色素内視鏡を駆使すれば、ごく早期のものを発見するのは非常にたやすくなります。
ヨード液をかけると、正常な細胞なら褐色に変化しますが、癌細胞は染色されす白くなります。
こうして早期発見できれば大きな手術は必要なくなります。
■食道がんの内視鏡治療
ヨード液を散布し、がん細胞をはっきりさせます。
次にがん細胞の下に生理食塩水を注入し、がん細胞を盛り上げます。
そしてがん細胞を鉗子(かんし)でつかみ、ワイヤーで根元を締めつけたら電気で焼き切ります。
だいたい入院してから1週間程で退院できるそうです。