加齢性難聴(かれいせいなんちょう)!騒音性難聴、聴力低下のメカニズム!耳は知らず知らずのうちに老化するもの。難聴の進行を少しでも遅らせるためにも、食生活など日頃の生活習慣に気をつけることが大切です
■加齢性難聴(かれいせいなんちょう)
加齢性難聴(かれいせいなんちょう)とは、加齢に伴って起こる聴力の低下のことです。
個人差はありますが、多くの人は60歳ぐらいから「聞こえの異常」に気付き始め、65歳で3人に1人、75歳では3人に2人が加齢性難聴(かれいせいなんちょう)だと言われています。
加齢性難聴(かれいせいなんちょう)の特徴はクラクションのような高い音から聞こえなくなることです。
■加齢性難聴(かれいせいなんちょう)の特徴
高い音から聞こえなくなる
・車のクラクションの音
・デジタル体温計の音
・携帯電話の音
■有毛細胞(ゆうもうさいぼう)と聴力低下のメカニズム
音は空気の振動が外耳(がいじ)を通って鼓膜(こまく)を動かし、中耳(ちゅうじ)で増幅され内耳(ないじ)の蝸牛(かぎゅう)という器官へと伝えられます。
蝸牛(かぎゅう)の中には無数の有毛細胞(ゆうもうさいぼう)があります。
この有毛細胞(ゆうもうさいぼう)はピアノの鍵盤(けんばん)のような役割を果たし、音の高低に反応します。
高い音では手前の毛がゆれて、低い音では奥の毛がゆれるということで音の振動を電気信号に変えて脳に伝えています。
しかし手前の高い音を感知する有毛細胞(ゆうもうさいぼう)は、常に入ってきた音にさらされ続けています。
そのため手前にある高い音を感知する有毛細胞(ゆうもうさいぼう)から順に劣化が進行します。
ついには有毛細胞(ゆうもうさいぼう)が死んでしまいます。
これが加齢による聴力の低下のメカニズムです。
歳を重ねると高い周波数は誰でも聞こえなくなるのはごく自然なことです。
高齢化が進むと高音から次第に聴力が低下し、加齢性難聴(かれいせいなんちょう)になってしまいます。
■動脈硬化と加齢性難聴
生活習慣の乱れ等により動脈硬化が進行すると血管が硬くなり、血流の流れが悪くなって加齢性難聴(かれいせいなんちょう)を進行させる原因になります。
近年様々な研究によって動脈硬化と難聴との関連性があきらかになってきています。
音を感知する有毛細胞(ゆうもうさいぼう)のある蝸牛(かぎゅう)にはたくさんの毛細血管が走っています。
有毛細胞は、この毛細血管から酸素や栄養素を摂取しています。
この毛細血管でも動脈硬化が発生すると十分な血液が流れなくなり、有毛細胞は酸素不足に陥り機能が低下してしまいます。
それが難聴を引き起こしてしまいます。
中でも高い音を感知する有毛細胞はエネルギーを多く必要とするため、少しでも血流が滞ると直ぐに機能が低下してしまいます。
さらに糖尿病や虚血性心疾患、腎疾患なども加齢性難聴(かれいせいなんちょう)を進行させてしまう危険因子であることが分かっています。
■騒音性難聴(そうおんせいなんちょう)
騒音性難聴(そうおんせいなんちょう)とは、大音量のヘッドホンを使用したり、騒音の中で作業をするなど耳に負担がかかる生活を長期間に渡って続けることで起こる難聴です。
■難聴予防対策
耳は知らず知らずのうちに老化するものです。
一度壊れた有毛細胞は元に戻ることはなく、衰えた聴力が回復することはありません。
だからこそ加齢性難聴の進行を少しでも遅らせるためにも、食生活など日頃の生活習慣に気をつけることが大切です。
■耳を若く保つためのポイント
・食生活など生活習慣に気をつける
・騒音を長時間聞かない
・睡眠を良く取る
・耳を休ませる