鉄欠乏性貧血、脳貧血の予防改善!低血圧、ヘモグロビン値とフェリチン値!鉄欠乏性貧血とは血液の成分である鉄分が不足することで起こる病。脳貧血は主に自律神経の働きに問題があって起こる一過性の症状です
■鉄欠乏性貧血
血液の大事な成分として鉄分があります。
鉄欠乏性貧血とは血液の成分である鉄分が不足することで起こる病です。
鉄分はヘモグロビンを作るための大事な材料になります。
ヘモグロビンは鉄を含んだヘムとタンパク質のグロビンからできています。
ヘモグロビンの大事な働きといのは、体中に酸素を運ぶ働きです。
鉄欠乏の状態になるとヘモグロビンを作れなくなってしまいます。
ヘモグロビンが少なくなると酸素を十分送れなくなり、いわゆる酸欠の状態になってしまいます。
ヘモグロビンは肺から酸素を受け取り全身へと運んでいます。
しかし鉄分がなくなるとヘモグロビンを作ることができなくなり、ヘモグロビンの数が少なくなってしまいます。
すると身体に十分な酸素を運ぶことができなくなり、慢性的な酸素不足の状態になってしまいます。
これがいわゆる鉄欠乏性貧血です。
鉄欠乏性貧血になると疲れやすくなったり、めまいや頭痛が起こったり、動悸や息切れなどの症状が現れます。
そして鉄欠乏性貧血が長く続くと、口唇の端が切れやすくなったり、爪が薄くなって割れやすくなり、スプーンのように反ってしまうなど皮膚や粘膜にも症状が現れます。
鉄欠乏性貧血はとても多い貧血です。
貧血は色んな原因で起こりますが、鉄欠乏性貧血はその約8割を占めています。
鉄欠乏性貧血はゆっくり進行するため症状を自覚しにくい病です。
症状を体質のせいにしがちですが、症状を改善して初めて健康な身体を知ることもあります。
■鉄欠乏性貧血は女性が多い
実は女性の5人に1人が鉄欠乏性貧血予備軍とも言われています。
鉄分は汗や排泄物として毎日体外に排泄されています。
特に月経のある女性は、平均すると男性よりも多く鉄分を失いがちです。
そのため鉄分の少ない食生活が続くと、排泄される鉄分の方多くなるため鉄欠乏性貧血になりがちです。
■鉄欠乏性貧血チェック
・動悸や息切れがする(酸素不足)
・だるくて疲れやすい(酸素不足)
・顔色が悪い(酸素不足)
・めまいや頭痛がする(酸素不足)
・口の端が切れやすくなる(皮膚や粘膜)
・爪が薄くなり割れやすくなる(皮膚や粘膜)
・舌のブツブツが無くなり辛いものがしみる(皮膚や粘膜)
酸素不足で起こる症状と皮膚や粘膜の症状が合わせて現れる場合、鉄欠乏性貧血が疑がわれます。
■脳貧血
多くの人がフラフラする原因のほとんどは、一般的に脳貧血と言われている場合がほとんどです。
じっと立ち続けている時や立ち上がった時などにフラッとする症状の多くは脳貧血といいます。
脳貧血は主に自律神経の働きに問題があって起こる一過性の症状で、鉄欠乏性貧血とは全く別ものです。
血液の流れを調整している自律神経がうまく働かないことで、下半身にある血液を上半身に戻すことができないために脳への血流が低下し、
めまいや立ちくらみなどの症状が起こります。
朝礼で倒れる場合は脳貧血であるケースが多いです。
脳貧血は睡眠不足・過労・ストレスなどがあると起こりやすく、慢性的な肩こりや首こりも原因になると言われています。
脳貧血は安静にしていれば回復するのがほとんどです。
ただし、めまいや立ちくらみの頻度が多かったり、耳鳴りや頭痛を伴う場合は他の病気が原因になっていることもあるので、気になる人は耳鼻咽喉科や神経内科などの他の外来で相談してみましょう。
■低血圧と貧血
低血圧と貧血は直接は関係ありません。
鉄欠乏性貧血は血流に問題はありませんが、血液中の酸素が少ない状態です。
一方、脳貧血は血流に問題があって起こりますが、体質的な低血圧は関係していません。
ただし睡眠不足や過労がある場合、立ち上がった時などに血圧が一時的に下がることで脳貧血が起こることがあります。
また鉄欠乏性貧血はだるさや疲れが取れないという症状がある一方で、低血圧の人はストレスの影響を受けやすく疲れを溜め込みやすいということから朝が弱いという症状も見られます。
■2つの鉄、ヘモグロビン値とフェリチン値
実は体の中には2つの鉄があります。
1つはヘモグロビン鉄、もう一つは肝臓に蓄えられている貯蔵鉄(ちょぞうてつ)です。
例えば、ヘモグロビン鉄は財布の中にあるお金で、貯蔵鉄は貯金です。
血液中の鉄が減ってくるとヘモグロビン鉄を正常に保つために貯金を切り崩してヘモグロビンを作ります。
しかし貯蔵鉄も底をついてしまうとヘモグロビンが作れなくなり、ヘモグロビン値も低下してしまいます。
ヘモグロビン値が正常でもフェリチン値が低いと鉄欠乏性貧血予備軍といえます。
フェリチン値とは貯蔵鉄の割り合いが分かる値で、フェリチン値が低いということは貯蔵鉄が減っている状態になります。
ヘモグロビン値が低い鉄欠乏性貧血の人は、貯蔵鉄がほとんど無くなっている状態と言えます。
フェリチン値は一般的にヘモグロビン値が低い場合に調べる値です。
■2つの貧血
●鉄欠乏性貧血
・鉄分不足が原因
・身体が慢性的な酸素不足になる血液の病気
●脳貧血
・自律神経の乱れなどが原因
・脳への血流が低下することで起きる一過性の症状
■鉄欠乏性貧血の予防
バランスの良い食事を摂ることが鉄欠乏性貧血の予防になります。
鉄分が多くて吸収が良い食事を摂取すると良いです。
鉄分はレバーはもちろん普通の肉や魚からでも十分摂取できます。
ちなみにホウレンソウ等の野菜にも鉄分は含まれていますが、肉類から摂取した方が吸収しやすいそうです。
ビタミンCを一緒に摂ると鉄分を効果的に吸収できます。
■脳貧血対策
脳貧血は血液が重力で下に行き脳に届かないという状態のため、血液をポンプとして汲み上げる下半身の筋肉を柔軟にすることが有効です。
また肩こりや首こりをしっかりほぐしたり、寝不足や疲れを溜めないようにするなど精神的にリラックスすることも大切です。
貧血は自己判断せずに血液検査をし、鉄欠乏性貧血なのか脳貧血なのかを区別することが大切です。
■悪性貧血
悪性貧血はビタミンB12欠乏により起こります。
昔は原因が分からない貧血でしたが、現在はビタミンB12不足を補うことで治療します。