依存症について!アルコール依存症予防・回復!

依存症について!アルコール依存症予防・回復!アルコール依存症から回復するには、まず自分がアルコール依存症だと認め、断酒を続けることが回復する唯一の方法。休肝日を作る、適正飲酒。自助グループへの参加

■依存について
私達の脳の中には「報酬系」という神経の回路があります。
楽しい事や嬉しい事があると、報酬系の回路をドーパミンという神経伝達物質が走ります。
すると例えようのない快感を感じます。
例えば何か自分が好きなことをして「楽しい」と感じたとき、脳は「何か良いことが起きた」と判断しドーパミンニューロンという神経が興奮します。
その興奮が楽しさを伝える報酬系を通ってシナプスに伝わると、快楽物質であるドーパミンが放出されます。
そのドーパミンがレセプターという受け皿に結合することで心地よさがもたらされます。
つまり脳という土地に報酬系という線路が引かれていて、何か楽しいことをすると、その線路をドーパミンという乗り心地の良い快速列車がレセプターという駅に向かって走ります。
そのとき例えようもない快楽を感じます。
楽しいと感じた快楽の瞬間は、脳の海馬という場所に刻み込まれ記憶として残ります。
この記憶を元に、再び快楽を求めて行為を繰り返すことが「ハマる」ということになります。
報酬系という回路、つまり線路は同じですが、報酬系の線路の上を走る快速列車が人によって違います。
報酬系の上を走る快速列車の種類はハマるものによって人それぞれです。
私達は脳の中でそれぞれの体験に基づいた様々な快速列車を走らせています。
そしてその中でも特に楽しかった記憶の快速列車を何度も走らせています。

■ドーパミンの作用
ドーパミンにより例えようのない喜びといった心地よさを得ることができます。

■依存の種類
人がハマり、それ無しでは生きていられなくなる依存の種類は大きく分けて3つあります。
ある物質を摂取することで肉体的快楽を得る物質依存。
ある行為で得られる刺激を求めのめり込んでしまう行為依存。
人とのつながりを求めようとする関係依存。
行為や関係への依存は快楽を得るための労力が必要ですが、物質依存はある物質を摂取するだけで手軽に快楽を得られるため依存しやすい傾向があります。

●物質依存
アルコール、タバコ、食べ物、薬物
●行為依存
買い物、収集、仕事、携帯電話、ネットゲーム、ギャンブル
●関係依存
家族、恋愛、職場

■良い依存、悪い依存
誰もが何かに依存していると考えられ、実際に依存の度合いが進行してしまい依存症になる可能性があります。
依存というのは、私達が生まれつき持っている心の安心や肉体の満足を求める行為です。
自分自身の成長につながる満足感や達成感を得られているうちは良い依存と言えます。
しかし満足感を求めるために自分の意志がコントロールできなくなる程ある物や行為にのめり込み、人間関係や金銭面にまで支障をきたすようになると悪い依存ということになります。

■依存症危険度チェック
・目先のご褒美に弱い
・スリルを求めてしまう
・ストレス解消が下手だと思っている
・ふっ、と寂しさにおそわれることがある

この項目に当てはまる数が多いほど悪い依存に向かう危険性があります。
この項目で当てはまる数が多い人は、少しの努力で簡単に快楽を手に入れたい、または人一倍快楽を求める気持ちが強いので、快楽を得る方法を誤ると依存症へと進行してしまう恐れがあります。

■アルコール依存症、身体依存
依存症の中でもよく耳にするのがアルコール依存症です。
しかしアルコール依存症の人数は約80万人いると言われている中、治療を受けている患者数はわずか5万人程度しかいないそうです。
飲酒欲求をコントロールできなくなった状態をアルコール依存症といいます。
お酒を飲むとアルコールが脳を刺激し、ドーパミンなどの神経伝達物質を放出させ心地よくなります。
はじめは小量でも気持ちよく酔うことができますが、飲み続けていると脳がアルコールに慣れてきます。
すると今までの量では酔いを感じなくなるため、もっと多くのお酒が欲しくなります。
このような大量の飲酒が長く続くと、脳にアルコールが残っている時間が長くなります。
その結果アルコールがある状態が正常という構造に脳が変化してしまいます。
すると今度はお酒を飲まない時が正常な状態ではなくなるため脳が混乱し、震え・発汗・不眠・幻覚などの離脱症状が出てくるような状態になります。
不快な離脱症状はアルコールを飲めばおさまります。
このようにアルコール無しではいられない脳になった状態を「身体依存」といいます。

■アルコール依存症の危険性
アルコール依存症の恐ろしいところは、本人は気付いていないということです。
そのため健康を失っていくだけではなく、気付かないうちに大きなトラブルを起こしてしまう危険性もあります。

■アルコール依存症の対策
アルコール依存症から回復するには、まず自分がアルコール依存症だと認めることです。
脳はお酒を飲んだ時の快楽をいつまでも覚えています。
そのため一口でもお酒を飲むとかつての感覚を思い出し、再びアルコールなしではいられなくなってしまいます。
つまり断酒を続けることだけが、アルコール依存症から回復する唯一の方法になります。
アルコール依存症は、お酒を飲む人であれば誰でも発症する恐れがある病気です。
精神的な原因がアルコール依存症のきっけけになる場合もありますが、大量にお酒を飲める体質であればアルコール依存症へと進行する可能性があります。

●休肝日、適正飲酒
休肝日を作る、適正飲酒を心掛けるなど、飲酒をコントロールしていくことが予防となります。
本人が依存症という病気であると認め、回復していくという意志が必要です。

●自助グループへの参加
断酒会・AA(匿名断酒会)など 自助グループへの参加が有効な回復手段になります。