脂質異常症を改善!脂肪、コレステロール、中性脂肪、黄色腫、家族性高コレステロール血症。体内の悪い脂を改善するには、単に食事量を減らしてもダメ。問題のある脂肪の種類によって必要となる食事を変える必要があります
日本人の死因の1/3は動脈硬化。
動脈硬化の原因の中で一番問題になっているのが脂肪です。
内臓脂肪と皮下脂肪は同じ脂肪ですが、病気へのリスクはかなり異なっています。
内臓脂肪は、アディポサイトカインという血圧を上げたり、インスリンの効果をなくさせる悪い物質を多く出しています。
中性脂肪とは簡単に言うとエネルギーになる脂肪のことです。
内臓脂肪も皮下脂肪も中身は中性脂肪です。
■コレステロール
悪いイメージがあるコレステロールですが、実は細胞を作る大切な役割を持ち、ホルモンの材料にもなる体内にはなくてはならないものです。
体内の器に乗って移動するコレステロール。
同じコレステロールでも善玉のHDLという器に乗るか、悪玉のLDLの器に乗るかによっておおきく役割が変わります。
HDLは細胞で余分になったコレステロールを肝臓に戻す働きをします。
一方LDLはコレステロールを細胞に運ぶ役割を担っています。
LDLは増え過ぎると血管壁の内膜に沈着して動脈硬化の原因になり、心筋梗塞や脳硬塞になる確率が高くなってしまいます。
これがコレステロールが悪玉と言われるゆえんです。
しかしHDLコレステロール、つまり善玉コレステロールがあれば沈着した脂のコレステロールをはがし、動脈硬化の進行を食い止めることができます。
■中性脂肪
糖と脂肪酸の化合物が中性脂肪で糖由来のグリセロールに脂肪酸が結合したものです。
■脂質異常症チェック
空腹時採血で
悪玉(LDL)コレステロールが140mg/dl以上、
善玉(HDL)コレステロールが40mg/dl未満、
中性脂肪が150mg/dl以上
のいずれかになると脂質異常症ということになります。
■家族性高コレステロール血症
遺伝的にコレステロール値が高い体質のことで、500人に1人の割合。
■黄色腫(おうしょくしゅ)
黄色腫(おうしょくしゅ)とは脂質異常症の一つ。
増加した悪玉コレステロールが皮膚に沈着して出来るものです。
■脂質異常症を改善するために
体内の悪い脂を改善するには、単に食事量を減らしてもダメです。
問題のある脂肪の種類によって必要となる食事を変える必要があります。
肉・脂・コレステロール含有量の摂り過ぎが原因の一つ。
1日に必要なコレステロールの摂取量は200〜300gになります。
コレステロールは植物性食品には含まれません。
コレステロールが高い代表かくは卵です。
魚の卵も含まれます。
さらに魚は頭と内臓にコレステロールが多い。
青魚に含まれる脂肪酸(EPA・DHA)は中性脂肪を低下させ、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
肉の場合は内臓と皮にコレステロールが多く含まれています。
脂身の多い肉もコレステロールを増やします。
コレステロール含有量の多い食品は1日1品が目安となります。
食物繊維(水溶性)には脂肪の吸収を抑制し、悪玉コレステロールを低下させる働きがあります。
悪玉コレステロールが気になる人は動物性脂(飽和脂肪酸)は控え、植物性油(リノール酸)を摂りましょう。
同じ脂の量ならば、脂身の多い肉より脂身の少ない肉を植物油で調理した方が良いです。
スナックや洋菓子には動物性脂が多く使用されているので要注意。
■糖質と中性脂肪
内臓脂肪の多い人、中性脂肪の高い人、善玉コレステロールが低い人は糖質(炭水化物)の摂り過ぎに注意が必要です。
脂質よりもむしろ糖質(炭水化物)が脂肪になりやすいと言われています。
ご飯や麺類に多く含まれる炭水化物は総カロリー量の半分が目安になります。
お酒の糖質が中性脂肪になりやすい人もいるので注意が必要です。
脂質異常症を改善するには運動も大切。
1日1万歩を目標に歩きましょう。
運動・食事療法だけでは改善しない脂質異常症もあるので、検査後、投薬等の適切な治療を受けることも大切です。