手の震え!本態性振戦・脳硬塞・パーキンソン病!

手の震え!本態性振戦の場合は何かしようとすると手の震えが起こり、緊張すると手の震えが強くなる、脳硬塞の場合は突然に出て、短時間で消える手の震え、パーキンソン病の場合は手の力を抜いた状態でも手の震えが出る

■手の震え
私達の手は常に小さく震えています。
手は「上げる」「下げる」の2種類の筋肉が働きます。
手を一定の位置で停止しようとした時、持ち上げようとしても行き過ぎるので下げようとしますが、また下げ過ぎを戻そうとします。
このように上げる下げるを繰り返して調整しているため、手は見た目では分からないほど常に小さく震えている状態になっています。

■震えを引き起こす病
・脳硬塞
・脳出血
・肝機能障害
・腎機能障害
・更年期障害
・パーキンソン病
・甲状腺機能亢進症など

■本態性振戦(ほんたいせいしんせん)による手の震え
何かしようとすると手の震えが起こり、緊張すると手の震えが強くなる場合は本態性振戦(ほんたいせいしんせん)と呼ばれることが多く、薬で症状を軽く出来る場合がります。
本態性とは「本来のありさまであるところの」という意味で「震えている」ということになり、振戦とは「規則的な震え」になります。
本態性振戦は「震えている震え」ということで、つまりは原因不明の震えということになるそうです。

■自律神経と手の震え
自律神経は緊急事態に備えて筋肉を興奮させる仕組みを持っています。
異変に気付いて、いざというときに備えるために筋肉の活動を活発にしてくれます。
自律神経に何らかの異常が起こると、脳が「何とかしなくては」と思はなくても、手を使って何かをしようとするだけで活発化する物質が出てしまいます。
そしてそうなってから「何とかしなければ」と思うために物質がまた出てますます筋肉細胞が興奮して「手の震えを止めないと」思います。
するとまたこの物質が出てどんどん手の震えが大きくなってしまいます。
本態性振戦(ほんたいせいしんせん)という病名の患者さんの3分の2ぐらいの人が、こうしたメカニズムで起きています。

■本態性振戦の対策
●ベータ遮断薬

ベータ遮断薬には副作用があり、心臓に影響するので循環器系の疾患のある人には使いにくくなります。
そういう人には軽い精神安定剤など、他の薬を使うこともあります。

●周囲の理解
本態性振戦の患者さんがいた時に気にしないようにするなどの配慮をするだけでも症状の軽減につながるそうです。

■脳硬塞(のうこうそく)の前ぶれによる手の震え
突然に出て、短時間で消える手の震えは脳硬塞の前ぶれの可能性があります。
力が抜ける、めまい、しびれる感じがともなう場合は特に要注意です。
普段から高血圧・高血糖の人が手の震えなどの症状が出たら速やかに病院に行きましょう。

■パーキンソン病による手の震え
手の力を抜いた状態でも手の震えが出たらパーキンソン病が疑われます。

■パーキンソン病の見分け方
・力を抜いても震える
・動作が遅くなる
・2つの動作を同時に出来なくなる
・声が小さくなる
・表情の変化が少なくなる