静脈について!下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)イボ痔!

静脈について!下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)イボ痔!静脈弁は弾力繊維という組織で出来ています。加齢でもろくなってくると静脈弁が壊れやすくなり逆流が起こりやすくなり、足に様々な影響が出てきます

■静脈(じょうみゃく)について
そもそも静脈(じょうみゃく)とは、身体中に張り巡らされ心臓に血液を戻す役割をもっています。
全身の静脈(じょうみゃく)の長さを合わせると、何と地球1周分の長さ(約5万km)になると言われています。
静脈(じょうみゃく)の形は楕円形(だえんけい)をしていて、壁の厚さも動脈に比べて薄くなっています。
また身体の表面に近いところにあり、目で見えるのが特徴です。
そのため注射器で血が抜かれるのはほとんど場合静脈(じょうみゃく)からになります。

■なぜ静脈は青く見えるのか?
動脈の血液は血中に酸素が多いため赤色ですが、静脈の血液は酸素が少ないために黒っぽく見えます。
静脈の赤黒い色を皮膚のメラニン色素を通して見ると、光の関係で青の光だけが反射するため青く見えるのだそうです。

■血液が静脈から心臓に戻っていくシステム
静脈の弁により血液が逆流せず、また呼吸・筋肉の作用により静脈から心臓に戻っていくと考えられています。
動脈と静脈の一番の違いは、逆流を防ぐ弁が静脈にはあるということです。
ふくらはぎや太ももの筋肉の収縮によって血液を心臓に戻しています。
息を吸うと横隔膜が下がり静脈が圧迫され、反対に息を吐くと横隔膜が上がり静脈が広がります。
この縮む広がるを繰り返す反動で血液が心臓に戻ってきます。

■イボ痔も静脈の病気
イボ痔は、肛門の周囲の静脈の流れが悪くなり、血液が固まりやすく炎症が起きやすくなるため引き起こされると考えられています。

■静脈認証システムについて
静脈認証システムとは、銀行や公的機関でも採用されている防犯システムです。
指の静脈は1人1人の違いがはっきりしているためとても精度が高く、間違いが起こりにくいと言われています。
指の下にはたくさんの細い静脈が通っています。
それを近赤外光という特殊な光を当てて静脈を見えやすくカメラで指の中を走る静脈の形を認識します。
指紋や顔の認証に比べて正確で虹彩認証(さいこうにんしょう)システムと並んで現在最も精度が高いシステムと考えられています。

■下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは、足の静脈の弁が壊れて血液が逆流し静脈を膨らませ、皮膚の表面を盛り上げてしまう病です。
病状の進行が遅く自覚症状があまりないため、病気と認識している人があまりいません。
症状としては足がむくんだり、足がだるくなるといった症状が見られます。
また血液の流れが悪くなるため足のケガが治りにくくなったり、ひどい場合は潰瘍が出来ることもあるそうです。
さらに血液がうまく循環しないことで血の固まりである血栓も出来易くなってしまうこともあります。

■下肢静脈瘤にかかりやすい人
●妊婦

妊娠すると女性ホルモンの影響で静脈壁が柔らかくなってしまいます。
またお腹が大きくなることで静脈が圧迫されて弁が壊れやすくなり、血管が膨らみやすくなってしまうそうです。
●立ち仕事の人
立ち仕事の人は血液を押し上げる働きのあるふくらはぎの筋肉のポンプがあまり働かないため、静脈内に血液が溜まってしまい弁に負担がかかりやすくなってしまいます。

■エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)
エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)とは、足に出来た血栓が肺に詰まり、呼吸困難や肺痛を引き起こします病です。

■静脈弁が壊れるのは
静脈弁は弾力繊維という組織で出来ています。
これが加齢でもろくなってくると静脈弁が壊れやすくなり逆流が起こりやすくなってしまいます。
30歳以上の6割がかかっているという研究もあるそうです。

■足の付け根の静脈弁が壊れやすい
足の付け根の静脈弁というのは、太い血管の合流地点であり圧力や重力の影響を受けやすいため弁が壊れやすい場所になります。

■弾性ストッキングで予防
予防法としては弾性ストッキングという弾性力のある少し長めの靴下をはくということになります。
弾性ストッキングは、かかとから絞めつけを段階的に緩くしていき、血流を良くして血液の流れをサポートしてくれます。

■下肢静脈瘤手術
逆流している血管を足の付け根からヒザの下あたりまで抜いてしまう手術法です。
弁が壊れた静脈を1本抜いても、他の静脈がカバーしてくれるので大丈夫だそうです。

■レーザー手術
レーザー手術は、下肢静脈瘤専門の血管外科やクリニックで行います。
傷跡が残りにくく、手術後のダメージが少ないという利点があります。