肝臓!ウイルス性肝炎・胆石。肝臓は機能を補う予備能力と自己修復する再生能力により異常が起きても自覚症状が出ず、気付いたときには病状が進行。ウイルス性肝炎は検査により分かり、適切な治療・検査で病気の進行予防
■肝臓の主な機能
●解毒作用
有害物質を無毒化する
●脂質・炭水化物などの代謝機能
栄養素を身体に必要な物質に変える
●胆汁の生成分泌
脂肪消化に必要な胆汁を分泌
●栄養の貯蔵
エネルギーやビタミンなどを貯える
■肝臓の予備能力・再生能力
肝臓は成人で重さ約1.5kg、大きさは拳2つ分と人体最大の臓器とも言われ、その細胞数は2,500億個以上にものぼると言われています。
肝臓はもともと全細胞の80%が機能を失っても、残り20%の細胞で本来の機能を補う予備能力を持っています。
さらに細胞が破壊された際には、トカゲのしっぽのように自己修復する再生能力も持ちあわせています。
ところがその2つの機能を持つが故に異常が起きても自覚症状が出ず、気付いたときには病状が進行しているということもあります。
これが肝臓が沈黙の臓器と言われるゆえんです。
実際、肝臓の異常を健康診断で知ったという人が多くいます。
■肝臓のコレステロール胆石
コレステロール胆石とは、肝臓で作られるコレステロールの胆汁中への溶解が悪くなってできるものです。
胆石はコレステロールが主な原因。
肝臓で作られる胆汁中のコレステロール濃度が高まると、コレステロールの結晶が出来やすくなります。
胆石が動くと激痛を感じる人がいる一方、症状がなく気付かない人も多くいます。
■血液検査
GOT(AST)、GPT(ALT)の数値に注意が必要。
これは細胞の中にある酵素の種類で、肝細胞が壊れると血液中の酵素が流れ込み濃度が増すことから、その数値を調べることで異常があるかどうかが分かります。
■非アルコール性脂肪性肝炎
高カロリーな食事は、食後の血糖値を急激に上昇させ脂肪肝の原因になります。
この状態が続くと、お酒を飲まなくても肝臓の負担が増え、脂肪性肝炎を生むと言われています。
■ウイルス性肝炎
肝臓はウイルスに感染すると、免疫の働きによってウイルスを攻撃し肝臓を守ろうとします。
ところがこのとき細胞自体も傷付け炎症を起こしてしまうのがウイルス性肝炎です。
アルコールが引き起こすと思われがちな肝臓病ですが、実は肝臓病の原因の80%はウイルスが原因で引き起こされています。
肝炎にかかった肝臓は再生能力によって壊された細胞を修復しますが、この修復行為を繰り返すうちに細胞のまわりが繊維化されて硬くなり、肝硬変へと移行してしまいます。
そのまま気付かずに治療を怠ると、最終的には肝ガンになる危険性があります。
肝炎はウイルスに感染してから発症するまでの期間が長く、20年30年という期間を経て発症するそうです。
ウイルス性肝炎に気付かないでいる人も潜在的に多くいます。
日本におけるB型・C型肝炎に感染している患者数は推定300万人とも言われています。
B型肝炎の場合は母子感染・血液感染・性行為などにより感染することがあります。
A型は飲食物、B型・C型は血液感染に注意しましょう。
またC型は感染率が低い一方、慢性化しやすいという特徴があります。
ウイルス性肝炎は、肝炎ウイルス検査・血液検査で分かるそうです。
感染が分かっても適切な治療・検査で病気の進行を予防できます。