転倒・骨折の予防!年を取ると反応時間という敏捷性は悪くなっていき、脳や神経での処理項目が増えてしまうと反応速度が遅くなります。反応速度は練習で速くなり、改善することも可能です。転倒危険病●腰痛・骨粗しょう症●首の痛み・手足のしびれ●ヒザ痛
いま年間およそ15万人の人が大腿骨骨折(だいたいこつこっせつ)をしていて、その数はこの20年でおよそ3倍にも増えているそうです。
転倒骨折とひとことで言っても、実は様々な要素が重なりあって起こっています。
転倒によって体が受ける衝撃は、転び方によってまるで違います。
例えば滑って転ぶのと、足を踏み外して転ぶのでは大違いです。
横か斜後ろ方向に転ぶと、大腿骨骨折の危険が高くなると言われています。
■年を取ると反応速度が遅くなる
年を取ると反応時間という敏捷性は悪くなっていくと考えられます。
熟年の方の場合、脳や神経での処理項目が増えてしまうと反応速度が遅くなってしまいます。
年を取ると予期できる事だと若者と変わらないくらいの反応できるので、とっさの反応速度が遅くなっていることに気付いていないことが多くあります。
反応速度は練習で速くなり、改善することも可能です。
■メカノレセプターと転倒骨折
目をつぶっているにもかかわらず自分の手を合わせたり、わざとはずしたりする能力は誰にでも備わっています。
この機能は手足の目と呼ばれるメカノレセプターが働いているからです。
メカノレセプターは手足が動くときに、その自分の位置や動きの情報を常に脳に送っています。
そのおかげで脳は自分の手足がどれくらいの速さで動いていて、どこまで上がっているのか正確に把握することができます。
メカノレセプターは全身の筋肉や関節にあります。
■変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)と転倒骨折
変形性膝関節症の患者数はおよそ2500万人。
変形性膝関節症は軟骨がすり減ってくる病気ですが、知らないうちに始まっていることが恐い点です。
この変形性膝関節症になるとメカノレセプターの機能が低下しズレが生じてしまいます。
このズレのために転倒骨折の危険性が大きく高まってしまいます。
■転倒危険病
●腰痛・骨粗しょう症
腰痛・骨粗しょう症になってくると、重心の位置が不安定になり転倒・骨折の要因になります。
●首の痛み・手足のしびれ
神経の障害からくる首の痛みや手足のしびれだと、足の運びが悪くなり転倒・骨折の要因になります。
●ヒザ痛
■ロコモティブシンドローム(運動器症候群)と転倒骨折
転倒骨折につながる様々な症状をロコモティブシンドローム(運動器症候群)と呼ばれています。
ヒザ痛などの治療を行い痛みを取っても、メカノレセプターの機能は回復しないので、個々の治療と同時に転倒しないような全体的な対処法というものを、一緒に考えることが大切です。
●ロコモティブシンドロームの目安
知らないうちに始まっているので、日常生活の中で気付くことが大切です。
この項目はテストではありません。
・座って靴下を履くようになった
・家の中でよくつまずく
・手すりなしで階段を上がれない
■片足立ち(転倒骨折の予防方)
片足立ちを1日3回1分間ずつ行います
身体を少し不安定な状態にして、手足や脳に身体を支え方を覚えさせます
■簡単太極拳(転倒骨折の予防方)
イスの浅く腰かけます
背もたれから背中を離して、足を肩幅に開きます
手はゆったりと横に
軽く息を吸って、息を吐きながら肩を落とすようにして、手を前に伸ばします
息を吸いながら、へそを前に出すように胸を張り体を起こします
体をぐしゃっとつぶすように手を下に
そして手の指先を床に付け、足の指に力を入れ
体を倒したまま手をできるだけ前に伸ばします
手の平を返して、体を起こしながら手を軽くにぎって脇腹にもってきます
右拳を前に突き出し、左のヒジを引きながら後ろを見ます
ゆっくり戻します
こんどは左拳を前に突き出し、右のヒジを引きながら後ろを見ます
イスにつかまり立ちして立ちます
右の足を前にかかとを前に出し、沈み込んでいきます
重心を右足に移しながら、両手を下から上に伸ばします
手をゆったりと横から下ろして、左の足に重心を戻します
腰をストンと落とし、そしてイスにつかまります
左の足1本でじわじわと立ち上がりながら、右のヒザを引き上げていき、かかとで前に蹴り出します、手はゆったりと横です
このときヒザを伸ばし、つま先に自分の方に向けます
ゆっくりおろします
左右同様に行います
短くても楽しみながら毎日継続することが大切です