耳と音について!ダンス細胞・外有毛細胞、カクテルパーティ効果、音韻修復効果!

耳と音について!ダンス細胞・外有毛細胞、カクテルパーティ効果、音韻修復効果。ダンス細胞は老化により剥がれ落ちていき、一度損なわれると再生しません。大音量の音をヘッドホンなどで長時間聴くときは注意が必要です

■耳と音について
人間の耳は、まず外から入ってくる音の振動を鼓膜で感じ取ります。
そしてその振動は耳小骨(じしょうこつ)と呼ばれる部分で増幅され、耳の奥の内耳(ないじ)へ送られます。
内耳(ないじ)には過牛(かぎゅう)というカタツムリのような形をした器官があり、振動はここで電気信号に変えられ脳に伝わります。
その際重要なカギをにぎるのが外有毛細胞(がいゆうもうさいぼう)です。
過牛(かぎゅう)の中を覗くと、ダンス細胞は高音から低温に反応するものへと順序よく配列されています。
まるで木琴のようになっています。

■ダンス細胞・外有毛細胞(がいゆうもうさいぼう)
外有毛細胞(がいゆうもうさいぼう)とは音に反応して伸縮運動をし、振動を増幅させる細胞のことです。
まるで踊るように動くことからダンス細胞とも呼ばれています。

■無音のときに「シーン」というような音がするのはなぜか?
実は音がしていなくてもダンス細胞は少しだけ動いています。
音が入ってきたときにすぐ反応できるような準備状態になっています。
つまり「シーン」というのは、音をキャッチするためにスタンバイするダンス細胞の音と考えられます。

■電車の車掌はなぜ鼻声?
あるメーカーの研究では、人間の耳は高い周波数の音を聞き取りやすく、その範囲は2〜4キロヘルツになり、鼻声で話すとちょうどその周波数の音が強調されるそうです。
しかも鼻声は走る電車内ではより効果的になるそうです。
走行中の電車の中は低い周波数の雑音が響いています。
そんな中では低い声よりも高い声の方が聞き取りやすくなります。

■耳の老化とダンス細胞
ダンス細胞は老化により剥がれ落ちていき、ダンス細胞は一度損なわれると再生しません。
大音量の音をヘッドホンなどで長時間聴くと大きなダメージを与えてしまうので注意が必要です。
聴力は内耳(ないじ)にあるダンス細胞がはがれ落ちることで低下していきます。
このときまずはがれていくのは高い音に反応するダンス細胞です。
そのため年をとると低い音は聞こえても高い音が聞こえずらくなってしまいます。
つまり人は誰でも年を重ねるにつれて低い音だけよく聞こえる状態になってしまいます。

■カクテルパーティ効果
カクテルパーティ効果とは、雑音や会話が飛び交う中でも意識を集中させると聞こえる他人の声のことをいいます。
これは耳からの情報を脳に伝達するさい、自分の聞き取りたい音を選択処理をする能力が備わっているためです。
カクテルパーティ効果は耳からだけではなく視覚も重要で、相手が何を言っているか口元を見ることでさらにカクテルパーティ効果の効果が上がります。

■音韻修復効果(おんいんしゅうふくこうか)
音韻修復効果(おんいんしゅうふくこうか)とは、文章の空白部分にノイズを足すと聞き取りやすくなる効果です。
人間の脳は耳や目から入ってきた情報の一部が欠けていると、それをバラバラの音や形としてとらえてしまいます。
しかし欠けた部分にノイズが入ると一つのつながったものと認識し、隠れた部分を推測し修復しょうとします。