非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)はストレスが影響して脳が誤作動を起こし、通常なら痛みを感じない小さな腰の痛みを強い痛みとして感じてしまうため起きます!リエンゾ治療は整形外科と心身医療科が連携し治療、認知行動療法は物事の受け止め方を変え心理的ストレスを軽減する治療法
■非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)について
非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)とは、腰そのものの検査をしても肉体的には痛みの原因が特定できない腰痛のことです。
病院を訪れる患者の85%がこの腰痛であると言われています。
そもそも腰痛は過度な運動や仕事による負荷、さらに加齢、喫煙などの要因が複雑に絡んで起こるものです。
しかし近年研究が世界中で進み、それが明らかになってきました。
その大きな原因の一つが「ストレス」です。
これまで原因不明と言われてきた腰痛の多くに精神的な問題が深く関わっていることが分かってきました。
■ストレスが腰痛の原因になるのはなぜか
もともと私達が痛みを感じるのは脳の働きによります。
腰など身体の一部に何らかの異常が起きると、それが神経を通じ脳に伝わり脳が異常が起きたことを「痛み」として認識します。
このメカニズムを支えているのが、脳の中で情報をやり取りする神経伝達物質です。
ところがストレスを感じ続けると神経伝達物質の分泌に異常が生じ、身体と脳の間で情報が正確に伝わらなくなってしまいます。
その結果脳が誤作動を起こし、通常なら痛みを感じない小さな腰の痛みを強い痛みとして感じてしまうとされています。
この病の恐い点は、痛みを気にするあまり自分でストレスを増幅させてしまうことです。
腰痛が腰痛をよぶ、魔の腰痛スパイラルに落ち入ってしまうこともあります。
非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)は誰もが落ち入ってしまうわけでもなく、真面目・几帳面・頑張り屋などの性格が大きく関わると言われています。
ストレスによる腰痛は日常のちょっとしたことで大きく改善することがあります。
■ストレスチェック問診!非特異的腰痛チェック
ここ1ヶ月の状態で該当するものを選びます。
いいえ:1点 時々:2点 ほとんどいつも:3点
1:突然泣きたくなったり、泣いたりすることがある
2:訳も無くいつもみじめで気持ちが浮かない
3:いつも緊張してイライラしている
4:ちょっとしたことがしゃくにさわって腹が立つ
5:食欲は普通
6:1日の中では朝方が一番気分が良い
7:何となく疲れる
8:いつもと変わり無く仕事がやれる
9:睡眠に満足できる
10:痛み以外の理由で寝つきが悪い
15点以上だとストレスが腰痛に影響している(非特異的腰痛の)可能性があります。
■非特異的腰痛対処法
●神経ブロック注射
神経ブロック注射を行い、脳の異常が腰痛に伝わらないようにします。
●ストレスをためないようにする(リエンゾ治療、認知行動療法)
何か趣味を持ったり、興味のあることを行うなどしてストレスをためないようにすます。
ペットなどを飼い、腰痛が改善した人もいるそうです。
ストレスが軽減されると脳が機能を回復し痛みを過剰に感じなくなります。
■リエンゾ治療(非特異的腰痛治療法)
リエンゾとはフランス語で連携を意味します。
リエンゾ治療とは、整形外科と心身医療科が連携し身体と心の両面から腰痛を治す治療法です。
整形外科では痛みを和らげたり、リハビリ療法で筋力の回復を図っていきます。
一方、心身医療科では腰痛の原因であるストレスを軽減するために「認知行動療法」などの心理療法を行います。
■認知行動療法により腰痛(非特異的腰痛)改善
認知行動療法とは、物事の受け止め方「認知」を変えることで対処の仕方や行動を変え、心理的ストレスを軽減する治療法です。
認知行動療法を行う上で大切なことは、患者さんが物事に対しどのような受け止め方のクセや特徴があるかを、本人がよく振り返って分析し自覚する事がとても大事になります。
例としては、心理学等の本を読み自分に当てはまる事や共感した事を紙に抜き書きします。
そこから本人のクセや特徴をつかみ治療を行っていきます。
ストレスを感じ易い人は物事をネガティブに受け止める傾向があります。
認知行動療法では、自分がいかにネガティブな受け止め方をしているかを自覚することが重要になります。
物事の受け止め方は、ある意味長年の「考え方のクセ」になります。
クセということであれば治す事は可能であり、物事の受け止め方を意識して変えることが大切になってきます。
実際に腰痛がある人は腰痛にとらわれるのではなく、痛いのだけれども「こういうことは出来る」「痛いから今は休もう」などメリハリを付けて自分の出来る範囲のことを少しずつやっていくことが大切です。
そして日々腰痛に対する受け止め方(考え方のクセ)を治していけば、気が付いた時はストレスによる腰痛が改善に繋がっていくと考えられます。
事例で学ぶ認知行動療法
認知療法・認知行動療法カウンセリング
認知行動療法トレーニングブック