鼻づまり解消法!鼻毛と線毛の働き!鼻毛はホコリや花粉などの異物が体内に入るのを防ぎ、鼻の粘膜全体にある線毛(せんもう)で異物をノドまで運び排出。鼻の中の湿度と温度が重要。には鼻うがいも効果的
■鼻毛と腺毛(せんもう)の健康機能
鼻には2種類の毛があります。
1つは鼻毛で、鼻毛はホコリや花粉などの異物が体内に入るのを防ぐ働きがあります。
もう一つは鼻毛の奥にある線毛(せんもう)です。
線毛(せんもう)は鼻の粘膜全体にあり、ムチのようにしなやかに動いています。
鼻毛のブロックをくぐり抜けた細菌やウイルスなどの異物は粘膜に付着しようとします。
線毛は、放っておくと病気の原因となるそれらの細菌やウイルスの異物をノドまで運びます。
また気管にある線毛は、鼻と逆向きに運動することで異物がノドに集まるようになっています。
そして細菌やウイルスなどの異物は口から体の外へ排出されます。
こうした排出機能により線毛が私達の健康を保ってくれています。
■鼻の湿度と温度
空気が鼻から肺に入るとき、わずかな間で湿度70%・湿度32℃程の空気になります。
空気が鼻を通過する時間はわずか0.1秒程。
鼻はその一瞬の間に、冷たい空気をおよそ32℃まで暖めることが出来ます。
また2種類の毛が空気中の異物をおよそ7割ほども取り除いてくれるため、私達は安心して呼吸ができます。
■冬に鼻の調子が悪くなるのは線毛の機能が下がってくるため
冬になって湿度が下がってくると異物の排出機能が下がり、カゼの菌やウイルスが定着しやすくなる可能性があります。
気温が下がって運動機能が低下すると、異物を運ぶ速度が極端に遅くなり異物を排出できなくなります。
すると細菌やウイルスが粘膜に定着してしまい、さらに増殖して炎症を起こしてしまう危険性が高くなります。
結果、カゼやインフルエンザを発症してしまいます。
ちなみに線毛は細胞なので、寒いよりは暖かい方がよく働きます。
湿度が下がると更に線毛機能が低下し病気に感染しやすくなります。
■マスクで線毛機能アップ
線毛運動を助ける最も有効的な方法はマスクをすることです。
マスクをすると鼻の湿度と温度を保つことができます。
また室内では加湿器などを使い50〜60%の湿度を保ち、線毛が働きやすい環境を作ると効果的です。
■鼻うがいについて
鼻うがいそのものは余分な異物を排出するのでとても有効な手段です。
ただ鼻の中に水が残った状態で鼻を強くかむと、耳に水が入ってしまい中耳炎を起こす可能性があります。
またカゼを引いているときに鼻うがいを行うと、カゼの菌を含んだ水を鼻に押し込めるので中耳炎になる可能性があります。
鼻うがいは方法を間違うと身体に悪影響を及ぼす場合があります。
鼻うがいは市販のものを使うか、医師の指導のもと行うようにしましょう。
■鼻づまり
鼻の中は鼻甲介(びこうかい)という部分があり、中は毛細血管がたくさんあります。
何かの刺激が加わるとすぐに充血して膨らんだ状態になり、鼻の中の体積が狭くなり鼻づまりとなります。
■ペットボトル鼻づまり解消法
中身の入った500mlのペットボトル(空気を入れた物)を、詰まった鼻と反対側の脇の下に挟み締めつけます。
体の機能を調整する自律神経には、交感神経と副交感神経の2つあります。
交感神経は血管収縮を、副交感神経は血管拡張などを司っています。
ある研究では、体の側面を圧迫することで、その反対側の交感神経が刺激され発汗が促されるということが分かっているそうです。
その応用がペットボトル鼻づまり解消法になります。
右の脇を圧迫すると左側の交感神経が刺激され鼻甲介の血管が収縮し腫れがおさまり、一時的に鼻づまりが解消されます。
ただし効果には個人差があり、重度のアレルギーを持っている人、自律神経の病気がある人、鼻の中心の敷居(鼻中隔)が極端に曲がっている人には効果が出にくいそうです。