脂肪肝(しぼうかん)と肝臓について!限界に達するまで症状が出ないということが肝臓の特徴です。脂肪肝にならないためには生活習慣を見直すことが大切です。まずエコー検査でチェックを行うことも大切です。
■肝臓と脂肪肝
脂肪肝(しぼうかん)が軽視されてしまう最大の理由は自覚症状が全くないことです。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるほど我慢強い臓器。
肝臓は予備細胞が多く再生能力が高いため、多少ダメージを受けても自分の力で修復しながら黙々と働き続けてくれています。
つまり限界に達するまで症状が出ないということが肝臓の特徴です。
そのため繰り返しダメージを受けているうちに何時の間にか脂肪肝が肝硬変などの深刻な病気に進行していることも多くあります。
そのため脂肪肝の段階でしっかりケアすることが大切です。
脂肪肝の段階では食生活を改善することで回復に向かうことが可能です。
また筋肉量が少ないとエネルギー代謝が悪く脂肪が溜まりやすい。
筋肉を維持するためにタンパク質、特に分岐鎖アミノ酸(BCAA)をしっかりとって運動をしたり、筋肉維持を行うことで脂肪肝の予防になります。
脂肪肝にならないためには生活習慣を見直すことが大切です。
まずエコー検査でチェックを行うことも大切です。
■肝臓の働き
肝臓の主な働きは代謝・解毒・胆汁の分泌の3つになります。
栄養素を体に必要な形に変え貯蔵しておく代謝、アルコールなど有害物質を分解し排出する解毒、そして解毒した物質や脂肪の消化に欠かせない胆汁を分泌するという働きが肝臓にあります。
■脂肪肝はエコー検査でチェック
脂肪肝になると肝臓の細胞の中に脂肪がどんどん溜まってきて、働くところをどんどん縮めていってしまいます。
だいたい肝臓の30%以上の脂肪が溜まると脂肪肝という状態になります。
脂肪肝はエコー(超音波)検査で確認できます。
脂肪肝のときに肝臓をエコー検査で見ると全体が白く光って写ります。
脂肪肝になる一番の原因はアルコールです。
修復しようとして細胞の中から、r-GTPをはじめとする酵素が出てきます。
血液中にGOT(AST)・GPT(ALT)・r-GTPなどの数値が上がるのは細胞が壊れた証拠です。
■飲酒の肝臓への影響
通常私達がお酒を飲んだとき、肝臓はアルコールの解毒作業に最優先で取り掛かります。
しかし大量のアルコールを長期にわたって飲み続けていると肝細胞が傷ついて代謝能力が落ちてしまいます。
すると脂肪の代謝にまで手が回らなくなり、肝臓に中性脂肪がどんどん溜まってしまいます。
これがお酒を飲み続けると脂肪肝になってしまう理由です。
肝臓の中でアルコールが無毒化されていく過程で、一度強烈な毒素に変わってしまいます。
それがアセトアルデヒドです。
アセトアルデヒドは動悸がしたり、赤くなったり、頭痛がしたりするなどの原因になります。
肝臓はダメージと再生を繰り返すことでやがて衰えていきます。
脂肪肝は進行する病気であり、気付かないうちに深刻な状況になってしまうことがあります。
■1日の適正飲酒量
厚生労働省が推奨する1日の適正飲酒量はアルコール20gが目安です。
適正量以上の継続飲酒量は、様々な病気の疾病率が高くなります。
休肝日は1週間に2日ですが、適正飲酒量の20g以内なら毎日飲んでもよいそうです。
肝臓がアルコールを解毒する時間は、日本酒1合で約3時間かかるそうです。
日本酒:1合
中ビン:1本
ワイングラス:2杯
水割りダブル:1杯
お湯割り:1杯
■ごはんだけでおかずを食べないと脂肪肝になる
おかずを取らずにごはんだけで済ませていると極端なタンパク質不足を起こすことがあります。
栄養は肝臓でエネルギーに変えられて全身に運ばれますが、そのとき中性脂肪はタンパク質と結びついて血液中に流れていきます。
しかしタンパク質が足りないと中性脂肪を運ぶことが出来ないため肝臓に脂肪が溜まり脂肪肝になってしまいます。
脂肪肝の予防にはバランスのよい食生活が重要です。
■果物を夜摂り続けていると脂肪肝になる
ビタミンなどの栄養が豊富な果物ですが、実は果物の果糖は吸収されやすく中性脂肪になりやすい傾向があります。
その糖分はミカン1個なら砂糖小さじ13杯分、リンゴ1個なら小さじ10杯分にもなります。
果糖の取り過ぎは肝臓に中性脂肪が溜まる原因にもなります。
いくら体にいい食べ物でも食べ過ぎれば脂肪肝になってしまいます。
果物は夜ではなく朝食べるとよいです。
■体脂肪率
体脂肪率が低い場合は、皮下や内臓に新しく脂肪を溜める余裕があります。
しかし体脂肪率が高い場合は、脂肪を溜めるべき場所に余裕がありません。
そのため行き場を無くした脂肪は肝臓の細胞に溜まってしまいます。
■隠れ肥満は脂肪肝になりやすい
お腹が出ていなくても隠れ肥満の人は脂肪肝になってしまう可能性が高い。