大腸ガンの早期発見・予防・治療方法(腺腫、食物繊維)!

大腸ガンの早期発見・予防・治療方法(腺腫、食物繊維)大腸ガンの予防のためには、運動や食生活から内臓脂肪を減らすことが大切です。大腸ガンの早期発見のためにも早めの検査が大切。内視鏡検査は発見大です。

■大腸について
小腸の出口から肛門までをつなぐ大腸。
その長さはおよそ1.5mにもなります。
大腸は収縮を繰り返しながら、消化物から水分を吸収し肛門まで運んでくれます。
この収縮が強すぎたり弱すぎたりすると消化物がうまく進まず便秘を引き起こしてしまいます。
大腸にはたくさんの腸内細菌がすんでいます。
中には私達が肉や脂肪を食べた際に発ガン物質を作り出すなどの悪さをする悪玉菌と呼ばれるものもいます。
一方で、腸内細菌には善玉菌と呼ばれるものもいて、私達の身体に役立つ様々な働きをしてくれています。

■腸内細菌の働き
・コレステロール値を下げる
・ビタミンを作る
・免疫力を高める等

ガンは身体の中の色々な所に出来ます。
しかし臓器の中ではほとんどガンにならない場所もあります。
一つは心臓で、もう一つは小腸になります。
小腸はほとんどガンになりません。
小腸は大腸に比べ腸内細菌の数が少なく、そのことがガンになりにくい理由の一つとされています。

■安全なポリープ、危険なポリープ
食べ物の通る場所は消化物がぶつかって壁が傷付いてしまうことがあります。
その際、傷付いた壁を修復してくれますが、がんばりすぎて出っ張った形に修復してしまうことがあります。
これが安全なポリープです。
危険なポリープは大腸腺腫(だいちょうせんしゅ)と呼ばれ、出っ張った部分が正常な状態でなくなっています。
しかもあるきっかけでガン細胞に変身してしまいます。

■大腸腺腫(だいちょうせんしゅ)
大腸の壁の表面を拡大して見てみると、小さな穴がたくさん空いています。
この穴は水分を吸収するばどの様々な働きをしています。
上皮細胞は穴の底の方で生まれ次々と上にのぼってきます。
一番上まで行くとはがれ落ちます。
こうすることで大腸の表面をいつもきれいな状態に保っています。
ところが肉や脂肪ばかりの食事を続けていると、肉や脂肪を身体の中で消化するときどうしても発ガン物質が出来てしまいます。
発ガン物質は上皮細胞の遺伝子を傷つけてしまうことがあります。
すると上皮細胞にうごくの止め、その場で分裂するようになります。
どんどん分裂を繰り返していくうちに盛上がっていきます。
こうして出来るのが大腸腺腫(だいちょうせんしゅ)です。
大腸腺腫は50代になると3人に1人なると言われ、年齢とともに増えていきます。
腺腫ガンになるのに数年から10年くらいとされ、ガンもどんどん増えていきます。
そして普通の細胞に比べるとなかなか死にません。

■バランスの悪い食生活が大腸ガンを引き起こす
腺腫はその場で分裂を繰り返すだけで、このままなら身体に悪い影響を及ぼすことはほとんどありません。
しかしバランスの悪い食生活を続けていると、発ガン物質の攻撃が続き遺伝子が傷付けられていきます。
そしてある日、他の場所に入り込むなどの能力を身に付けたガン細胞になってしまいます。
ガン細胞は増殖を繰り返し、まわりの組織を押し退けながらついには大腸の壁に入り込みます。
壁に入り込んだガン細胞はやがて血管などを通って離れた場所に移動し、肝臓や肺などに転移してしまいます。

■腺腫(せんしゆ)が大腸ガンのサイン
大腸ガンはステージ1の段階で見つかれば5年後の生存率は96%になります。
大腸ガンの場合、このステージ1の前に腺腫(せんしゆ)の段階があって、この段階で見つけると100%と言ってもよい生存率になります。
つまり腺腫(せんしゆ)が大腸ガンのサインになります。

■便潜血検査(べんせんけつけんさ)
便についた血液をしらべます。
日本で使われている検査キットは血液が100万分の1に薄まっていても検査出来ると言われています。

●陥凹型ガン(かんおうがたがん)
このタイプのガンは便潜血検査(べんせんけつけんさ)で見つかりにくく、進行が非常に早く危険なタイプのガンです。
大腸早期ガンや腺腫を発見するには内視鏡検査が必要ですが、内視鏡をする医師の数は限定されています。
町村の検査など多くの数を検査する場合、内視鏡検査をする前のふるい分けをする必要があります。
そのために便潜血検査反応を行います。

■大腸ガン検査メリット・デメリット
●便潜血検査(べんせんけつけんさ)

メリット:負担が少なく、進行ガンを発見することができる
デメリット:早期ガン、陥凹型ガンを見逃すこともある

●内視鏡検査
メリット:早期ガン、陥凹型ガンをを発見し、その場で治療することができる(大腸の表面には傷みを感じ知覚神経がないので痛みがありません)

デメリット:費用が高い、事故の可能性がある(0.07%)

大腸ガン検査の鉄則
1:毎年便潜血検査(べんせんけつけんさ)を受ける
大腸ガンで死なないためには転移する前に見つけることが重要です

2:40〜50代になったら、一度は内視鏡検査を受けてみる

■食物繊維と大腸ガン
昭和40年頃から始まった大腸ガン患者の急増の背景には、食生活の欧米化が原因ともされています。
肉や脂肪を摂り過ぎると消化するときに発ガン物質がたくさん出来てしまうためです。
そこで大腸ガンの予防方法としてすすめられてきたのが食物繊維をたくさん摂ることです。
発ガン物質を体外に排出するなどの効果があると考えられていたからです。
しかし近年の研究では、食物繊維をたくさん摂取しても、摂取しなかった場合とそれほど変わらないという結果が出ています。
食物繊維が不足している場合は大腸ガンのリスクが高まる可能性がありますが、多く摂取すればするほど大腸ガンのリスクが低くなるわけではないそうです。
動脈硬化や他のガンを予防するためにも野菜は効果があるので、厚生労働省では1日20gの食物繊維の摂取を目安としてすすめています。

■大腸ガン予防のためにも内臓脂肪を減らす
最新の研究では内臓脂肪が多い人の方が大腸ガンになる可能性が高くなっています。
つまり運動などによって内臓脂肪を減らすことが大腸ガンの発生のリスクを減らすことにつながると考えられています。

■大腸ガン最新治療法
・早期ガンなら内視鏡による治療
・次は腹くう鏡手術
・あるていど進行してしまった場合は化学療法

昔は大腸ガンには化学療法は効果があまりなかったですが、年々大腸ガンに効く薬が出てきていて、ものすごい勢いで進歩しています