顎関節症(がくかんせつしょう)!アゴの痛み。歯の噛み締めが顎関節症の原因にもなります。咀嚼筋腱・腱膜過形成症(そしゃくきんけん・けんまくかけいせいしょう)。アゴに異常を感じたら、すぐに専門医の診断を受けることが大切
■顎関節症(がくかんせつしょう)について
顎関節症(がくかんせつしょう)とは、何らかの原因でアゴに大きな負担がかかることで痛みや音が出るといった異変が起こる病気です。
最終的には口がほとんど開かなくなってしまうこともあります。
顎関節症(がくかんせつしょう)の潜在患者数は日本人の2人に1人、特に20代〜30代の女性に多くいるそうです。
アゴに異常を感じたら、すぐに専門医の診断を受けることが大切です。
口が4cm未満しか開かない場合は顎関節症の危険性があります。
■関節円板(かんせつえんばん)について
関節円板とは、アゴの関節の間でクッションの役目を果している柔らかい組織のことです。
私達がスムーズに口を開け閉め出来るのはこのクッションのおかげです。
しかし病を発症すると、この関節円板が本来の位置からズレてしまい口が開けづらくなっていきます。
関節円板は正常な場合であれば上下のアゴが噛み合わされる位置にはさまっています。
ところが顎関節症になると関節円板が前方にズレてきてしまいます。
■歯の噛み締めが顎関節症の原因にもなる
顎関節症の原因は完全には解明されていませんが、原因の一つとされているのが歯の噛み締めです。
ストレスの影響などによる長時間の歯の噛み締め行為はアゴの大きな負担をかけてしまいます。
一度の噛み締め行為でアゴには約50kgの負担がかかるといわれています。
人間は精神的にストレスを受けると無意識のうちに歯を噛み締めてしまうという習性があります。
噛み締めにより関節円板が圧迫され続けていくと、やがては周辺組織に炎症を引き起こします。
この炎症がアゴの痛みとなってあらわれます。
つまりアゴの痛みが顎関節症の発症サインともなります。
この時点で治療すれば問題なく完治することができます。
ところが炎症を起こした組織は時間とともに沈静化していき痛みも消えてしまいます。
しかし、さらに噛み締め行為を続けていくと関節円板が除々に前方へと押し出されていきます。
するとアゴを動かすたときに音が出るようになってきます。
これは大きく口を開けた拍子に、ズレていた関節円板が一時的に元の位置に戻るときに起こる音です。
その後も絶えまなく圧迫がかかり続けていくと、関節円板が前方へと脱落してしまいます。
すると関節円板が引っ掛かり口が開かなくなってしまいます。
それでも強引に口を開けようとすると、アゴの付け根に無理な力がかかり、猛烈な痛みが起こります。
■顎関節症の自己チェック
耳の穴の1cm前あたりを指で押さえます
口を大きく開けると触れている部分が凹みます
口を閉じると凹んでいる部分が元に戻ります
このとき左右の関節の動きが大きく違ったり、音がしたり、痛みがある場合は関節円板がズレている可能性があります
■アゴに負担がかかる行為
・左右どちらかだけで噛む
・頬杖をつく
・うつ伏せで寝る
アゴに負担のかかることを避ければ、顎関節症の発症を防げる可能性が高くなります。
■咀嚼筋腱・腱膜過形成症(そしゃくきんけん・けんまくかけいせいしょう)
そもそも私達は咀嚼筋(そしゃくきん)と呼ばれる4つの筋肉を動かすことで口を開け閉めしたり、物を食べたりしています。
ところが咀嚼筋腱・腱膜過形成症になると4つの咀嚼筋と骨をつなぐ腱と呼ばれる固い組織が異常発生します。
咀嚼筋を覆い尽くし筋肉の動き妨げるため口が開きにくくなってしまいます。
現在の治療法は手術しかなく、腱で固まってしまった咀嚼筋を骨ごと切除する手術を行います。
残った健康な咀嚼筋で口の動きを代用させます。
■噛み合わせを良くして顎関節症を予防
噛み合わせが悪いとこめかみや肩の筋肉が緊張し頭痛や肩こりの原因になるばかりか、アゴの関節の負担から顎関節症を引き起こしてしまう場合もあります。
噛み合わせを良くして顎関節症を予防しまいしょう。