帯状疱疹(たいじょうほうしん)について!たいじょうほうしんの治療・予防法。水ぼうそうになる子供に接したり、ワクチンを摂取によりウイルスに対する免疫がそのつど増えて帯状疱疹の予防にもつながります
いま日本人の6人に1人が帯状疱疹(たいじょうほうしん)になると言われています。
脇腹・胸・頭などに発疹があらわれ、たいてい体の片側にあらわれます。
蚊に刺されたようなあとから始まり、数日で広がって水ぶくれになっていきます。
通常、帯状疱疹(たいじょうほうしん)を発症してから1週間ほどでピークに達し、痛みも少し遅れてピークをむかえ、数日遅れて治まっていきます。
症状が軽い場合は2〜3週間で痛みは引きます。
■水ぼうそうについて
水ぼうそうのウイルスはとても強い感染力をもっていて、空気中をさまよい鼻や口からが入り込んで体内で増殖していきます。
そして細胞から細胞へひろがりながら皮膚の表面に達します。
これが赤い発疹の水ぼうそうです。
しかし体内では免疫システムが働きウイルスを退治して水ぼうそうは治まっていきます。
一度、水ぼうそうにな対する免疫が出来てしまえば、再びウイルスが入ってきても免疫が撃退してくれるので水ぼうそうにはかからなくなります。
■神経節に帯状疱疹ウイルスが隠れて冬眠している
小さい頃にかかった水ぼうそうのウイルスが生き残り、神経細胞のかたまり神経節(しんけいせつ)と呼ばれる部分に隠れて冬眠することがあります。
神経節は脊髄の左右両側にあり、胸やお腹に向かってベルトのように伸びています。
長い間ウイルスに接していないうちに免疫の働きはだんだん弱くなっていくことがあります。
このとき免疫から隠れて冬眠していた帯状疱疹の原因ウイルスが目覚めてしまうことがあります。
するとウイルスは神経節に沿って増殖していき皮膚の表面に向かっていきます。
そのため帯状に疱疹があらわれ、また右か左どちらか一方にあらわれます。
この帯状の症状から「帯状疱疹」といわれます。
■帯状疱疹後神経痛(たいじょうほうしんごしんけいつう)について
帯状疱疹後神経痛(たいじょうほうしんごしんけいつう)とは発疹が治ったのに痛みがなくならない状態をいいます。
単なる皮膚の病気ではなく神経の病気とされています。
ふつう痛みは末梢神経から脊髄を通って脳に送られ「痛み」として感じます。
ところが繰り返し強い痛みを感じていると痛みを伝える回路が出来上がってしまい、痛みの元がなくなってもちょっと触っただけで痛みの信号が脳に送られてしまうことがあります。
これに脳や末梢神経の異常も作用して痛みを強くしてしまっていると考えられています。
■帯状疱疹の治療
・抗ウイルス薬
ウイルスの増殖をおさえます
発疹から3日以内が目安
帯状疱疹の初期症状であれば神経ブロックという局所麻酔薬で脊髄を麻痺させます。
それでも痛みが残る場合は脳や神経に働く薬を使います。
痛みを感じる機能を弱める薬で時間をかけて痛みを感じにくくします。
帯状疱疹後神経痛の治療はペインクリニック・麻酔科。
■ブースター効果
普通は年とともに免疫は減っていきますが、水ぼうそうになる子供に接したり、ワクチンを摂取することによりウイルスに対する免疫がそのつど増えて帯状疱疹の予防にもつながります。
帯状疱疹の予防ワクチンは病気が発症しないようにウイルスの毒性を弱めたものです。
水ぼうそうのワクチンはアメリカやEUなど30カ国以上で帯状疱疹の予防に使われています。
ワクチンは自費で1万円前後になるそうです。
医療機関によってはワクチン摂取をしていないところもあります。